大谷博物館 敷地編 カネ持ちはみんな思い付きで行動しちゃうのです
2022年09月06日
誰もが知る高級ホテル『ホテルニューオータニ』。
そのホテルニューオータニを創業した大谷米太郎(おおたに よねたろう)の生地がここ富山県小矢部市です。
残念ながら生家そのものは残っていませんが、昭和10年に米太郎が建て直した建物は現在大谷博物館として一般公開されています。
これが立派でね。
なんたってホテルニューオータニを創った人の家ですんでね。
「お屋敷感」ハンパない!
では敷地の見取り図から。
まずは入口に門。
ここから既に庶民レベルではありません。
その門をくぐると左手に土蔵、正面に母屋。
母屋右手に風呂場、作業納屋、となっています。
全体としては金持ち農家の家、みたいな造り。
カネは農業じゃなくて鉄鋼業で儲けたんだけどね。
門です。
ズバーン!と立派な薬医門。
お寺かよ!?みたいな重厚さ。
実際これはバリバリの寺院建築スタイルですね。
明らかに民家の入口に備えるような門じゃない。
脇の塀には狛犬っぽいデザインの鬼瓦。
強力な霊威をギンギンに放ちながらエントランスを守護しています。
この屋敷ね、何気に塀の上も面白いのですわ。
これ以外にもお尻に藻の生えた亀(長寿を願う亀)なんかもいます。
興味があったら探してみて下さい。
その門をくぐると立派な土蔵がどーん!
何があったんでしょうね、ここに?
興味あるわ~。
なんたってホテルニューオータニを創った大富豪の家の蔵なんでね。
我々一般庶民なんかにゃ思いも付かんくらいのスゲーものがいっぱい仕舞い込まれていたのでしょう。
蔵内は現在展示室として使われ、大谷米次郎とその弟の竹次郎(たけじろう)を中心とした案内パネルがびっしりとぶら下がっています。
すごいわね、成功した人って。
あんな「スゴイ事」しました、こんな「スゴイ事」しました、みたいな話がいっぱい。
儲けたカネにモノを言わせてメチャメチャ社会貢献しまくってたみたいです。
わたしの半生なんてあんな「ヤバイ事」しました、こんな「ヤバイ事」しました、みたいな話しかないからね。
子孫に見せたら引くわ!(←何をした?)
こちらはこの近くにある今石動城(いまいするぎじょう)の模型。
地上からでは実感できない、鳥目線での城の全体像が見られます。
このお城ね、一応見学できるようになってますが、歩き回れるのは本丸を中心としたごく一部だけなんですよ。
それ以外は全部雑木林の中に埋もれてて、「全体」がどんな感じになっているのかは全く不明。
入口の案内板に詳細な全体図は解説されているものの、実際歩いてみると???な感じ。
でもこうして模型にして見せてもらえると、ものすごく具体的に全体の形が理解できる。
これ見てから改めて行くと、また違った楽しさを発見できそう。
謎の施設、風呂場。
実は母屋にも風呂はあります。
でもここにも風呂。
なぜダブルであるのかは謎。
なんでやろ?
併設されている犬小屋の意味も謎。
作業納屋。
農具の収納小屋ですね。
ノスタルジックですな。
うちの親元の家にもありましたよ、こんな小屋。
中には何に使うかサッパリ分からん農具がゴチャゴチャいっぱい置かれていました。
今はもう潰してなくなっちゃったけどね。
室内には昔の農業道具がズラリ。
その業界の人じゃなきゃ分からんようなものばかり。
どれもこれも基本人力ですな。
今でも農業なんて半分以上マンパワーですけど。
でもこの家が建てられた昭和初期は機械なんて全くなかった時代だから、全てがマンパワー。
毎日くったくたになるまで頑張ったんでしょうね。
土壁、カッコええ~~♪
こんな眺め大好きですわ!
上品な白漆喰もいいんですけどね、土壁の素朴さも捨てがたい。
もちろん当時はオシャレで土壁にしてたんじゃなくて、安上がりだから土を塗っただけなんだろうけど。
でもこの貧乏臭さが返って美しい~!
ビバ!古建築!
最後にメインの母屋。
ガバっと横に広い平屋建て。
入口の門はイカツイ寺院仕様だったのに、家屋は平和な農家建築というチグハグさ。
この一貫性の無い、思い付いたモン片っ端から寄せ集める感覚が、い・か・に・も・金持ち的発想だわ(笑)。
スタイルとしてはアズマダチ。
アズマダチとはアズマ→東、つまり東向きに玄関を備えた建物です。
さらに妻(つま・屋根下)には柱と束を縦横に走らせ、白漆喰できゅっと締めるという意匠になっています。
ハッキリ言ってヤボったくてド田舎感全開。
でもそれが逆にカッコ良くてね、わたし大好きなんですわアズマダチ。
こんな家に住みたい~♪
はい、今回はここまで。
次回はいよいよ母屋内部の様子を見ていきます。
中も素晴らしいですよ。
い~い感じに古くなってて、でもザ・金持ちな雰囲気はしっかり残ってて。
あ~金持ち羨ましい~!
関連タグ >> 古民家 古建築 大谷博物館
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