
鶴仙渓 超絶の癒しシャワーで心を洗濯
2022年11月19日

鶴仙渓(かくせんけい)。
山中温泉のすぐ近くにある渓谷の名前で、散策用の遊歩道が整備されたザ・お散歩ストリートです。
癒されるんですわ~ここが♪
マイナスイオンがシャワーのように降り注ぐ、スーパーリフレッシュワールド。
歩いているだけで心が洗濯されているような清々しい気分になります。

まずは全体マップ。
こおろぎ橋からスタートして、ゴールは黒谷橋。
全長約1.3km、普通に歩いて20分程度。
まーね、楽しいですわ。
なんか知らんけど心がキラキラしてくるような不思議~な空間。
スピリチュアルな力が満ちまくってます。

こおろぎ橋どーん!
フォルムがいいですわな。
ほんのり反りを入れた太鼓橋。
欄干にはお寺や神社でよく見る擬宝珠(ぎぼし・桃みたいな形の装飾)を飾り、素材は温もりいっぱいの木。(構造は鉄筋だけど)
古き時代のジャパニーズスタイルを想起させる、実にノスタルジックなデザインです。

そのこおろぎ橋を渡って左側の脇道に降りるといよいよ鶴仙渓の遊歩道。
左手に川面を眺めつつ、ひたすらテクテク歩くことになります。
・・のですが。
ただ歩かないで欲しい。
足元をよーく観察して欲しいのです。
何気にここに「ある仕掛け」が施されています。

それがこちら。
ほんの1.3km程の距離の間で、路面の素材が何度もチェンジされています。
敷石、砂利敷き、飛び石、土。
あと階段なんかも。
これ、散歩を単調にさせないための工夫です。
足裏の感触を変えることで、無意識下に変化を感じさせているのです。
日本庭園なんかでもよく見かける、隠された技です。

さらにスタスタ進むと、左手に現れるのが采石巌(さいせきがん)と呼ばれる巨石 。
なんでも中国の采石江付近の景観に似ている事から付けられた名前なんだとか。
知らんし、采石江。
見たことも行ったことも、聞いた事すらもないし。
そんな全然知らん地名の全然知らん景観をベースに名前を付けられても、納得のしようがない。
遠くてよー見えんけど、石は凝灰岩かな?(←気になるのソコか?)

その先に現れるのが鶴仙渓川床というエリア。
見ての通り休憩スペースです。
川の流れを見ながら、のんびりお茶できます。
デートや家族連れならドンピシャの施設。
わたしはいつもお独りさま行動なので関係ないけどな。

そこから少し登りになり、その途中にふたつの祠。
左が道明地蔵、右が慈母観音です。
道明地蔵とは地獄行きから救ってくれるお地蔵さま。
悪い人の救い神(?)です。
慈母観音とは母のような愛で衆生を救ってくれる観音さま。
ただこの観音像は子供を抱いているので、安産や子安のニュアンスの方が強いのかもしれません。

さらに登るといきなり広場。
桜公園です。
中央には石敷きの円形ステージがズバー!
そしてそのステージを囲むように桜の樹がポツポツ。
この公園を楽しむなら断然春ですな。
ステージ中央から見渡す桜の花は見応え満点らしいですよ。

そして以前にも紹介したあやとり橋。
緑の峡谷上に伸びる赤いカーブのラインが実に優美♪
鉄なんでね、本来冷たくて無機質な素材なんですけどね。
でもこうやって不規則にうねらせることで不思議な生命感が生まれるんですよ。
人によってはこの姿を「龍」に例える事もあるそうですが。
なるほど、龍と言えば龍に見えますな。

で、こんな素敵な橋を見たら渡らにゃおれんので渡るんですけどね。
なんかすげー怖ぇーのよ。
めっちゃ足元不安定。
いやいや、全然揺れないですよ、鉄骨だし。
ガッチリ頑丈。
でもなーんか不安定な恐怖を感じるんですよ。
足下に見えるダイレクトな高度とカーブした通路・鉄骨の隙間がそんな印象を抱かせるんでしょうね。
怖ぇーですよー!!

あやとり橋から再び遊歩道に戻って進むと、またもや橋。
小才橋です。
これがまたニクイほどカッコエー橋でしてね。
わびさび感全開!
水・石・木・苔が織りなす幽玄な景観の中にすっと伸びる、『橋』という人工的な構造物。
自然と人とは一体であるという、いかにも日本的情感をそそる景色です。

そして鶴仙渓遊歩道、最後のクライマックスとなる芭蕉堂。
この建物、別に芭蕉が休んだとか使ったとか、そんなんじゃありません。
かつてこの地を訪れた芭蕉へのリスペクトを込めて建てられた、明治期の建物です。
これもカッコエーわな~♪
方形(ほうぎょう・正方形)の小振りな躯体。
土と木という質素な素材。
一見簡素な小建築なんだけど、良く見ると網代編みの戸や自然木の鴨居といった遊びも散りばめられてて。
イカしたセンスでギンギンに彩られた素晴らしい建物です。

中には芭蕉の像。
笠を手に持って座っています。
記録によると芭蕉のこの地での滞在期間は長く、8泊9日も過ごしたそうです。
一説には、持病の痔の治療のため長逗留になったとも言われてんですけどね。
真相はどうあれ、それだけ長くいたという事はよほど居心地が良かったのでしょう。
このすぐ近くには芭蕉の館なんて施設もあります。
時間に余裕のある人はそちらも合わせて行ってみてください。

そしてゴールの黒谷橋。
ちょっと明治時代チックな石の橋。(建造は昭和10年)
橋が楽しいわな、鶴仙渓。
ここまでで、こおろぎ橋→あやとり橋→小才橋→黒谷橋の4橋が登場。
どれもそれぞれに個性が光ってて味わいがあって、絵になる橋ばかり。
ここを訪れる時はこれらの橋の違いもじっくり楽しんでってください。

わずか1.3kmの間にたくさんの面白さが詰まった鶴仙渓の遊歩道。
気ン~~~持ちいいところです。
川・せせらぎ・緑・鳥の声。
そのどれもがとにかく清々しい!
あまりの気持良さに思わずもう1往復したくなりますよ。
散歩に疲れたら山中温泉のお風呂もどうぞ。
芭蕉も楽しんだ名湯、どっぷり浸かれば疲れなんかビャーっと吹っ飛びますよ!
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