
河田山古墳公園
2019年04月06日

古墳が建造されたのははるか昔。
3~7世紀頃。
当然長い歴史の中で忘れ去られ埋没してしまったものも数多くあり、この河田山(こうだやま)古墳群もそんな中のひとつでした。
それが偶然発見されたのは、このあたり一帯の団地造成工事がきっかけで、なんやらソレらしいモノがゴロゴロと出土。
掘ってたら、ん?なんか出てきたぞ?みたいな感じだったんでしょうね。
これは一度ちゃんと調べんとイカン、という事で昭和61~62年にかけて本格的に調査を実施したところ出るわ出るわ、合計60基以上もの古墳が発見されたそうです。
とは言え、ここは団地予定地。
残念ながらそのまま保全という訳にはいかず、調査後は予定通り団地へと姿を変えました。
でもせっかくなので、ちょっとだけ残しとこうという事で作られたのがこの河田山古墳公園です。
公園とは言え、ほぼ遊具はありません。
あくまで主役は古墳。
ここは子供の遊び場ではなく、大人の遊び場(←?)なのです。
その古墳は園内の小さな丘を登った先にあります。
河田山12号墳と名付けられた方墳で、大きさは一辺15メートルの正方形。
中を覗くと石室があり、中途半端に石が積まれています。
中途半端と言うのは、実際見ると分かるのですが、天井がありません。
二段ほど壁の石材が積まれ、その上にほんのりカーブした石がことんと置かれ、そこで途切れています。
天井の石は出なかったの?という気がするのですが。
ドコいっちゃったんでしょうかね?
あっと、この12号墳、実はオリジナルの姿ではありません。
本当は別のところにあったものを公園用に移築、積み直したものです。
なので石室以外は完全に現代製と思ってください。
確かに言われてみれば、外観の四角形がやけにきれいだし。
石室内もよーく見たらコンクリートが貼ってあるし。
もちろんオリジナルもちゃんとありますよ。
この12号墳のすぐそばに1号墳が。
歩いて30秒。
ちゃんと標識もあって、ここが1号墳と分かるようになってます。
とは言え。
ただ土がやんわりあるだけで、何がどう古墳なのか全然分からんけどね。
公園内には河田山古墳群史跡資料館という施設があり、発掘当時の様子や出土品、古墳に関する資料などを見ることができます。
県内の古墳マップなんかもあり、古墳マニアにはわくわくなデータがいっぱい。
よーし次ココ行ったろ、と闘志がメラメラ湧き上がります。
展示室中央にはどどん!と石室。
これも移設で、このすぐそばで発見されたものを壊れないように固定して、元の形のままズルズル引っ張ってきたんだそうです。
日本建築でいう「曳家」ってヤツですね。
家を丸々うんとこしょと持ち上げて、そのまんまえいや!と移動してしまうやり方。
入口から覗くだけの12号墳と違い、この石室は360度からぐるりと見られるので、臨場感満点。
色んな角度から観察できます。
かつて古墳銀座だった河田山古墳群。
こんな山奥にこんなにたくさんの古墳を作るほど力のある豪族がいたってコト自体ちょっとピンと来んのですが。
人って平地に集まるもんだと思うんですけど。
なんでここだったんでしょうかね?
そんな誰も答えを知らない謎に独り思いを巡らせる歴史ロマン。
はるか古代の史跡をじーーーっと見ながら、あれやこれやと想像するってのもなかなか楽しいですよ!
関連タグ >> 公園 古墳 遺跡 河田山古墳群
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コメント
1.残念なり~
先日、滝ケ原の帰りに寄りました
資料館は見ごたえありましがた、古墳跡は小松城跡と同じでまったく手入れされておらず、パンフレットの青々とした感じが悲しいです~
前方後方墳もあったのですね~
めずらしかったです
MENTANPIN hipper 2019-04-14 08:16:51
>> このコメントに返信
2.Re:残念なり~
> MENTANPIN hipperさん
確かに古墳自体はインパクトに欠けますね
不足分はイマジネーションで補ってください(笑)
たみこ 2019-04-15 20:40:16
>> このコメントに返信
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