
養浩館庭園 庭園 狭い空間にぎゅっと凝縮された日本文化の洗練性を味わえ
2024年03月23日

福井城から徒歩5分、日本文化の美しさを頭からざばっと浴びられる場所があります。
養浩館庭園(ようこうかんていえん)、越前藩藩主松平家の別邸があった場所です。
シビれるのよ~、ここ♪
なんか立ってるだけで心洗われると言うか。
洗練の純日本空間です。

園内マップはこんな感じ。
東西に入口、中央に大きな池、その周囲に巡らされた散策路、東に館。
庭園としてはごくごくオーソドックスな構成。
特に「ここだけ」的なものは何もありません。
ただそれゆえに逆に景観に集中できるというか、ゆっくりと堪能できるというか。
日本の庭っていいよな~、って感覚がじわじわ染み込んできます。

主役は池。
い~いんですよ、この池が。
照り返す水面が神々しくて、凛とした緊張感があって。
目に美しく、吸い込む空気までもが清らかに澄み切ってて。
日本人が古来より愛でてきた格調高い文化性が、生きた世界として目の前に広がります。
ヨダレ出るわ♪

日本庭園の場合、池ってヤツは海をイメージしているケースが多いんですが、ここも同様。
左が川、右が海、の表現となります。
配石がシブイわな~。
手前には河口を意識させる細かな砂利を敷き、川中には大自然のダイナミックさを連想させる大石を置き。
静かさと雄々しさが共存する雄大な風景。

その川に架かる一枚岩の橋。
苔むしてて、いかにも日本的なワビサビ感全開の石。
この石、自然石なんだそうです。
見た感じ、方状摂理の安山岩かな?
こんな奇形な石、どこから見付けてきたんかね?

こんな石橋もあります。
こちらはきっちり成形された石橋。
これもこれで味があるわな。
いい感じで角が取れてて、シミが出てて、苔も生えてて。
山奥にひっそりと眠る隠れ里のような趣き。

こちらはゴロ石をびっしりと敷き詰めた岸辺。
荒々しいね。
先に見た河口をイメージした景色とは真逆のゴツゴツ感。
ある意味、暴力的とも取れる光景。
日本庭園ってのはね、変化の玉手箱なんですよ。
静寂な眺めが続くと思ったら突然頑強さが現れ。
沿路をぐにゃぐにゃに曲げて次々と目線を変え、高低差でポジションを変え。
水を流したり、落としたり、溜めたり。
そんな目まぐるしく変わる景色の変化が庭園鑑賞の醍醐味なのです。

小亭「清廉」。
池を愛でながらお茶を楽しんだり、ゆっくりと休憩をする場所です。
狭いわな。
でもこの狭さがミソなんですわ。
ホストとゲストが近距離で時間を過ごす事で、より心の距離を縮めて行く。
この狭さにはそんな狙いが隠されているのです。

築山。
築山ってのは大体池とセットであります。
なんでかと言うと、池を掘った土を盛って作った山だから。
兼六園なんかもそうですね。
園の中央に霞ヶ池(かすみがいけ)って大池と栄螺山(さざえやま)という築山があります。
あれも池を掘り、その土を盛って作った山です。
今度庭を歩く機会があったら、そんな池と山の関連性にも注目してみてください。

梅園。
残念ながら開花シーズンではなかったので、普通に緑の植栽です。
日本人の四大大好き樹木。
桜・梅・紅葉・松。
どの庭園に行っても必ずこれらのどれか、あるいは全部が植えられています。
そのくらい映えるんですね、これらの木は。
うちの庭にもこの四大木、全部植えたいな~と思ってんですが。
今頃植えても見頃に育つ頃には死んでるな、年齢的に・・・(老)。

決して広くはないけど、面積以上の充実感を味合わせてくれる養浩館庭園。
染みますわ。
心に染みますわ。
日本の庭園文化ってほんと洗練されてるよな~、ってのをしみじみと感じさせてくれる風光明媚な世界観。
どうぞ存分にお楽しみください。
次回は同庭園内にある御茶屋を見ていきます。
こちらも日本建築の美しさがギュッと詰まった格調高い空間。
入ったら帰りたくなくなりますゼ!
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