雄島 ここは絶対夜来ちゃイケマセン
2021年12月29日
東尋坊から徒歩30分・・・・はキツイので車で5分、ぶるるーっと北側に向かった先にあるのが雄島(おしま)です。
周囲約2.1kmの、小さな小さな無人島。
ここが結構独特でね。
東尋坊とセットで観光に訪れる人が多いのですが、昼は別にいいんですよ、昼は。
ごく普通の観光地です。
でも夜になると180度様相を変えます。
シャレになりません。
夜は絶対に来ないように・・・(怖)。
そんなダークな(?)雄島の全体図。
島内にはほぼ外周に沿うような格好で散策路が通されています。
この道がまー細くてね。
舗装も何もされていないので、場所によってはぬかるんでぐちゃぐちゃな所もあります。
間違ってもヒールの高い靴なんかで来ちゃいけません。
見所は島奥にある岩場。
荒々しい岩がガーっと広がる光景はまさに絶景です。
まずは雄島橋。
朱塗りの欄干がすかっと伸びる姿は聖域感全開!!
ただ夜がね。
この朱色が夜になるとハンパなく怖ぇーんですわ。
噂では、夜にこの橋の写真を撮ると白い手がうじゃうじゃ生えてる写真が撮れるんだとか。
その手につかまってそのまま海に引きずり込まれた、なんて都市伝説もあります。
んなワケぁねーのは分かるんだけど。
実際夜の現場を目の当たりにすると、不思議な説得力があります。
マジやべーですから、遊び半分でも夜はこの橋に近づかないように!
その恐怖の橋を渡った先、島の左手に見えるのがこの柱状節理(ちゅうじょうせつり)の断崖。
前々回記事で説明した通り、柱状節理ってのは溶岩が柱状に固結したものです。
すげーわな。
崖全面が柱状節理ですゼ!
ありえんでしょ、この光景?
岩石マニアにはハートばっくん!ばっくん!の失神ビジュアルです!
島の入口には石段がバーン!
あまりの高さ&長さにチョット引きます。
これ今から登んのかよ?みたいな。
この石、(恐らく)全てこの島で採れたものです。
箱型のきれいな形は天然で、島内にはこの形の石がゴロゴロ落ちています。
この詳しい話はまた後で。
急勾配の石段をひーひー言いながら登り、左に曲がると大湊神社(おおみなとじんじゃ)という小さな神社が現れます。
祭神は三保大明神(みほだいみょうじん)、事代主神(ことしろぬしのかみ)、少彦名神(すくなひこなのかみ)、大物主神(おおものぬしのかみ)、三穂須々美神(みほすすみのかみ)、天照皇大神(あまてらすおおみかみ)、伊邪那岐神(いざなぎのかみ)、伊邪那美神(いざなみのかみ)、応神天皇(おうじんてんのう)。
多すぎだろ!(笑)
元々は航行・漁業の守護神として祀られた神社だそうで、それは海から見るとよく分かります。
これは遊覧船上から撮った画像。
分かりますかね、ちっちゃーい赤鳥居が写ってるのが?
このすぐ先が大湊神社です。
これね、冷静に考えれば変なのですよ。
だってここに鳥居を建てても海からしか見えないですからね。
って事は逆に考えれば、この鳥居は海から見ることを前提に建てられているって事になります。
つまりこの鳥居は、船の上から神社を遥拝するためにあるのです。
いわば「漁師さん専用鳥居」なのです。
そこからすたすた進むとガッスーンと岩場が現れます。
この岩がね、スゲーのですわ。
方向がキッチーンと揃ってんのね。
この画像じゃイマイチ分からんので、遊覧船上からの画像を。
それがコレ。
スゲーでしょ!
どんだけ几帳面よ!?と突っ込まずにはいられないくらい、規則正しくジャッキーン!!
これは板状節理(ばんじょうせつり)と呼ばれるもの。
溶岩が冷え固まる過程で、板状に結晶化したものですね。
大自然の営みが生み出す神秘の光景です。
ここで先に見た石段を思い出してください。
あの石段に使われていた石、きれーな四角形だったでしょ?
あれはこの板状節理の欠片を拾ってきたものなんです。
なのであんなにきっちーんと揃った四角形だったんですね。
不思議ですわね。
分かってても分からん。
なんでこんなきれいな四角形になるのか?
ん~~~ミステリアス♪
そんな岩場の片隅にもうひとつ面白いものがあります。
瓜割の水(うりわりのみず)。
これの何が面白いのかって言うと、水。
この水、湧き水なんです。
一見雨水の水溜りっぽく見えるけど、立派な湧き水。
実際現場に立つと、下からチョロチョロ湧き出ているのが分かります。
湧き水なので夏でも冷たく、瓜を入れるとパリーンと割れる事から付いた名前が『瓜割の水』。
ホントに割れんのかな?
興味のある人は実験してみて下さい、瓜持参で。
そこからさらに進むと、再び岩場。
ここも強烈ですわな、一面に広がる板状節理。
なんか魚のウロコみたい。
この規則正しい方向性は、溶岩が固まる際の温度差から生まれるそうです。
冷→熱に向かって一直線に亀裂ができ、結果としてこのように全ての亀裂がきれーに同じ方向を向くのです。
まさに大地の生み出した神秘のマジック!
この岩場の岩、学術的には流紋岩(りゅうもんがん)と呼ばれる岩石に属します。
流紋岩とはもっのすごく粘性の高い溶岩が固まったもので、ゆえに溶岩時代のドロドロ感が今もこうして表面に残っています。
なんか生々しいですわな。
かつては真っ赤っかだったんでしょうね、この形で。
ある意味溶岩の化石です。
この眺めなんか壮絶ですわな!
ガッシガシに突き出てて、なんか槍みたい。
流紋岩+板状節理のミックスが作り出した奇跡の造形。
ここだけでしょうね、こんなん見られるの。
多分世界中見渡してもこんな岩塊、そうそうないはず。
素敵だわ~♪
そんな流紋岩をルーペで拡大。
白いね。
この白さが流紋岩の特徴のひとつで、主に斜長石(しゃちょうせき)って鉱物で構成されています。
ちなみにすぐ近くにある東尋坊の岩石は安山岩(あんざんがん)。
ほんのちょっとの距離で岩石の種類がガラリと変わります。
ただ流紋岩と安山岩ってのは兄弟みたいなもので、大雑把に言えば安山岩の方が有色鉱物が多く、その結果黒味を帯びます。
両者を訪れる時はそんな石の色の違いにも注目してみて下さい。
流紋岩の柱状節理&板状節理がダイナミックに見られる雄島。
楽しいですゼ~♪
岩石マニアにはたまらんワンダーランドですゼ~♪
石の作り出す夢の光景、どうぞ心行くまでご堪能ください。
そして。
くどいですけど夜は来ないように!
白い手に足を引っ張られても。
知りませんよ~~~。
関連タグ >> 東尋坊
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