
満願寺山 九萬坊大権現 あなたはこの恐怖の注意書きの先に進めるか?
2022年01月15日

満願寺山(まんがんじやま)九萬坊大権現(くまんぼうだいごんげん)。
えれー漢字ばかりズラズラ続きますが、神社の名前です。
満願寺山はそのものズバリ、この山の名前ですね。
九萬坊大権現とは神さまの名前です。

ここがまー強烈でしてね。
いきなりこの悪魔の階段がお出迎えします。
しかも両脇に木々が鬱蒼と生い茂ってて、「ご自由にご参拝下さい」なんて札が立ててあるけど、空気的に入りにくい!入りにくい!
不気味なシャットアウト感があります。
ま、行くけどね。(←!)

その長ーい階段の途中の踊り場に地蔵堂が建っています。
入口をアルミサッシで保護された、小~さなお堂。
中を覗くと、石のお地蔵さまが一体。
ちょっとでっぷりしたお地蔵さま。
そしてよーく見ると、何気に中品上生(ちゅうぼんじょうしょう)の来迎印(らいごういん・手の指の形)を結んでいます。
この印は阿弥陀さまが臨終後に「死者」を迎えに来る時の印。
そしてにっこりスマイル。
いやいやいや、まだ早いわ。
もーちょっと待ってて、お地蔵さま。
まだまだやりたい事いっぱいあるしー!

そんなあの世へ引っ張ってく気マンマンのお地蔵さまを振り切り、さらに階段を登ると見えてくるのが拝殿。
ちょっと神社っぽくないですが、拝殿です、一応。
ちゃんと賽銭箱がありますし、鈴もぶら下がってるし。
入口の横には掲示板みたいなのがあって、なんやら新聞の切り抜きが色々貼られています。
この神社が取材された記事がアレやらコレやら。
見た目マイナー感いっぱいなんですけど、結構有名な神社なんですかね?

中はこんな感じ。
奥に神棚、手前に神具。
左側に置いてある赤い絵はアート作品。
先に見た地蔵堂のすぐ横に小屋が建ってまして、そこをアトリエに使ってる画家さんがいるのです。
その人が描いた奉納画です。
作家さんの名前は「つまがり ゆうこ」。
こんなような抽象画ばかり描いているようです。
赤を主体にエネルギッシュに塗りたくられたこの作品。
いやー深いですな。
深すぎて。
何描いてあるか分からん(笑)。

以上で終わり・・ではありません。
まだこの先があります。
拝殿の左側に奥の院へと繋がる小道があるのです。
ただ見ての通り、なんとなくヤバ気な匂い。
この先、進んだらマズイんでね?的な空気。
思わず躊躇します。
ま、行くけどね。(←!)

その細道の先にあるのがこちらの本殿。
梁間1間(正面側の柱が2本)、桁行2間(側面側の柱が3本)の切妻造り。
ちょーっと見難いんですが、分かりますかね?
破風部分(正面側の屋根の下)に白い天狗のお面がふたつ飾られているのが?
左がくちばしの尖ったカラス天狗、右が鼻の長い天狗。
この神社、九萬坊(薬師如来)・八萬坊(不動明王)・照若坊(十一面観音)そして天狗さまが祀られています。
なのでこんな所に天狗のお面が飾られているんですね。

軒下にもありますよ、天狗のお面。
こちらは赤いお面がひとつだけ。
長い鼻をにょきっと伸ばして、参拝者を見下ろしています。
金沢ってこんな風に天狗を祀った神社やお寺がちょくちょくあります。
以前に紹介した宝泉寺なんかがそうですね。
あと天徳院なんかにも大きな天狗のお面が祀られています。
興味があったら行ってみてください。

そしていよいよ奥の院。
山の上に向かって天にも昇るような細い道が続いています。
入口には石碑と立て看板。
石碑には「富樫大明神」の文字、看板には細かい字で何かのメッセージ。
この画像だとちょっと小さ過ぎて書いてある内容が読み取れないので、もう少しアップで見てみます。

『奥の院』参拝の方へ
参拝時の事故・怪我等は、自己責任でお願いします
うおっ!なんじゃこの恐怖の注意書きは!?
こんなん書かれたら前進めんやん!
ま、行くけどね。(←!)

その先がまー凄まじいのですわ。
階段!階段!階段!
その段数なんと378段!
しかも傾斜角ハンパないから、段数以上にしんどいのですわ!
ここを登ります。
息ゼーゼー切らしながら登ります。
そう言えばここに来るまでに「熊出没注意」なんて看板も見かけました。
運が良ければ熊に遭遇できるかもしれません。
わーい♪

そんな地獄階段を登って頂上まで行くと、ようやく奥の院に到着。
あるのはこの小屋です。
トタン貼りのやや残念な建物。
見た目ちょっとアレですが、小屋があるだけでもめっけモノ。
普通ポツンと祠がある程度ですからね。
それにしてもこれ建てた人、エライな。
この急坂を資材担いでえっちらおっちら登って運んだんでしょうからね。
ある意味、ここに祀られている神さまより、この建物建てた人を拝みたくなりますわ(笑)。

この建物、意外なことに鍵が掛かっておらず、中が覗けます。
それがこちら。
中央に神棚。
あと神具がチョコチョコ。
暗くてよく見えませんが、ちゃんと榊の生木が供えられているので、人の出入りがあるようです。
って事は、この鬼階段をしょっちゅう登り降りしてる人がいるって事ですね。
すげーな(汗)。

後で知ったんですが、なんでもこの小屋のある場所、古墳なんだそうです。
この付近に古墳があること自体は知っていたので、それっぽいのないかな~と探してはいたのですが、まさか自分のいる足の下がそうだとは思いもしませんでした。
ここに1基、さらに小屋の左方向にもう2基、合計3基。
そう言えば小屋の左側だけ竹が切り開かれていましたが、これは残り2基の古墳に向かって切り開いているんですかね?
ちょっとこの伐採の意図は不明。

金沢の窪の山の上にある九萬坊大権現。
とにかく階段がハードです。
最初のお堂に行くまでに66段、お堂から本殿までに16段、そしてそこから奥の院までがさらに378段。
合計すると460段!
しかも角度がハンパない!
体力に自信があって、天気が良くて、どーしても行ってみたいという人のみ、挑戦してみてください。
あと蚊の猛襲が強烈です。
行くなら夏は避け、春くらいがいいかもしれません。
どーーーーしても夏に行きたいって人は。
頑張って戦ってください。
満願寺山 九萬坊大権現
住所:石川県金沢市窪 1-74
関連タグ >> 神社
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