安土城考古学博物館 第1展示室編 360度古代の文化で満載
2021年07月24日
信長の城、安土城。
そのすぐ近くに安土城考古学博物館という施設があります。
古墳時代と戦国時代、ふたつの時代にフォーカスを当てて展示を行っている博物館です。
館内には3つの展示室を備え、ロビーに入ると右に第1、左に第2、そして中央に第3展示室の入口があります。
第3だけは企画展用で基本写真撮影できないのでレポート不可。
って事で第1・第2展示室の様子をご紹介します。
第1回の今回は第1展示室のお話。
入口入っていきなりばーん!と目に飛び込むのが滋賀県の遺跡マップ。
古墳を中心とした古代の遺跡位置が網羅されています。
あるわ、あるわ、イロイロあるわ!
わたしが滋賀県民なら多分これ全部制覇するな。
石川からじゃちょっと無理だけど。
古代好きには胸わくわくのドリームマップです。
そのすぐ横にあるのが、こちらの八幡社古墳群の46号墳石室の再現。
ハリボテ感満載ですが、そこはまあツッコまない。(←しっかりツッコむ)
入口は大人がかがんで入れるくらいの大きさ。
中は入室オーケーです。
ちょっと中も見てみましょう。
内部はそこそこ広く作られていて、天井はドーム状になっています。
右下の人型の照明が当たっている部分が、多分被葬者が埋葬されていた場所でしょう。
ちなみにこの再現石室のモデルとなっている古墳には、他にもふたつの石室があったそうです。
恐らくどれかひとつが本来の埋葬主で、他の二つは後に追葬されたものでしょうね。
ある意味シェアハウス的な古墳。
再現と言えばもうひとつ。
こちらは瓢箪山古墳の石室再現。
先に見た八幡社古墳群46号墳石室と比べてずいぶんコンパクトです。
この違いは何なんですかね?
被葬者の力の違いか、あるいは時代によるスタイルの変化によるものか。
わたしゃ専門家じゃないので詳しい事は分かりませんが、そこまで分かるようになるとさらに色んなものが見えてくるんでしょうね。
こちらは古代の王のコスプレ。(←?)
左から順に4世紀、5世紀、6世紀の王がイメージされています。
4世紀王は司祭的でシンプル。
5世紀王は戦乱の多かった時代を彷彿させる戦闘的なスタイル。
6世紀王は国や地域の統合が進んで豊かさを増したファッショナブルないで立ち。
急速に変化していく当時の世情が、そのまま現れていますね。
今の世の中も目まぐるしいですけど、当時も負けないくらい変化の激しい時代だったんですね。
そんな王族の権威を象徴した装飾品がこちら。
新品みたいにきれいなのは実際に新品だからで、古墳から掘り出されたものを元に複製・再構成されています。
すごいですよね。
ゴージャス感満点のド派手な装飾。
今で言えばグッチやプラダの高級バッグか、それ以上のインパクトがあった事でしょう。
オシャレに対する欲望は今も昔も同じなんですね。
わたしの愛するハ・ニ・ワ♪
こちらはバリバリの本物です。
いいですわ~、この子供の粘土細工みたいな洗練性のなさ。
不格好が生み出すカッコ良さ。
テキトーさ全開の美しさ。
縄文式土器なんかもそうですが、古代人のアート感覚ってのは独特ですね。
なんかもーメッチャメチャ魅かれますわ!
銅鏡。
これもカッコええ~~~!!!
見ての通り様々な文様があしらわれています。
どれも意味は分からんけど、どこか呪術的。
これは鏡の中には神が宿るという思想に基づいているからでしょう。
そしてこの考えは現代にも受け継がれています。
神社に祀られている丸鏡、あれも元はこれがルーツなのです。
この時代から鏡と宗教は不可分の関係だったのです。
もうひとつ忘れちゃいけない古代独特の文化が銅鐸。
壮観ですね、こんだけズラーっと並んでると。
銅鐸の使用目的は未だに不明とされています。
時代と共にどんどん大型化していき、そしてある時突然姿を消すのですが、その理由も不明。
銅鐸って古代史においてとってもメジャーな存在であるにも関わらず、意外とその実態については謎だらけという不思議な存在でもあるのです。
誰か研究してみませんか?
その謎を見事解き明かしたら、多分後世に名を残せますよ!
古代ロマンがぎっしりと詰まった、安土城考古学博物館の第1展示室。
楽しいですよ。
考古学に興味なくても十分楽しいですよ。
古墳とはなんぞや?古代人の文化とは?などと難しく構えず、どうぞ気を楽~にしてお越しください。
ザ・古代な世界があなたを迎え入れてくれます。
次回は向かいにある第2展示室のお話。
あちらは時代が一気に進んで戦国期の城がテーマです。
日本史において最もダイナミックだった時代のエネルギー、思う存分ご堪能ください!
関連タグ >> 美術館・博物館 安土城考古学博物館
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