店主たみこの観光案内ブログ

室生犀星記念館

2019年05月25日

室生犀星記念館

 

室生犀星(むろおさいせい)。
金沢三文豪の一人で、明治後期~昭和初期にかけて活躍した詩人・小説家です。

 

その生い立ちは暗く。
生まれは父と女中の間にもうけられた私生児だったそうで、出生後すぐに寺に預けられました。
やがて7歳で正式に寺の住職の養子となり、その後も実の両親の愛を受けることはなく、孤独な幼少時代を送ったそうです。
ちょっと言葉悪いですが、要するに親に捨てられたわけですね。
このことは生涯に渡って犀星にとって大きな負い目となり。
人格・作風に大きな影響を与えたと言われています。

 

子供って、人の子でもかわいいのに。
まして自分の子を他人に放りつけるなんて、ちょっとありえん感覚ですな。
勝手に作って、無責任に放棄して。
そんなこと、当時は普通にあったんですかね?
まあ今の世でもそういう話はありますけどね。

 

そんな犀星が筆で生きていくきっかけとなったのは高等小学校中退後、金沢地方裁判所で給仕として働いていた時。
職場の上司に俳句を詠む人がいたそうで、その人たちから句の手ほどきを受けます。
そして14歳の時、彼の投稿した句が地元紙の北國新聞に掲載されたのです。
やがて21歳で上京、当時すでに詩界で活躍していた北原白秋の目に留まり、彼の主宰する詩集に寄稿します。
その後完全オリジナルとなる『愛の詩集』や『抒情小曲集』を出版し。
さらに「幼年時代」「性に眼覚める頃」など、小説制作にも果敢に取り組みます。
彼の作品に対する評価は高く、文芸懇話会賞や読売文学賞など数々の賞を獲得。
同時に映画化などもされていきます。
晩年は日本芸術院会員や芥川賞の選考委員を務めるなど、業界の発展にも貢献し。
昭和37年、72歳にして静かにその生涯を閉じるのです。

 

すごいね。
もちろん才能と努力がその裏にあったのでしょうが。
精力的なエネルギーの源泉には、自身の出生に対する反骨精神みたいなものもあったのかもしれませんね。

 

そんな犀星の功績・遺品などを見られるのが室生犀星記念館。
「犀星」の名の由来ともなった犀川のすぐ近くにあります。
なんでもここは犀星の生家があった場所なんだそうで。
ちなみに犀星が預けられた寺「雨宝院」も、このそのすぐそばにあります。

 

外観はガラスをふんだんに用いた近代建築。
きらきら光るみずみずしい反射光が実にきれいです。

 

中に入ると様々なグッズが並んだショップ、そして受付。
その奥が展示室となっています。

 

1階は常設展示室。
犀星の生涯を年代ごとにざっと俯瞰でき、彼を取り巻いた人間関係なんかも分かるようになっています。
そこで紹介されている華々しい活躍や実績はそれはそれで素晴らしいのですが、やっぱり引っ掛かるのは暗い幼少時代。
なんとも言えない嫌な気持ちが心に残ります。

 

2階は企画展示室。
その時々に応じたテーマで展示が行われています。
閲覧コーナーなんかもあり、犀星の作品に実際に触れることができます。

 

さらに展示以外にも見所がもうひとつ、それが中庭。
なんでも犀星は庭づくりが好きだったそうで。
ここに置いてある石塔やつくばい(石をくり抜いた手洗い鉢)は、実際に犀星の庭にあったものを持ってきて設置したのだそうです。

全体の雰囲気がやけにモダンで、もうちょっと犀星の生きた時代感を出して欲しいな~という気がしないでもないですが。

まあその辺はご愛敬ですかね(笑)。



犀星の生涯を今に偲ぶ室生犀星記念館。
どうぞ彼のたどった人生の軌跡を、ひとつひとつじっくりと追いかけてみてください。

 

天気が良ければ、犀星が愛したと言われる犀川沿いの散歩もぜひどうぞ。。
涼風をさっと浴びながら川べりを歩くと、とっても気持ちいいですよ!

 

 

室生犀星記念館

住所:石川県金沢市千日町 3-22

TEL:076-245-1108

 




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コメント

 

1.生い立ち

有名になった人は貧しい家庭に育った人が多いですね!!
でも才能が有っての事ですね。

「ndbu64のブログ」にヤフー終了後を考えて投稿を始めました。

雷鳥 2019-05-25 18:14:03

>> このコメントに返信

2.Re:生い立ち

> 雷鳥さん

Yahooブログ、どうしましょうかね?
まだどうするか考えてないです。
って言うか、運営側も未だに移行ツール準備できてないし。
困ったもんですね。

たみこ 2019-05-25 22:05:15

>> このコメントに返信

 

 

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