店主たみこの観光案内ブログ

尾崎神社 威張る徳川×ビビる前田

2021年06月05日

尾崎神社

 

加賀藩前田家は百万石もの領国を有する大大名でした。
の、ですが、所詮外様でした。
そのため幕府からの警戒が厳しく、いつどんな難癖を付けられて吹っ飛ばされるか分からない、そんな不安定な存在でした。
なので常に幕府のご機嫌を伺い、忠誠をアピールし、従順である必要がありました。
そんな幕府対策のひとつとして建てられたのが、今回お話しする尾崎神社です。

 

こちらは徳川家康を御祭神として祀った東照宮です。
家康さまをありがた~く祀ることで、幕府に対する心からの服従を示したのです。

 

ん~涙ぐましい(笑)。

 

朱塗りの八脚門

 

神社の正面を飾るのがこの赤門。
ガッシーン!とそびえる八脚門です。

 

すさまじいのですわ、インパクトが。
朱色がばっと映えて、サイズもでっかくて。
堂々たる風格。

 

なんたって家康さまをお祀りする神社ですからね。
エントランスからこのくらい立派に仕立てないと格好がつかなかったのでしょう。

 

尾崎神社の拝殿

 

その門をくぐるとすぐ正面が拝殿。
建物自体はさして大きくないのですが、仕立てが立派。
装飾×装飾でゴッテゴテ!

 

特に目を引くのが屋根ですね。
入母屋の屋根が左右にびっと跳ね、中央には異様とも言えるほどの巨大な千鳥破風。
どうだー!と言わんばかりの威光。
思わず、ははーっ!とはいつくばってしまいそうになるほどのザ・徳川エネルギー!

 

拝殿向拝の軒下

 

向拝下もカッコい~ですよ。

 

白の下地の上にざっと伸びる朱色の垂木。
平行に配された連続性が独特のリズムを生んで流れるような動きを作り出し、そのまま目の前まで迫って来るような圧!

 

さらに虹梁両端の木鼻に配された龍の彫刻。
ウロコ1枚1枚まで精緻に彫り込まれ、眼光は鋭く、今にもぐおぉぉーー!!と吠え出しそうな臨場感。
めちゃめちゃエネルギッシュ!

 

ヒゲが1本落ちてるけど。(←?)

 

葵の御紋の付いた扉

 

この扉もい~いじゃないですか♪
徳川家の象徴『葵の御紋』が4つ、腰部分にどん!どん!どん!どん!
天地と中央には唐草の文様を施し、窓には菱型の面格子をしつらえ、枠には黒金具がびしっ!
隅から隅まで隙のない造り。

 

ちなみにこの神社の建造は江戸の宮大工が行ったそうです。
幕府が派遣してきたのか、それとも前田が江戸からハントして引っ張ってきたのかは不明ですが、言ってみれば当時最先端の技術者集団。
だからですかね、どこか垢抜けてると言うかスタイリッシュ。
ぎっしりと詰め込まれた高密度な装飾には、将軍の威光というだけでなく、江戸の宮大工のプライドも込められているのでしょう。

 

拝殿後ろの中門

 

こちらは拝殿の裏。
ご覧の通り拝殿と本殿とは切り離されており、その境目に中門が設けられています。

 

で、この中門がまたイケイケなのですわ♪
朱色の扉が聖域をがっしりと封鎖し、でも格子の隙間からチョロっとだけ向こうが見えて。
見えそう~で見せてもらえない中途半端さが何とももどかしい!

 

尾崎神社の本殿の屋根

 

この本殿、ちょっと変わってまして。
こんな妙な角度からの画像しかなくて申し訳ないのですが、分かりますかね?鰹木(かつおぎ)が2本しか乗ってないのですよ。

 

鰹木ってのは屋根の大棟に横向きに乗せられてる棒みたいなヤツなのですが、通常祀られているのが男神の場合は奇数、女神の場合は偶数ってのがセオリーです。
数は自由ですが、あんまり一杯乗せてもうるさいし、少ないとスカスカして貧乏臭いし、大体5~7本乗せるのが一般的です。
社殿が小さい場合は3本ってケースもあります。
でもここはたったの2本、別に社殿が小さい訳でもないのに。

しかも家康は男なのになぜか偶数。
結構レアケース。

 

気になってモデルとなった日光東照宮はどうなってんだろうと思って調べたら、どうやらあっちも2本みたいで。
多分そのまま真似したんでしょうね。

 

稲荷神社

 

本殿の横には、小さな末社があります。
赤い社殿から分かる通りお稲荷さん。

 

この建物、なんとなーく二重構造の入れ子になってるのが分かりますかね?
これは「覆屋(おおいや)」と呼ばれるもので、建物を包む建物です。
なんでわざわざ建物を包むのかと言うと、内側の建物を守るためです。

 

覆屋には元々被せてあるケースと、後から被せるケースとの二通りがあるのですが、これは恐らく後から追増されたパターンですね。

よく見ると覆屋の方がちょびっと建材が新しいし。

 

網をかぶった狛狐

 

そのお稲荷さんの前にこんなのがあります。
狛犬ならぬ狛狐。

 

狛狐自体は稲荷神社ではよく見かける光景ですが、気になるのはすっぽりと被せられた網。
ここまで覆屋かよ?みたいな。
でもある意味覆屋なんですね、これ。

 

なんでも昔、狛犬の上に石を投げて上手く乗っかったら縁起がいいって迷信が流行った時期があったそうで、この狛狐もターゲットにされたそうです。
ただ中には下手クソな人が少なからずいて、石をガンガンぶつけられ、像が段々欠けてきました。
そこでこれ以上壊されないよう、こうして上から網を被せたんだとか。

 

神さまの使いに石ぶつけて遊ぶって、昔の人、勇気あるわ~(笑)。

 

尾崎神社の山門天井

 

徳川の威光と前田のビクつきぶりを今に残す尾崎神社。
とにかく拝殿が立派です。
場所は金沢城のすぐ裏、観光に来る機会があればぜひお立ち寄りください。

 

なおよく似た名前で尾山神社ってのがありますが、あっちはまた別の神社です。
ちょっと紛らわしいですが、どうかお間違えのないよう。

 

 

尾崎神社

住所:石川県金沢市丸の内 5-5

TEL:076-231-0127

ホームページ:石川県神社庁公式サイト

 




エリア >> 石川県 > 金沢市 > 丸の内

 

関連タグ >> 神社 

 

データベースの接続に失敗しました。