
富山市郷土博物館 復元模型のテクノな仕掛けがイカスのよ!
2025年04月05日

富山城址公園内にある存在感抜群の天守閣。
それが富山市郷土博物館です。
ただこの天主閣、復元でなく単なるモニュメントです。
元々富山城には天守閣はなく、昭和29年に富山産業大博覧会の会場として建てられたものです。
とは言え、場所が場所なんでね。
何の違和感もなくしっくり収まっています。

展示室のレイアウト。
ルート通りに進むと、「富山城研究の現在」→「中世」→「近世」→「近現代」。
折り返して企画展示室、最後に展望台へ。
そんなに広くはないです。
でもその分情報がコンパクトにまとめられてて、効率的。
富山城の歴史をざっと俯瞰できます。

館内に入ってまず最初に目につくのがこの瓦展示。
富山城址公園東側にある千歳御門の瓦です。
左の本瓦は本物(左下の1枚だけリメイク)、右の鬼瓦は丸々リメイク。
すごいな、疲労感が。
瓦って頑丈なイメージがあるけど、176年も経つとこんなにパゲパゲになるのな。
ボロさが逆にカッコイイわ。

そしていよいよ展示室。
ここから一気に空気が変わります。
黒で染められた室内はタイムスリップ感でいっぱい。
素晴らしいな、このギアチェンジ。
「現代」という時間感覚を一気に消し飛ばす、幻想世界への導入口。
わくわくが止まりませんわ!

その突き当りにミニシアター。
富山城誕生の経緯を手短に解説しています。
これがまた結構ゴチャゴチャでね。
1回観ただけでは、??、みたいな感じ。
なんたって同盟・裏切りが目まぐるしく交錯する戦国の世の話ですんでね。
頭の中を整理しながら、ひとつひとつ順を追って理解してって下さい。

富山城跡からの出土品。
かわらけ、鍛冶製品、炭化穀類が展示されています。
今もね、掘れば出るらしいですよ。
ひょっとしたら自分が今立っている足の下にもものスゴイ物が眠ってるかも?
そう考えると、ちょっとロマンですな。

銀鯰尾形兜(ぎんなまずおなりかぶと)。
頭頂ににゅーっと伸びてる長いヤツがナマズの尾を表現しているんだそうで。
地震を起こすほどのパワーを持つナマズの力をその身に宿す、という縁起を担いでいます。
これ、127センチもあるらしいですよ。
こんなの被ったら重いし安定悪いし返って邪魔だろ、と思うんですけどね。
実用性低いわ(笑)。

越中国富山古城絵図。
1647年に幕府に提出された絵図の写しです。
よく見ると、石垣が崩落していたり雑草が荒れ放題になっている様子が描き込まれています。
これは廃城後のノーメンテナンス状態をそのまま描いたからなんだとか。
もったいないなー。
見たかったわ、ちゃんとお城として生きてた頃の富山城。
廃城のきっかけは火事による全焼らしいけど、これがなきゃ今もある程度は形が残ってたのかな?
残念!

この博物館の一番の目玉、富山城復元模型。
これがねー、イカスんだわ。
音声と照射によるビジュアル説明で、富山城の構造や変遷が手に取るように分かる。
「歴史」という過去と「テクノロジー」という現代技術が融合した、タイムトラベルマシン。
これ作った人、素晴らしいわ♪
・・・で、どんだけカネかかったの?(←そういう所が気になる)

さらにこのジオラマ、裏側にも仕掛けがあります。
表側が現役バリバリだった戦国期なら、裏側は明治以降の変化の様子。
ここにあの建物が建ったとか、あっちにこの建物が建ったとか。
表側に比べればややインパクトは薄いんですけどね。
ただ時代が近い分、こちらの話はなんだかリアル。
移り行く世の流れみたいなものが生々しく感じられます。

最後に天守展望台からの眺め。
富山城址公園全体はもちろん、富山市の街並みがざっと見渡せます。
気持良いですよ、高い所からの景色。
い~い感じに風も吹き込むし。
どうぞ殿さま気分でお楽しみください。

富山城の今昔が分かる富山市郷土博物館。
知識ゼロで大丈夫です。
ここで全部分かります。
分からんでも、とりあえず眺めてるだけで楽しめます。
せっかく富山城跡に遊びに来たなら、ここは必ず寄ってってください。
あっと、最後にひとつ。
この公園の地下に駐車場が併設されているのですが、不当に高いです。
車で来られた方は周辺にある民間のコインパーキングの利用が絶対にオススメです。
どうぞ、お忘れなきよう。
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