
観音下石切り場 山の形変わってしもとるやん!!
2022年11月05日

小松の山側、細道をずーっと走って行くと、唐突に山肌が削られた景色が現れます。
観音下(かながそ)石切り場です。
スゴイのよ、ココ。
まるで包丁で切ったみたいに山がスパーン!
どーやったらこんなコトになんのよ!?みたいな状態になっています。

こちらは入口に展示してある石材のサンプル。
まるで豆腐のようにきれーに切り出されています。
分かる人はこの時点で分かると思いますが、この石は凝灰岩(ぎょうかいがん)と呼ばれるもの。
火山活動によって降り積もった火山灰が、長い年月をかけて石化したものです。
特徴は柔らかさ。
密着度があまり高くなく、比較的簡単に崩れます。
厚さ10cm程度の石板なら多分パンチで割れるでしょう。(やった事ないけど)

寄るとこんな感じね。
気泡がたくさん確認できると思いますが、これも凝灰岩の特徴です。
色は白~赤茶、緑がかったものまで色々。
基本的には白茶色です。
石材としての用途は建築用がメインで、よく蔵の石壁なんかに使われます。
実際この石切り場のすぐ脇に神社があるのですが。

この通り。
石材でビッシー!
ここまで壁面全部石ってのはちょっと極端過ぎますが、通常は腰回り(下部3/1~半分くらい)の壁材に充てられます。
当たり前ですが、石は燃えないのでね。
こうして石壁で包むことで、火事から大事なものを守るのです。
さらに保温・防湿性にも優れているので、収蔵品へのダメージも押さえる効果があります。

こちらは石材が切り出された後の壁。
スゴイでしょ?
本当に包丁で切ったようにスパンスパンと切り落としてあります。
一体どうやって切ったんですかね?
所々に空いている穴は棒を差し込むためのものです。
この穴に横棒を差して屋根を架け、作業員の雨除けにしたんだそうです。

脇には横穴が掘られています。
奥行はそんなになく、5メートルほどで行き止まり。
多分これは石質調査のための試掘じゃないですかね?
切り出し予定エリアの奥の状態をあらかじめチェックし、問題がなければ本切りの工程に移ると、そんな過程の痕跡なのかもしれません。
単なる道具置き場だったのかもしれないけど。

さらに進むと、階段。
岩と岩の間を縫うように通されています。
この先が展望台になっていて、見学ルートはそこでオシマイ。
なんだけどね、このラストの展望台からの眺めがスゲーのですよ。

ズバー!!!!と壁!
一面壁!
画像じゃ伝わらんと思うけど、その高さなんと約60メートル!
身長50メートルの超大型巨人でも越えられません!(←何の話?)
縦だけじゃなくて横もかなり幅があるのでね、スケール感が強烈なんですわ。
うお!なんの災害じゃ、コリャ?みたいな。
まるで突如現れる天変地異のようなインパクトです。

もうちょっと寄るとこんな眺め。
きちーんと規格化された寸法で正確に切り取られています。
切り口からみて、ノコギリでしょうね。
電ノコでシャガーーー!!!と切ったんでしょう。
にしてもスゲーな。
電ノコでブッタ切って山の形変えちゃうんですよ。
ほとんど大自然に対するテロですやん!

さらに先に見た広大な石切り跡の壁。
足元に目を移すと妙なものがあります。
謎の階段。
これ、作業用の昇降階段ではなく、アートです。
イギリスのジュリー・ブルーク(Julie Brook)という芸術家さんのインスタレーション作品で、この大きな壁のダイナミックさと上昇感を感じてもらうために作ったんだとか。
なるほどね、階段がある事で意識が上へと引っ張られ、その先で突き当たる壁の雄大さに思わず息を飲む。
いやー素晴らしい!
・・・のかな?
わしにゃゲージュツの解釈はよー分からん(悩)。

あとさっきの階段付近、よーく探すとこんな面白いものが見付かります。
岩肌にボコボコっとボール状になった模様。
これは球顆状凝灰岩(きゅうかじょうぎょうかいがん)と呼ばれるもので、なんでこんな模様ができるのかは不明。
多分火山灰の中に残っているガスが膨張して球体を作り、その形のまま石として固まっちゃったんじゃないかと予想しますが。
どうなんかね?
どなたか詳しい方いらっしゃいましたら、教えてください。

山の形をも変えてしまう人間のエネルギーとパワーにただ唖然とするしかない観音下石切り場。
マジ壮観ですよ。
ぶったまげますよ。
人間ってスゲーなーと思いますよ。
そんな人間の大胆不敵な活動のツメ跡に思いっ切りびっくらコイて下さい。
なお現場の足元はあまり良くありません
見学の際はうっかりコケないように、よーく注意して歩いてください。
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