
鴨城跡 入口を間違えると地獄を見ます
2022年06月27日

中世の山城、鴨城。
なんでこんなトコに城作んのよ?と思わずボヤきたくなるくらいヤバイ所にあります。
場所は山の上。
バリバリ山の上。
登城は普通に登山になります。
それなりの格好と気構えで臨んでください。

現場の地図はこんな感じ。
入場口は「鳥倉」「加茂」「加茂林道」の3ヵ所にあり、どこから入るのも自由ですが、加茂から入るのが王道です。
しかし何も知らんかったわたしは林道口から侵入。(だってgoogleがそこを案内したし)
ここがもーキツくて!キツくて!
かと言って一旦そこから入った以上、途中で引き返すのも悔しいし。
完全に『意地』だけで登城してきました。

その入口の画像がコレ。
見るからにヤバさ全開。
この先進んで本当に大丈夫なのか?的な空気がむんむん漂っています。
今思えば、よー突っ込んだなと。
まさかこの先にあんなハードな道のりが待っていようとは、この時は想像もせんかったしな。
我ながらアホでした・・・。

道はひたすらこんな感じ。
足元悪く、勾配キツく、延々と続くグネグネ路と坂道、そして時々倒木。
ぜーはーぜーはー息切れが一瞬も止むことなく、案内なんか一切ないので一体あとどれだけ進んだらゴールなのか全く分からず。
そんな不安と疲労に心折れそうになりながら、とにかく前進。
もーほんとマジで『意地』だけが気持ちの支えでした。

そんな先の見えない地獄ロードを20~30分くらい歩き続けると突然こんな看板が!
『←鴨城跡 元取山砦→』
この喜び、分かります?
ここまでの道のりが間違ってなかったという喜び、そしてようやくゴールが見えてきたという喜び。
こんなひどい思いを散々させられて、結局お城見つかりませんでしたじゃシャレになりませんからね。
もうホント、涙出そうでしたわ。

案内に従い鴨城跡側に進むと、いきなり現れるのがこの急勾配。
明らかに人工的に作られた傾斜。
堀切(ほりきり)です。
やっと城らしい眺めに会えたーーー!!!(喜)
堀切ってのは曲輪(くるわ・広場)や通路を切断するための溝です。
こうして侵入経路を断ち切ってしまう事で敵の足を止め、モタついている所を狙い撃ちにするのです。

そのままスタスタと進むと、数分で二の丸に到着。
広さはサッカーコートくらいあり、山城としてはなかなかの面積。
ただ削平状態は悪く、ガッタガタ。
多分そんなに長期戦を想定してなかったんでしょうね。
一時的にたてこもるための陣地程度のものとして整備されたのでしょう。
いかにも最小限の手間で作りました、みたいなラフな造り。

その先に地続きの形で本丸。
規模は二の丸よりはるかに小さく、縦横10メートル程度の広さ。
やや閉塞感強め。
でもね、眺めはいいのですよ。
ここが一番足場が高いのでね。

それがこの眺め。
平野の先までズバーっと見渡せて、爽快感満点。
ま~~気持ちいい♪
ひょっとしたらこのスペースは本丸じゃなく、物見のための櫓台だったんじゃないですかね?
そもそも狭過ぎるしね、本丸と呼ぶには。
だとすると現在二の丸と呼ばれている部分が本丸となり、城内で一番大きな面積が取られている事にも納得がいきます。
やっぱ二の丸が本丸なんじゃね?

再び(本丸的な)二の丸に降りて、ロープ沿いに進むと出口付近で突然の急斜面。
切岸(きりぎし)です。
切岸とは元々あった斜面を削り、勾配を極端に切り立たせたものです。
目的は当然敵の侵入阻止。
この急角度によって敵をせき止め、上から矢や投石でガッツンガッツン迎撃するのです。

その先に進むと再び小さな曲輪。
「にらみ山砦」と呼ばれるスペースです。
広さ的には先に見た本丸と同じくらいのごく小さな広場。
敵を迎え撃つにはイマイチな感がなくもないですが、意外とそうでもありません。
それはこの曲輪の入口を見れば分かります。

再び切岸。
急斜面の狭路が下に向かってズバーっと続いています。
ここは尾根上なんでね、進もうとしたらこの狭路を通るしかありません。
まさに逃げ場ナシの一本道。
そこを城側の兵はやりたい放題の狙い撃ち。
考えただけで昇天必至のデス・ロードです。

折り返して、再び二の丸へ。
すると二の丸のキワに沿ってこんな光景が見られます。
ごぼ~と続く人工的な窪み。
この窪み、空堀です。
これによって二の丸との間に大きな高低差を生み、敵を立往生させるんですね。
うお!進めねー!どーする?とオロオロしてる内に、上から弓矢や投石が次々と飛来。
はい、死体の山の出来上がり。
空堀ってのは、シンプルだけど怖~い仕掛けなのです。

様々なトラップが潜む鴨城跡。
面白いですよ~、そして怖いですよ~。
この城を見る時はそんな仕掛けひとつひとつをしっかり吟味しながら見学してください。
そして何よりも入口を間違えないように。
googleにだまされて林道口から侵入するとドえらい目に遭います。
実際、後日改めて加茂側から入ったらサラッと登れました。(それでも山登りだけど)
どーーーーーーしても地獄を見たい『ドM』な方のみ、林道口からどうぞ。
鴨城跡
住所:富山県高岡市福岡町加茂
関連タグ >> お城
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