店主たみこの観光案内ブログ

真和園 その3 朱鷺のさんぽ道・観音堂・三重の塔◆やっぱ仏教建築、面白え~♪

2023年01月31日

真和園 朱鷺のさんぽ道

 

真和園レポート、前々回は山門から蓮如像までを、前回は阿弥陀堂から極楽橋までを見てきました。
今回はその先にある朱鷺のさんぽ道からスタートです。
入口は極楽橋を渡ってすぐ左、細い下り道の先にあります。

 

この坂がね、そこそこ傾斜があるんですよ。
なので行きはいいけど、帰りは登りになるので結構キツイ。
シンドイの嫌だな~って人はスルーもアリです。

 

絵馬所

 

で、何があるかと言うと湾に沿った遊歩道。
ここをてくてくと散歩することになります。
まともに歩くと結構距離があるみたいなので、適当な所で引き返してください。

 

その途中なんですけど、こんなものが建っています。
絵馬所。
朱塗りの横木にたくさんの絵馬がズラリ。

 

絵馬に書かれた願い

 

さらさらっと見ると、コロナ関連の願い事が多いですね。
早く鎮静化して安心な世の中に戻りますように、みたいな。
でも中にはこんな妙なものも。

 

「2Mになれますように」

 

2メートル?
身長?
2メートルになりたいの?
2メートルもあったら服ないぞ。
靴なんて(多分足のサイズ30cmくらいにはなるはず)間違いなくないぞ。
めっちゃ生活不便やぞ。
2メートルはやめた方がいいぞ~。

 

なおここに掛ける絵馬は、真和園内にある大仏庵というそば屋さんで買えます。

 

観音堂

 

そのままUターンして再び極楽橋まで戻り、さらに先に進むと古びたお堂。
観音堂です。
これがイカスのですわ♪

 

屋根は黒瓦の入母屋。
左右に伸びる反りのラインが実に優美。
その下には裳階(もこし)と呼ばれる、これまた反りが入った飾り屋根。
さらにその直下、正面中央には格式高い唐破風屋根。
建物全体が装飾でびっしりデコレーションされた、スーパー美麗建築です。

 

観音堂の室内

 

内部の様子。
建物が新しいので、まだ生木の色が残っててめっちゃフレッシュ。

 

中央奥には黒い厨子。
観音堂なので当然中には観音さまが祀られているはずなのですが、ご覧の通り扉はクローズ。
どんな像が納められているのか全く分かりません。

 

見れんとなると余計に見たくなるのよね~。
見たいわ~~!!!(むずむず)

 

格式高い格天井

 

ついでに天井もチェック。
格天井です。
格の高い場だけに許される、スペシャルな意味を持つ天井。

 

さらに柱、何気に丸柱になっているのにお気付きでしょうか?
これも場の格を高める意味があります。
丸柱が使われているのは室内だけで、外の柱は全て角柱。
ご本尊さまの鎮座する空間は、天井も柱も全てが特別仕様になっているんですね。

 

真和園 三重の塔

 

そして今回のクライマックス、三重の塔。
美しいシルエットでシャキン!と屹立。

 

タマランですな、このビジュアル♪
三重に連続する反り屋根。
深茶の木色に沈む深みのある躯体。
その天頂で荘厳なエネルギーを放つ相輪。
全てがビューティフル、そしてアーティスティック!

 

下から見上げた三重塔

 

屋根下から見上げるこのアングルも美しい~。

 

規則正しくズラズラと並ぶ垂木(たるき)。
その下でガッキリと屋根を支える頑強な斗栱(ときょう)。
太く流麗な丸柱。
魂が震えるほどの美麗建築です。

 

三重塔の内部

 

内部にはゴールドの仏さま。
特に説明はないですが、多分釈迦如来像。
足を結跏趺坐(けっかふざ)に組み、左手を与願印(よがんいん)、右手を施無畏印(せむいいん)に結ぶお馴染みのポーズで座っています。

 

左にあるひと回り小さな像は大威徳明王(だいいとくみょうおう)。
五大明王の一柱で、悪いヤツを力でねじ伏せる超武闘派の仏さまです。
乗っている動物は水牛。
水牛は足場の悪い沼地でもぐいぐい進むので、どんな場所にも表れて衆生を救うという意味があります。
強くて頼りになる、アニキのような仏さまです。

 

緻密な天井の装飾

 

ここも天井をチェック。
手前は小組格天井、仏像の真上だけが天女の描かれた装飾天井。

 

明らかに格に違いを付けていますね。
小組格天井も十分格の高い天井なのですが、天井画を描く事でさらにワンランク上の空間を創出。
仏さまの頭上を神々しく荘厳しています。
ニクイわ~!

 

真和園 能登長寿大仏

 

楽しいわな、仏教建築。
柱や天井に込められた思い、そして敬意。
そんなエッセンスをひとつひとつ読み解いていくのが実に楽しい。
ここに限らずお寺や神社には隠れた秘密がいっぱい眠っていますので、参拝する時はそんな謎解き・秘密探しもぜひ楽しんでみてください。

 

次回は真和園レポート最終回、能登長寿大仏を中心に見ていきます。
拝めば100歳まで生きられると言われる能登長寿大仏。
長生きしたい人は必見ですよ~。

 

 

真和園

住所:石川県鳳珠郡穴水町乙ケ崎

 




エリア >> 石川県 > 鳳珠郡 > 穴水町 > 乙ケ崎

 

関連タグ >> お寺 真和園 庭園 

 


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