
諸嶽山 總持寺祖院 境内編その1 外観も装飾も見事過ぎる仏教建築にうっとり
2024年08月31日

国指定・県指定の文化財建築がゴロゴロ並ぶ總持寺祖院(そうじじそいん)。
前回は入口の三松関から山門までを見てきました。
今回はその先にある回廊内部へと進みます。
ここはお寺の心臓部。
それだけに重要な建造物が集中しています。
最も緊張感あふれるエリア。

中庭の中央は大きな庭園になっていて、奥には池。
きれいな錦鯉が気持良さそう~に泳いでいます。
禅寺って枯山水が多いんですけどね。
ここは水資源が豊富にあるから、わざわざ枯れ庭にする必要がなかったんでしょうね。
自然の形をそのまんま取り込んだ、シンプルな様式。

そんな庭の左手にそびえるのが鐘鼓楼(しょうころう)。
袴腰の基壇の上に漆喰壁・方形屋根を乗っけたスタイリッシュなフォルム。
「鐘鼓楼」なんでね、鐘と太鼓があるはずなんですが、内部は非公開。
橦木(しゅもく・鐘を突く木の棒)が見える事から鐘の存在は確認できるものの、太鼓がどこにあるのかは分からない。
見えないとなると余計に湧き上がる好奇心。
中も覗いてみて~。

その先には僧堂。
お坊さんが座禅を組んで修行する場所です。
これまた立派な建物だわな。
釣鐘型の花頭窓を並べて、その上に庇+黒瓦の大屋根。
美観と風格を兼ね備えた、スタイリッシュな建築です。

中には座禅のためだけの狭い床とペッタンコの座布団がズラリ。
僧達はここに座り、日々ひたすら座禅にいそしみます。
座禅って言うと、棒でベシーン!って叩かれる怖いイメージがあんだけど。
まああんな事やってんでしょうね。
希望者は座禅体験なんかもやらせてもらえるそうです。
ベシーン!とやられたい方は、ぜひどうぞ。

さらに奥へと進み、一旦回廊を抜けて山側に行くと小さなお堂がひとつ。
伝燈院(でんとういん)です。
こちらはこのお寺を開いた瑩山紹瑾(けいざんじょうきん)禅師の霊廟。
その法燈(ほうとう・仏教の教え)を守り伝えるという事から、この名が付いているようです。
これまた彫刻が強烈だわな。
左右の登り龍と降り龍の描写が見事!
恐らく天にいる瑩山紹瑾に願いを伝え、法力を授かって降りて来るってのを暗示してるんだと思いますが。
ま~惚れ惚れしますわ♪

そのちょっと右側には放光堂(ほうこうどう)。
地蔵菩薩を祀った納骨堂です。
これも美麗だね。
滑らかなカーブを描く唐破風の向拝に、威厳あふれる入母屋屋根。
壁面は白漆喰でキリッと引き締め、左右に数寄屋風の丸窓。
小振りだけどその分凝縮感のある、鮮やかなデザインです。

ここも彫刻が素敵だわ。
梁に施された雲様!雲様!雲様!さらに蟇股(かえるまた)にまで雲様!
お堂全体がミステリアスな雲に包まれているかのよう。
木肌の退色感もいいですね。
明治期の建築との事ですが、い~い感じにくすみが入ってて。
幽玄性でいっぱい!

そしていよいよクライマックスの大祖堂(だいそどう)となるのですが。
この続きは次回。
こちらはこのお寺で一番大きな建物にして、歴代祖師を祀った大事な建物。
建物も素敵ですが、中の装飾も壮絶です。
總持寺祖院の誇る宗教パワー、どうぞ心行くまでお楽しみください。
※このレポートは震災前に訪問した時のものです
関連タグ >> お寺 總持寺祖院
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