
ハニベ巌窟院 地獄編◆地獄の光景がここに広がっています
2022年04月06日

ハニベ巌窟院の中で最もインパクトが強烈な場所、それが今回紹介する地獄エリアです。
「地獄」ってのは別にものの例えとかじゃありません。
言葉そのまんまの意味での「地獄」です。
地獄の世界がこれでもかってくらい生々しく展開されています。
その入口がこの地獄門。
遊園地のハリボテアトラクションと違って、床・壁・天井全部リアル岩石の空間の中にコレですからね。
臨場感ハンパない!

入ったらいきなりコレ。
この鬼、何やってんのかと言うと、人を轢いてんのねこの針の付いた車輪で。
でもここは地獄、魅かれてる人はもう死んでるので、轢かれても轢かれても死ぬことはない。
ゴリゴリグリグリ、永遠の責め苦が続くのです。
怖ぇー!
そういう趣味のある人(←?)以外にはまさしく地獄です。

続いて鬼の食卓。
ちゃぶ台を囲んでなんやら楽しそうにメシを食っています。
酒まで飲んでる。
一見穏やかな地獄の食事風景なんですけどね。
でもこれ、食ってるモノがエゲツないんですよ。

それがコレね。
メニューは「目玉の串ざし」「耳と舌の甘煮」「面皮の青づけ」「人血酒」。
要は人を食ってる訳です。
ただ見方を変えると、我々も食ってんですよね、生き物を。
刺身も食えばスルメも食う、焼き鳥だって食う。
特定の生き物から見れば、人間の食卓だって地獄の光景以外の何物でもないのかもしれません。

そんな地獄フードを作ってんのがこの若鬼のコックさん。
出刃包丁持って人体切りまくってます。
これにしたってねー、人間もやってるしねー。
そういうトコに行きゃ、生皮剥いだ牛や豚がぶらーんとぶら下がってたりすんだし。
対象が違うだけで、これと同じ事を人間もやってんですよねー。
鬼って意外と人間のもうひとつの姿なのかもね。

臼に入れられて餅の様にぺったんぺったんやられている人間。
これは食べ物を粗末にした人に与えられる罰なんだそうで。
やっぱ食べ物は粗末にしたらアカンですな。
わたし、絶対に食べ物は残しませんよ。
出てきたものは必ずきれーに食べ切ります!
単に食い意地張ってるだけなんだけど(笑)。

この二人は人をたぶらかした罰を受けています。
見てるこっちが痛くなるほどのエゲつなさ!
仏教の教えに十善業(じゅうぜんぎょう※注1)ってのがありまして、二人はこの戒を破っちゃったようです。
女はの罪は「色目」との事なので不邪淫(セックスやりまくり)、男は「舌三寸」との事なので不両舌(ウソつき)に抵触。
で、このザマです。
ああ・・わたしは一体どんな目に遭うんだろう・・・。(←何をやった?)
(※注1 不殺生(ふせっしょう)・不偸盗(ふちゅうとう)・不邪淫(ふじゃいん)・不妄語(ふもうご)・不綺語(ふきご)・不悪口(ふあっく)・不両舌(ふりょうぜつ)・不貪欲(ふとんよく)・不瞋恚(ふしんい)・不邪見(ふじゃけん))

青鬼の部屋。
床一面にガイコツがゴロゴロ転がっています。
右側には血の池地獄も。
何気に血の池に浸かってる血まみれ人間が意味不明ですな。
苦しんでんのか、気持ち良く湯治してんのか、パッと見かーなーりー微妙。
イマイチ悲壮感がない。
意外と湯加減いいのかもな、この池(笑)。

その前にあるのがこちらのでっかいチンチン男。
多分この巌窟院を訪れた人のほとんどが一番印象に残るのがコレだと思います。
「乱用の罪」ってあるので、乱用したんでしょうね、チンチンを。
これも十善業の不邪淫破り。
その罰としてこんなにチンチンをでっかくされちゃったんですね。
キツイですね、これは。
デカいにも程度ってものがありますからね。
チョットだけうらやましいけど。(謎)

こちらの生首は不敬罪。
「最高の罪」とも書かれています。
仏教には五逆と呼ばれる最高の罪がありまして、それは父殺し・母殺し・僧殺し・仏教徒への迫害・仏への不遜の五罪。
これをやっちゃうともう極楽へは行けないんだとか。
あの万民救済の仏、阿弥陀さまでさえ救ってくれないと言われています。(※経典によって言ってる事変わるけど)
ダメですよ、五逆だけはやっちゃ。
死んで後悔しても遅いですからね!

そんな数々の地獄絵図の最後を〆るのがこちら、六色地蔵尊。
これね、何気にハッピーエンドを示唆しています。
お地蔵さんってのは救済のために地獄を巡り、人々の苦しみを代わりに引き受けてくれると信じられています。
つまりここにお地蔵さまがあるって事は、最後は人は救われるって事を暗示しているのです。
死んだら地獄に落ちそうな人、ちゃーんとお参りしといてくださいね。
じゃないとあの世で助けてもらえませんよー!

はい、ハニベ巌窟院の地獄編はこれにてオシマイ。
次回はこのさらに先へと進んでいきます。
この先は雰囲気がガラッと変わって宗教的空気が強くなります。
深遠な仏教ワールド。
仏さまのありがた~いパワーを存分に味わってください。
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