真和園 その1 山門・太子堂・観音菩薩像・蓮如像◆変な体形には意味があります
2023年01月24日
能登半島の先っちょにある穴水、その山間にどどーん!と鎮座する大仏。
そんなありがた~い大仏さまを擁する庭園が真和園です。
ここがね、なかなかに楽しいーのですわ。
お寺じゃないのにそこら辺のお寺じゃ太刀打ちできない規模・クオリティ。
なんでも実業家が有り余るカネをじゃんじゃんつぎ込んで作った施設らしいのですが、そんなカネの臭いなど微塵も感じない。
心洗われるような清浄な空間となっています。
現場の全体図はこんな感じ。
入口に山門、すぐ脇に太子堂、そのすぐ先に観音菩薩像、その先に阿弥陀堂・弘法大師堂などがツラツラと続き、最後にクライマックスの能登長寿大仏。
のんびり歩けば大体徒歩で30分程度。
朱鷺のさんぽ道もブラついたらプラス20分、くらいな感じ。
まあまあ時間かかります。
自分のペースでゆっくり見て回ってください。
では1発目、山門。
ガツーン!とそびえ立つ、いかにもお寺のエントランス的な門(ここはお寺じゃないけど)。
でもこの門、この先に待っているもののレベルを考えるといささか地味。
「格」的に言えばもっと上のクラスである薬医門や高麗門があってもいいと思うのですが、なんでか知らんけど地味な棟門。
サイズもやけに小さい。
なんでやろ?(謎)
その地味な門を抜けるとすぐ左手に太子堂。
その名の通り、聖徳太子を祀ったお堂です。
八角形の屋根は恐らく法隆寺の夢殿をオマージュしてのものでしょう。
内部の様子は不明。
太子堂ってんだから、恐らく聖徳太子に関係するものが納められていると思うのですが。
何があるんだろ?
ビジュアルが素晴らしいんですわ、このお堂。
木造の質素な感じがいいわ~♪
深く沈む木肌の色がたまらなくクラシック!
でもこのお堂、基壇がコンクリートであることから分かる通り、建てられたのはごく最近です。
だったら鉄筋という選択肢もあったはず。
にも関わらず木造。
その辺り、恐らく深~いこだわりがあったんでしょうね。
そこから目と鼻の距離に大きな観音菩薩像。
異様とも言える雰囲気でどどーんと屹立しています。
見て欲しいのは像様。
頭に円形の後光を輝かせ、左手に未開敷蓮華(みかいふれんげ・悟りに至っていない衆生の象徴)を持ち、右手は与願印(よがんいん・あなたの願いを聞き届けますよという手の形)を結んでいます。
これは「仏の力で迷える衆生を救い、思いや願いを叶えます」というメッセージを意味しています。
迷えるアナタ!
この観音像の前でしーっかりお参りすれば、その願い聞き遂げてもらえるかもしれませんよ。
わたしくらい煩悩多すぎると無理だけど。(←?)
もう1発見て欲しいのは体形。
よーく見ると頭がデカくて足が短い、アンバランスな形になっています。
なぜか?
これ、下から見上げた視線を意識しています。
当たり前ですが、景色ってのは近くの物は大きく、遠くの物は小さく見えます。
なので目線から近い足は短く、遠い顔は大きく作って、全体が均等に見えるように作られているのです。
大きな仏像には比較的よく使われる手法です。
その観音像の右手に仏心堂と呼ばれる建物があり、その右脇に1体の銅像が建っています。
蓮如像です。
右手に錫杖、左手に笠。
明らかに旅装束。
これ、北陸における蓮如さんの共通イメージです。
常に方々へ旅をして仏の教えを伝えている、それが蓮如さん。
だからこの辺りの蓮如像は大体このスタイルをしています。
以前に取り上げた東別院東山蓮如堂に建っていた像も正にこの姿でしたね。
傍らには歌碑。
『かたみには六字の御名をのこしおく なからんあとのかたみともなれ』と刻まれています。
これは蓮如が詠んだと言われる和歌。
意味は「形見として六字名号(ろくじみょうごう・『南無阿弥陀仏』の6字)残しておく」みたいな感じ。
シブイな。
わたしもなんか辞世の句みたいなのを残しておくかな。
誰もありがたがるヤツなんておらんけどな・・・。
以上、真和園のエントランスから蓮如像まででした。
まだまだ続きますゼ、真和園。
次回は阿弥陀堂から極楽橋まで。
距離にしたら100メートル程なんですけどね、でも感動がいっぱい!
もー脳ミソまでビリビリ来ますよ!
真和園
住所:石川県鳳珠郡穴水町乙ケ崎
関連タグ >> お寺 庭園 真和園
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