勅定山 来迎寺 薬師如来どこ行った?
2024年03月02日
穴水の山裾にたたずむシブ~いお寺、来迎寺(らいこうじ)。
春は桜でにぎわう、平安時代より続くとされる古刹です。
ここが素敵なんですわ。
空気がきれいで、落ち着きがあって、なんとな~く静謐と言うかスピリチュアルで。
ただブラブラしているだけで心が洗われるような場所です。
入口にはお馴染みの六地蔵・・・かと思ったら5体。
しかも作風バラバラ、統一感ゼロ。
明らかに寄せ集めですな。
多分アチコチにあった辻地蔵が道路工事かなんかで居場所をなくし、ここに預けられたのでしょう。
そう考えると、ちょ~っと不憫な感じ。
頑張れ!お地蔵さん!
石段を上った先には山門。
三間一戸のオーソドックスなスタイルです。
いいわね、このアングル。
仏さまのいる場所に「上がっていく」という感覚。
高低差が生み出す神秘的な高揚感。
河岸段丘上という地形を巧みに生かした、シビれるエントランス構成です。
その山門の両脇を守る仁王さま。
左に阿像、右に吽像。
筋肉の躍動感がスゴイね、
マッチョむきむき、ザ・筋肉。
ほぼプロレスラー。
このコブシで殴られたらメチャメチャ痛そう。
悪いヤツはガツーン!とヤられるかもしれないので、気を付けてお通りください。
こちらは有名な来迎寺の菊桜。
県の文化財にも指定されている銘木です。
訪問時は時期外れだったので幹と枝だけの姿になってますが、春には見事なピンクの花を咲かせます。
本当にいいですよ、ここの桜。
開花期はライトアップもやってますので、ムーディーな桜景色を楽しみたい方はぜひ夜に訪問を!
ズラリと並ぶ6体のお地蔵さま。
今度は正真正銘の六地蔵。
6と言うのは六道を表しています。
六道とは天道・人間道・修羅道・地獄道・餓鬼道・畜生道。
仏教の教えでは、魂は死んでも滅びることなく、この6つの世界をグルグル流転して未来永劫さまようのだそうです。
それはつまり終わりのない苦しみ。
そんな無限ループの煩悩世界に現れ、救いの手を差し伸べてくれるのが六地蔵さま。
時には身代わりとなり、時には導き、迷える衆生を慈悲の心で守るのです。
しーっかり拝んどいてくださいね、わたしみたいに地獄行きそうな人(←?)は特に!
ズラリと並ぶお地蔵さま。
同じお地蔵さまでも、こちらは六地蔵とはニュアンスが変わります。
のぼりが立っているのでバレバレですが、水子地蔵です。
なんか切ないですな、こんなん見ると。
我が子を生んであげられなかった親の悲哀がにじんでくるようです。
なんとなーくいたたまれない空気。
その脇に小振りなお堂がどーん!
黒瓦の入母屋屋根、板張り・白漆喰のボロっちいお堂。
名前不明(軒下に扁額が掛かってるけど読めない)。
入口の左には小さな札が掛かっていて「穴水町文化財指定 薬師如来」と書いてあります。
って事は、薬師如来像を安置した薬師堂のはず・・なんだけど・・。
中を覗くと、中央に黄金の立像。
これがどうもご自慢の薬師如来像のはずなんだけど、遠目では全然分からんものの、画像を拡大して確認してみると、どー見ても千手観音像。
あり?
じゃあ入口に書いてあった「穴水町文化財指定 薬師如来」って何なんだ?って事なんですが。
全くの不明。
謎、謎、謎、です。
そして本堂。
重い黒瓦屋根でずっしーんと鎮座。
前庭が狭いのでやや圧迫感強めなのですが、それでも堂々たる威厳。
これいつ頃の建物なんですかね?
昭和初期、もしくは大正頃と推定しますが。
ちょっとその辺り、はっきりとしたデータが欲しい。
入口の唐破風、超絶悶絶にカッコエー!!!
滑らかな屋根のカーブ。
その上に乗っかるデカくて迫力満点の鬼瓦。
そして美麗・勇壮な彫刻群。
何と言っても彫刻が素晴らしいわな。
鳳凰・龍・獏・それと何かよー分からん(←?)霊獣。
完全に重要文化財レベル。
もー見てるだけでオシッコ漏らしそうなくらいのパフォーマンスです。
そんなに広くはないけど、楽しさのぎゅっと詰まった来迎寺。
いいお寺ですよ。
穴水に来ることがあればぜひご参拝を。
そして実は堂内も見せてもらえました。
ただそちらに関しては写真一切撮らなかったので(撮っちゃダメって雰囲気でもなかったけど)、レポートはナシ。
結構気楽に案内してくれるみたいなので、中を見たい人は鬱陶しいくらい境内ウロチョロしてみて下さい。
上手くいけば声を掛けてもらえます。
中もわくわくいっぱい、特に幽霊の掛け軸は必見ですよ~!
※このレポートは震災前に訪問した時のものです
関連タグ >> お寺
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