国生山 佛性寺 四国八十八ヶ所巡り編◆個性豊かな石仏に腹いっぱいの願いを託す
2022年12月13日
空海の足跡を辿る四国八十八ヶ所巡り。
でも四国遠いー!
だけど行きたいー!
遠い!行きたい!遠い!行きたい!ジタバタ!ジタバターーっっ!
そんな騒がしい人(←?)の願いを叶えてくれるお寺、それが佛性寺(ぶっしょうじ)です。
このお寺、境内の裏山がそのまま四国八十八ヶ所の疑似巡礼路として整備されています。
これが楽しくてね~♪
その入口がこちら。
地味~な石坂と地味~な案内があるだけの素っ気ない導入口。
この先はほぼ山登りとなります。
ゴールまでおよそ40分~1時間程度。
狭路+グネグネ道+アップダウン、と実際歩くとなかなかにハード。
どうぞご自分のペースで、疲れたら時々休憩しながら進んでいってください。
入山して1分で小さな祠が現れます。
ここが八十八ヶ所巡りの一番目、つまりスタート地点。
リアルの四国の八十八ヶ所巡りで言えば、霊山寺(りょうぜんじ)に当たる場所です。
祠の中には釈迦如来の石仏がどーん。
でも八十八ヶ所巡りの一番仏はこの像ではなく、その隣に据えられている石仏。
コッチね。
この像もお釈迦さまなのですが、これは誕生仏と呼ばれるもので、釈迦誕生時の姿を表しています。
なんでもお釈迦さまは誕生と同時にトコトコと7歩歩き、右手を天に突き上げ、左手を地に垂らし、「天上天下唯我独尊」と唱えたんだそうです。
ツッコミ所全開なエピソードですが、その時の姿を描いているのがこの釈迦誕生仏なのです。
しーっかり拝んでって下さいね。
この先にも釈迦如来像はありますが、誕生仏はここだけです。
この先は山道、山道、ひたすら山道。
既に書いた通り、バリバリの山道が延々と続きます。
その道筋に沿って石仏がポツポツと合計93体(※途中番外が1体と37番所は5体あるので88+1+4=93体)。
独特ですぜー、この空気感。
自然と石仏と静寂以外なにもない孤独の世界。
なんーとも厳かと言うか、安らかな気持ちに浸れます。
モロに山の中過ぎて熊出そうで怖ぇーけど。
この先にずらずらーっと続く93体の石仏。
全部は紹介し切れないので、いくつか目についたものだけ見ていきましょう。
まずは九番所の法輪寺(ほうりんじ)釈迦如来の涅槃(ねはん)像。
涅槃像とは釈迦の入滅、つまり臨終の姿を描いた像です。
肘枕でえっれーリラックスしてますが、このポーズが釈迦入滅時のオキマリの姿。
多くの弟子や信者、さらには動物や霊獣にまで看取られながらこのポーズで往生したと言われています。
こちらは十六番所、観音寺(かんおんじ)の千手観世音菩薩像。
いわゆる千手観音さまですね。
やっぱ絵になりますな、千手観音は。
わっさ~と伸びる(省略されてるけど)1000本の手。
さらに頭上中央には阿弥陀如来の化仏、左右に3面ずつの顔(本来は11面)。
千手観音はこれら複数の手と顔を使って多くの衆生を同時に救う、スーパー救済仏なのです。
いや~神秘的♪
三十六番所、青龍寺(しょうりゅうじ)の波切不動明王像。
波切ってのはその名の通り波を切ったことに由来します。
かつて空海が遣唐使として渡航した際、海が大きく荒れて船が進めなくなりました。
その時不動明王が現れて波をビッシャーっと切り裂き、嵐を止ませたと言われています。
ゆえに付いた名前が「波切不動明王」。
すげーなお不動さん。
まさに仏教界のモーゼだな。
もう一発、お不動さん。
三十七番所、岩本寺(いわもとじ)の不動明王像。
この像、何が素晴らしいって、顔ね。
めちゃくちゃシブ顔。
菅原文太にソックリ。
なんか今にも「ワシが不動明王じゃ~あ」とあのシャガれた声で話し出しそう。
文太さん、あの世でも元気ですかね?
現在は海軍元帥赤犬として頑張ってますけどね。(←なんの話?)
六十三番所、吉祥寺(きちじょうじ)の毘沙門天像。
かの上杉謙信も信奉した武神です。
面白いのはお尻の下。
なんかに座ってますね。
邪鬼です。
こうやって悪さをしないよう、ぎゅーっと押さえつけているのです。
両脇にいるのは左が善膩師童子(ぜんにしどうじ)、右が吉祥天。
吉祥天は毘沙門天の奥さんで、善膩師童子はその二人の間の子供です。
とーちゃんガンバレー!って応援してんですな、多分。
六十八番所、神恵院(じんねいん)の阿弥陀如来像。
この像だけ明らかな違和感があります。
見ての通り少~し斜めのアングル。
なんやら優しい顔つきで右下を見ています。
これは阿弥陀来迎図と呼ばれるもので、阿弥陀さまが死者の魂を迎えに来ているシーンです。
脇侍は左が勢至菩薩(せいしぼさつ)、右が観音菩薩。
観音さまがかがんでいるのは、死者の魂を両手ですくい取ろうとしているからです。
阿弥陀さまが迎えに来てくれるなんてうらやましいな~。
わたし、悪い事しかしてないし地獄行き確定だろうな。
きっと迎えに来るのはデビル・・・(震)。
最後の八十八番所、大窪寺(おおくぼじ)の薬師如来像。
薬師如来とはその名の通り薬の神さまで、あらゆる病を癒す力があるとされています。
左手に持っているのは薬壺(やっこ)と呼ばれるもので、この中には万病に効く薬が入っているそうです。
これがあれば、わたしの性格の悪さもきっと治る、はず?
以上で八十八ヶ所巡り終了。
晴れて結願(けちがん)となり、願いが叶うという訳です。
どうでしたか、佛性寺の四国八十八ヶ所巡り?
ガチで四国の八十八ヶ所巡りやろうと思ったらトンデモナイ事になりますからね。
まともに歩いて回ると1ヵ月はかかるそうで。
だからこそ仏に願いが通じるとも言えますが、それが分かってても非現実的。
でもここなら小一時間ほどで結願できちゃいます。
なんてお手軽♪
さーーーお腹いっぱいの願い事を抱えて。
佛性寺の四国八十八ヶ所巡りへレッツゴー!
関連タグ >> お寺 佛性寺
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