東尋坊 岩石編 ここは岩マニアには夢のワンダーランド
2021年12月25日
世界に誇る「岩」の名所、東尋坊。
スゲーのですよ、ここ。
岩がもーぶっ飛んでる!ぶっ飛んでる!
うおー!この岩全部家に持って帰りたいわー!!みたいな。(※そこまで行ったら病気です)
知ってる人は既に知ってると思いますが、この岩場は丸々柱状節理(ちゅうじょうせつり)ってヤツでできています。
柱状節理、はて?ナンじゃソレ?って人のために、まずはその柱状節理を見てもらいましょう。
バッキーン!とソソり立つ岩の柱。
これが柱状節理です。
アガるわーー!!
この画像見たら改めてハートがアガるわーー!!
節理ってのは岩の裂け目の事です。
その裂け目が縦方向に規則正しくビッシャー!
結果として岩が柱状にバッシバシ立っているような格好になるのです。
ん~素敵♪
この眺めなんか強烈ですわな。
柱の天頂が一面にゴンゴンゴーン!
エグイほどに絶景です。
これはもうアート。
完全なるアート。
大自然が作り出したダイナミックな岩石アート。
こんなの人間にゃ作れねーーー!!!
こちらはすぐ隣の岩塊の様子。
突然ガラリと色が変わります。
なんかやけに赤っぽい。
これは造岩鉱物の違いに由来します。
こっちは恐らくカリ長石という鉱石を多く含んでいて、その色が強く出る事でこうして赤味を帯びるのです。
ほんの数十メートルで出るこの違い。
やっぱ岩って楽しい~♪(※と感じた人は病気です)
この東尋坊の岩、「安山岩」という石でできています。
もうちょっと専門的な言い方をすると「紫蘇輝石・普通輝石安山岩(しそきせき・ふつうきせきあんざんがん)」。
安山岩とは溶岩が地表、もしくは地表近くで固まってできた岩石です。
紫蘇輝石・普通輝石とは造岩鉱物の一種で、なんか緑っぽ~い鉱石です。
ちょっとルーペで拡大して見るとこんな感じ。
なんとなーく粒々があるのが分かると思いますが、これは斑晶(はんしょう)と呼ばれる鉱物の細かな結晶です。
黒っぽく見える(本当は深緑)のが紫蘇輝石・普通輝石。
両者の違いは微妙で、肉眼での正確な判別は困難です。
専門家でもない限り深く考える必要はないので、あーこの黒っぽい粒々が輝石なんだな、って程度に認識しておけばオーケーです。
話を柱状節理に戻します。
実は柱状節理自体は、そんなに珍しいものではありません。
日本全国アチコチで見られます。
ではなぜ東尋坊の柱状節理だけがこれほど騒がれるのかと言うと、サイズ。
デカいのです。
とにかくデカいのですよ。
一番デカいヤツになるとなんと直径6メートルにも及びます。
ちなみに一般的な柱状節理のサイズはせいぜい直径30~40センチ程度。
それがここへ来るとメートル超えがゴロゴロ。
スケールが桁違いに違うのです。
この柱状節理、生成されるにはある条件が必要です。
それは溶岩がゆっく~り固まる事。
ゆっくりゆっくり、ゆ~~~っくり固まることで溶岩が結晶化し、それが結果的に柱状となるのです。
そのためには地表に噴出してはいけません。
空気に触れると急冷されますからね。
そんなに深くない地中で中途半端~にいつまでもぐずぐずいる事で、ゆ~っくりと結晶化することができるのです。
ただそれだけじゃまだこの岩塊は生まれません。
そこからさらに「隆起」という作用が必要となります。
だって地面の下にあっても見えないですからね。
そしてさらに「浸食」。
雨風や波が岩塊を覆う堆積岩をはぎ取る事で、初めてこの荒々しい光景が姿を現すのです。
以上の過程をまとめるとこんな感じ。
1.海底に堆積岩(たいせきがん)ができる
2.そこに溶岩が貫入する
3.そのまま噴出せずに固まる
4.これがごっそり隆起する
5.柔らかい堆積岩が雨風や波で削られる
6.硬い溶岩だけが現れる
なんでも第2段階の溶岩貫入が1,200~1,300万年前、その前の堆積岩生成にはさらに1,000~2,000万年くらいかかってるはずなので、この岩塊には実に3,000万年レベルの大地の営みが詰まってる事になります。
参考までに人類の誕生はたったの20万年前。
東尋坊の造成は、人類が生まれるはるか前から始まっているのです!
「堆積岩」って言葉がさらっと出てきましたが、これはその名の通り「堆積」した土砂が凝固してできた岩です。
基本成分は泥、砂、礫(小石)。
これらが積もって、積もって、さらに積もって、後から積もったヤツの重みに押し潰されて、長い年月をかけて固まったのが堆積岩です。
この堆積岩がここら辺一帯の基本岩盤となっています。
そしてこの堆積岩、このすぐ近くで見ることができます。
目印は東尋坊から続く遊歩道の途中にある製塩遺跡と呼ばれる岩場。
これがその堆積岩。
白い滑らか~な肌の岩がのっぺりと続いています。
なんか柔らかそう。(※実際柔らかい)
堆積岩はさらに細分化することができ、泥からできた泥岩(でいがん)、砂からできた砂岩(さがん)、小石を沢山含んだ礫岩(れきがん)に分けられます。
ここの堆積岩はこれら3種の岩が幾層にも積もって構成されており、側面から見ると縞模様になっているのがハッキリと分かります。
そんな堆積岩の浜辺なんですが、所々にこんな感じの小さな入り江が点在しています。
ここがね、面白いんですわ。
石ころハンターには胸わくわくのワンダーランド♪
転がってる石ころの大半は砂岩や安山岩。
ぶっちゃけそんなに珍しい石じゃありません。
でもね、丹念に調べていくと見付かるんですよ、アレが。
ホルンフェルス~~♪♪
ホルンフェルスってのは分かりやすく言うと「火傷した石」です。
先に説明した通り、東尋坊の岩塊ってのは堆積岩の隙間に貫入した溶岩が固まってできたものです。
という事は、どこかに堆積岩と溶岩との接触面が生まれます。
溶岩の温度はおよそ千度前後。
この灼熱の超高温が堆積岩をじりじり焼くことで、組成の全く異なる新しい岩が生まれます。
それがホルンフェルス。
すげーな。
まさに生で見られる大地の営みですわ!
岩石マニアには360度が見所だらけの東尋坊。
楽しいですゼー!
胸わくわくですゼー!
1日中歩き回ってても飽きませんゼー!
我こそは岩石マニアという方、ぜひご訪問を。
もちろん岩石に興味ない人も十分楽しめますので。
ちょっと遊びに行きたいな~って人も気軽にお越しください。
次回も東尋坊ネタ。
今度は数々の奇岩を見ていきます。
関連タグ >> 東尋坊
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