店主たみこの観光案内ブログ

土蔵造りのまち資料館 いつだって金持ちはイイ家に住むのサ

2023年01月14日

土蔵造りのまち資料館

 

今なお古い街並みの様子を残す高岡の重伝建ゾーンの一角に、一般公開されている古民家があります。
『土蔵造りのまち資料館』と呼ばれる旧室崎家住宅です。

 

室崎家は昭和20年まで綿製品の卸しを行っていた商家で、明治期に現在地に移ったそうです。
建物自体の建築年は不明ですが、明治33年の大火災の後のものらしいので、明治末期~大正くらいの建造でしょう。
表は重厚感満点の土蔵造り、中に入ると軽快な木造建築という、ちょっと面白い造りになっています。

 

土蔵造りのまち資料館の間取り

 

全体の間取りはこんな感じ。
奥に向かって長い建物ですが、公開されているのは前部分のみです。

 

これがイケイケに立派な屋敷でしてね。
うわ!カネあったんだな、この家!って空気がギッチリと詰まってます。
屋敷自体の大きさもそうですが、使われている建材や装飾も思いっ切り贅沢。
思わず見とれるゴージャスさです。

 

太い長押

 

いきなりこの長押(なげし)ですわ。
幅30cmはあったかな?全く必要のない鬼ゴツイサイズ。
明らかに「金持ち」を自慢するのための装飾。

 

ただここね、客の目に触れる場所なんですわ。
先に説明した通り、この家は商家の建物なので、この辺りまでは客が入って来るんですよ。
なので客の目を楽しませるためのパフォーマンスとしてしつらえられたとも取れます。
そう考えると、こんな贅沢もアリかなって気がせんでもありません。



チッ、金持ちめ・・。(←おい!)

 

江戸時代の街割りジオラマ

 

室内にはデカいジオラマがどーん!
かつての周囲の街並みを再現してあります。

 

これが結構面白くてね、道が碁盤状にきれいに整備されてるんですよ。
つまり高岡の街は、図面の上に線を引いて計画的に作られたものなんですね。
そしてこの形は現在もほぼそのまま残っています。
作られたのはもう何百年も前なのに、街の骨格ってのはこうして残るんですね。

 

土蔵造りのまち資料館の座敷

 

その先には「田」の字型に接続された4つの部屋。
この屋敷のセンターみたいな場所です。
恐らく家主が日常過ごしたスペースでしょう。

 

ここのしつらえも素敵なのですわ。
ぶっ飛ぶような派手さはないんだけど、地味~に贅沢感があって。
シブく家屋を楽しんでいます。

 

縄文杉を使った天井

 

例えばこの天井。
なんと縄文杉を使ってあるそうです。

 

縄文杉ですよ!縄文杉!
何千年も前に生まれた杉!
まだ人が動物の皮着て、石器や土器だけでゴリゴリ生活してた頃ですよ!
そんな頃に生まれた杉が今目の前で家の部品になってんですよ!

 

時間スケールがヤバすぎる・・・。

 

土蔵造りのまち資料館の欄間

 

欄間もカッコえーのよ。
1枚板から作られた、高級感ギンギンの透かし欄間。
そんなのがアッチにもコッチにもバン!バン!バーン!

 

買うと高いよ~、コレ。
職人の手彫り欄間なんて1枚数百万のレベル。
そんなのがガンガンあるんだからね。
なんか頭の上にカネがぶら下がってるようだわ。

 

武家屋敷風の床の間

 

床の間もイカス~♪

 

畳敷きの本床に、左に付け書院、右に床脇。
ガチガチの武家屋敷風フォーマルスタイル。
さらに壁の弁柄色が色彩的な華を添えて、神々しいまでの格調高さ!

 

ええの~。
こんな床の間のある家に住みたいの~・・(羨望)。

 

庭木がぼさぼさの庭

 

そこから見える庭の眺め。

 

コケたね、思わず。
全然手入れされてなくて、枝葉ぼーぼーでぐっちゃぐちゃ。

 

ここもったいないわー。
ちゃんと剪定して整備すればメッチャメチャいい庭なのに。
多分びっくりするくらい見違えるよ。
でも庭までいじる予算が降りなくて、ずっと放置プレイ状態なんだそうで。(※係の人の話)

 

高岡市ーーー!!!
ここもちゃんと整備したってやー!!

 

土蔵造りのまち資料館の2階

 

2階はこじんまりした感じで、地味。
見るからに物置きっぽい雰囲気です。

 

商家だったんでね。
多分在庫とか商売道具とか帳簿とか、そんなものの収納に使ってたんでしょう。
きっとゴチャゴチャした小汚い部屋だったんでしょうね。

 

天井が特異な部屋

 

奥の方へ行くと途中で段差を挟んで、座敷の部屋へと繋がります。
この段差、明らかに不自然なので、ひょっとしたら元々は壁で塞がれていたのかもしれません。

 

で、見て欲しいのはそんな段差よりも天井。
中央を折り上げた二重天井になっています。

 

これ、何の意味があんのかね?
折り上げ二重天井と言えば格の高い場所に使われるケースが多いけど、ここは物置き、格もへったくれもない。
でもこうなっているからにはそこに必ず何か意味がある訳で。
なんでや??

 

んーーーー分からん・・・(悩)。

 

2階の座敷

 

最後に奥の座敷。
1階に比べてはるかにカジュアルながら、床の間のしつらえられたそれなりの仕立ての部屋になっています。

 

下が大旦那の部屋なら、ここは若旦那の部屋かな?
今で言う二世帯住宅的な使い方をしてて、若いヤツらは上、みたいな感じ。
あるいは逆に、大旦那はとっとと引退してこっちで悠々自適の生活を送ってたのかも?

 

どんな使い方をしてたのかはもう永遠の謎。
どうぞ思いっ切り妄想して遊んでください。

 

広々した座敷

 

レトロリッチな古民家、土蔵造りのまち資料館。

 

もうね、古建築好きにはハートずっきゅん!です。
隅から隅までヨダレだらだらのワンダーランド。
訪問の際には畳にヨダレを落とさないようにご注意ください。

 

なお冒頭に書いた通り、この辺りは重伝建に指定されています。
ぜひ周囲の街並みも合わせてお楽しみください。

 

 

土蔵造りのまち資料館

住所:富山県高岡市小馬出町 26

TEL:0766-25-5223

ホームページ:高岡市公式サイト

 




エリア >> 富山県 > 高岡市 > 小馬出町

 

関連タグ >> 古民家 古建築 

 


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