高岡市福岡歴史民俗資料館 大正レトロな建物にハートギンギン!
2022年10月29日
山の上に唐突に建つレトロ建築、高岡市福岡歴史民俗資料館。
最初に建てられたのは約100年前(大正13年)で、元々は公会堂だったそうです。
その後町役場や図書館として流用され、昭和62年に福岡駅前から現在地に移築。
以降、歴史民俗資料館として保存活用されています。
素敵なんだわコレが♪
大正という時代感を生々しく残してて、めっちゃくちゃノスタルジック!
玄関ポーチがいきなりイカス♪
ガッスリと腰を降ろす(なぜか四角形の)太い柱。
その上には(装飾性に乏しい)エンタブレチュア(梁)。
そして恐らく鳥居をモチーフにしたと思われる柱頭の飾り。
この野暮ったさと言うか洗練性のなさがね、いかにも大正建築。
でもそれが味なんだ♪
心グイグイそそられますわ。
ピラスター(飾り柱)もイカシますわな。
中途半端に途中で終わっているフルーティング(縦溝の装飾)。
平面感べったりの四角の形状。
(画像では切れてるけど)イオニア式を意識した柱頭のグルグル模様。
楽しいわ~。
今の時代にこんなの作ったらただのバカなんだけど、この時代だったからこそ許される意味不明な洋風建築。
もうホント大好き!
屋根も妙なんですわ。
マンサード屋根を意識したのかな?とも思われますが、日本の腰屋根的エッセンスも含んでて完全に意味不明。
なんて呼んだらいいんだよ、この屋根?
そしてもうひとつ見て欲しいのが軒下の出っ張り。
えっらい短いのが分かると思いますが、これは完全に西洋建築スタイル。
日本じゃこんなの通用しません。(雨がじゃばじゃば吹き込んで建物痛むし)
でも容赦無用でズバッと敢行。
こここそしっかり出っ張らせて雨雪対策すべきなんだけど、ナンも考えんとストレートにやっちゃう所がいかにも大正テイスト。
では館内へ。
展示室は1・2階に分かれていて、1階では福岡の民俗文化を、2階では歴史に関する展示が行われています。
まずは1階から。
いきなり登場するのは菅笠(すげがさ)の展示。
時代劇で旅人なんかがよく被ってるヤツですね。
なんで菅笠?と思われるでしょうが、ここ福岡は菅笠の一大生産地なんだそうで。
江戸時代には200万枚もの生産高を誇り、加賀藩の三大移出品に挙げられるほどメジャーな産業だったそうです。
シブイな~。
和室に飾ったらめっちゃめちゃフィットしそう。
そんな菅笠の制作風景の再現ジオラマ。
農閑期の冬場に、こうやってせっせと編んだんだそうです。
厳しそうですな、生活。
ぶっちゃけそんなにゼニにはならんかったでしょうね。
それでも生活の足しにするためにコツコツ編んだのでしょう。
分かる、分かるぞ~そのツラさ!
わたしも貧乏人だから~~~!!(←リアル貧乏人)
ジオラマと言えば、こんなのもあります。
加茂横穴墓群22号墳の実寸模型。
加茂横穴墓群とはここから車で10分程の所にある、古墳時代末期頃の群集墓です。
山の斜面に小さな穴がボッコボコ空いてて、ミステリアス半分・不気味半分の怖面白い場所。
興味があればこの後にでもどうぞ。
2階に上ると石器時代~江戸時代くらいまでの歴史展示がズラリ。
時代設定が長過ぎてやや大雑把な嫌いはありますが、個別に見ていくと面白い展示もチラホラ。
ドコに喰い付くかはその人次第です。
こちらは上向田経塚(かみむくたきょうづか)から出土した経外容器(きょうがいようき)。
経外容器とはお経の入れ物で、土に埋めるために使います。
なんでそんな事をするかと言うと、仏の教えを守るため。
仏教には正法(しょうほう・釈迦誕生から1000年)→像法(ぞうほう・正法後から1000年)→末法(まっぽう・像法後)の3つの時代があり、末法になると仏の教えそのものが失われてしまうと言われています。
そこでこうしてお経を土中に保存し、仏の教えが失われないようにするのです。
ちなみに末法のスタートは1052年、つまり現代は既に末法時代に入っています。
そして末法の世はこの先56億7000万年も続くそうです。
56億年後なんて、仏の教えどころか地球が滅んでるっちゅーねん(笑)。
ズラリと並ぶのは木舟城に関する展示。
木舟城とはここから3kmくらいの所にあった戦国時代の平城で、地震によって倒壊し、そのまま打ち捨てられたお城です。
現在は一面の田んぼと民家だけになってて、ここに昔お城があったんだよ~という石碑がポツンと残るのみ。
そんな木舟城に関する歴史や発掘資料なんかが並べられています。
これだけ色々出るって事は、お城があった頃はそれなりに賑わっていたんでしょうね。
一体どんな景色が広がっていたのかな~?
そんな木舟城の想像再現ジオラマも展示されています。
ご覧の通り水堀でぐるりと囲まれた連郭式のお城だったようで。
でもサイズはそれほど大きくないので、大軍に囲まれたら即アウトな感じ。
攻めるんなら兵糧攻めですかね。
橋さえ押さえてしまえば、外部からの補給を遮断できますからね。
後は火矢をジャンジャン打ち込んで城内の建物を燃やしちゃえば完全にお手上げでしょう。
こちらは「瑞龍寺奉納刀”家重”」に関する展示。
ご覧の通り細っかーい字でびっしりと説明されています。
読む気も失せるくらいの文字量。
ただ、肝心の家重がない。
元々展示してないのか、この日はたまたま他所に貸し出してたのかも不明。
主役がいないのにこんなに長々と説明されてもな~・・。
墳墓からの出土品なんてのもあります。
城ケ平横穴墓群から出てきたものがズラリ。
陶器は分かるけど、骨なんて残ってんですね。
それもエッジまで分かるくらいきれ~な形で。
よほど丁寧に埋葬されてたんでしょうね。
死者に対する尊厳みたいなものを感じます。
外から建物を眺めるだけでも一見の価値アリの高岡市福岡歴史民俗資料館。
とにかくシブイですよ~。
中身に興味なくても、ザ・大正ロマンな建物だけでも見てってください。
すぐ目の前は古墳公園になっています。
そんなに古墳ガンガンな感じでもないですけど、時間があれば散歩感覚でどうぞ。
関連タグ >> 美術館・博物館 古建築
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