
養浩館庭園 御茶屋 広大な庭と贅沢な屋敷は大名さんのステータスです
2024年03月30日

江戸時代の大名庭園が腹いっぱい楽しめる養浩館庭園。
前回はそんな庭園の様子を見てきました。
今回はその庭園内にある御茶屋を見ていきます。
こちら、オリジナルは昭和の福井空襲で消失しており、現在の建物は平成5年に復元されたものです。(※庭園も厳密には復元)
なので江戸時代感ゼロのピッカピカ。
とは言えベースが大名の別邸ですからね。
贅と品に満ちた、美麗空間となっています。

屋敷の見取り図はこんな感じ。
中央に出入口、左手に座敷、右手に風呂。
大御殿という程の規模ではないものの、洗練感が強烈。
高い精神性と文化が感じられる、ハイグレードなしつらえとなっています。

入口で最初に目にするのが御台所と呼ばれる部屋。
台所と言えばキッチンを連想しますが、この部屋には調理設備は一切ありません。
何で台所なのかは一切不明。
が、見て欲しいのはソコじゃありません。
光度。
暗いんですよ、ココ。
露骨なほどに薄暗い。
その理由はこの先に進むと分かります。

突然飛び込んでくる大量の光!
暗→明へと一気に舞台が反転します。
スゴイのよ、このインパクト。
うわ、明るっ!みたいな。
押し返されるほどの神々しさに、思わず一瞬息を飲んでしまいます。

その先に現れる庭の眺めがまた壮観でしてね。
青々とした植栽と眩しく照り返す水面が、大パノラマで目の前に展開します。
贅沢だわ~。
こんな庭のある屋敷が別荘って、江戸時代の大名さん、どんだけ贅沢なのよ?
わしも江戸時代の大名さんに生まれたかったーー!!

室内のしつらえも贅沢。
純度の高い日本建築の美が冴えに冴えまくる。
いいわな~、和室。
畳、襖、障子、棹縁天井、そして木の柱。
全てが自然素材で構成された、環境負荷ゼロの空間。
人と自然は一体なんだという、ちょっと禅にも通じる思想を感じます。

床の間も素敵だわ♪
やや定型を崩した、数寄屋風の造り。
節くれだった床柱の意匠がシビれる程オシャレ!
この部屋で茶でも飲みながら、の~んびりと日々時間を過ごしたんでしょうね。
なんとまあ優雅な生活か。
仕事と家事で毎日寝るヒマもないくらい忙しい、ド庶民のわたしとは大違いだわ。

縁側を見ると、桟敷に踏み石がズラリ。
一見して石種と色をバラしたと分かる、カラフル仕様。
カッコイイわな~。
うちの庭にも踏み石あるけど、全部同じ石を使ってるから思いっ切り地味。
石の使い方ひとつで、ホント印象って変わるね。

屋敷の反対側には板張りの廊下と部屋を直列に配置。
先に見た座敷エリアとはガラリと趣きが変わります。
これ、何で板張りにしてあるのかと言うとこの先が風呂だから。
つまり湿気対策ですね。
畳じゃ湿気ってカビが生えるので板張り、って訳です。

その風呂場。
風呂と言ってもお湯にざぶんと浸かる風呂ではなく、今で言うサウナです。
画像右側にある神社の入口みたな所から湯気をしゅーっと出して、部屋を湯気で満たすのです。
これってカビなかったのかな?
湯気でもわもわにしちゃったら、換気しても壁や柱に湿気が残るだろうし、冬場なんか窓開けても乾かないだろうし。
どんな手入れしてたんだろ?

この部屋、床に面白い仕掛けが施してあります。
それはこの傾斜。
中央に向けて緩やかに傾けてあります。
これ排水対策です。
サウナなので当然部屋中水滴だらけになって最後は床に落ちてくる訳ですが、その水をこの傾斜で集めて流すのです。
よー考えてますわな。

江戸時代の大名さんの贅沢ライフが垣間見える養浩館庭園の御茶屋。
住みたいわ。
こんな屋敷に住みたいわ。
毎日ナンもせんと、ここで庭眺めてぼけーっと過ごしたいわ。
のんべんだらりと生きたいわーー!!!
大名さんのドリームライフに。
乾杯。
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