平泉寺 拝殿・本殿◆荘厳なる苔ワールドで魂を洗えーー!
2021年12月11日
平泉寺というお寺みたいな名前の神社。
前回はその参道の様子を紹介してきました。
今回はいよいよ心臓部となる拝殿・本殿を中心に見ていきます。
ここ、何がスゲーって苔ね。
苔!苔!苔!一面の苔。
もー見ているだけでコケコッコー!!(←謎)
どんだけ苔よ?とツッコミ入れずにはいられないくらい、ひたすらの苔・苔・苔。
これが凄まじく荘厳でね。
冷ややかにしっとりしてて、どこか不思議なエネルギーに包まれてて、見えない大きな力みたいなものが充満してて。
息を飲むくらいの神域感。
これはね、現場に立たんと分からんですわ。
この感覚はぜひ生で味わって欲しいー!
その奥にずんとそびえるのが拝殿。
装飾性に乏しい、ほぼ箱みたいな建物です。
建てられたのは江戸時代末期の1859年。
中の様子は見られませんが、奉納品がごっそり収められているんだそうで。
見たいなー。
入りたいなー。
誰か開けてーー!!!
ご覧ください、このオンボロぶり。
色がすっかり落ちまくって朽ち朽ち。
なんたって150年経ってますからね、貫禄が違いますわ。
いいなー古建築ってのは。
ホント味も素っ気もない造りなんですけどね。
でも古いってのはそれだけで芸術ですわ。
刺さるー!
そしてちょっと目線を下に落として軒下をのぞき込むと、また面白いものが見られます。
積み石。
積み石ってのは神への供物ですね。
ひとつひとつ心を込めて積み上げることで、神へ敬いの心を捧げるのです。
石は凝灰岩と砂岩、あと礫岩ですね。
どこにでも見られる特に珍しくない石コロ。
石の話はどうでもいい?
裏側に回ると石段がガーン!
ここも苔々。
めっちゃ年季入ってますわな。
ステップのラインなんかへこへこで、すげー雑。
でもこのアバウトさがいかにも昔~の構造物って感じで、もうタマラン味わい深さ。
ほっぺたすりすりしたくなるくらいの愛おしさ!(※本当にやったらヘンタイです)
そしてね、石垣にも注目して欲しいのですよ。
石はほぼ加工されていない自然石、積み方は横目地を揃えていない乱積み。
技巧感ゼロの原始的な積み方です。
ただサイズがね。
使ってる石がデカい!デカい!
石って言うより岩って言った方がいいくらいの巨石がゴッツーンとハメ込んであります。
しかも複数。
気合入ってるわー。
なんか要塞みたい。
そしていよいよ本殿。
先に見た拝殿と違ってコチラは超スタイリッシュな外観となっています。
ラインのシャープな反り屋根。
その中央を飾る唐破風・千鳥破風の二重破風。
軒下を飾るアートセンスびんびんの懸魚(げぎょ)。
メリとハリがキリッキリに効いた全体のフォルム。
も~シビれるカッコ良さ!
この組み物なんかどうよ?
滑らかな曲線とガツゴツとした頑強さが組み合った、精緻かつ技巧的な造形。
「作り手の熱」みたいなものがむんむんと感じられる、エネルギーに満ちた美しさ。
涙出そうなくらいのハイクオリティ!
文化ですわ、文化。
100年先、1000年先まで残していかなきゃいけない日本建築の美の文化です。
さらに、さらにですよ、軒下にまで組み物!
こんなの見えない所なんでね、普通は簡単にちゃちゃっと仕上げちゃうのですよ。
でもね手を抜かなかったんですね、これを建てた大工さんは。
軒下までガッチーンと組み物。
おっそろしいまでのこだわりよう。
ここまで来るとほぼ狂気ですな。
職人魂クレージーです!
この双龍彫刻もイカしてますわなー。
躍動感満点、まるで生きているかのようなダイナミックさ。
この双龍、昇り龍と下り龍がセットになってまして、これには意味があります。
昇り龍は人間の願いを携えて天へと昇り、下り龍はその願いを叶える力を神から授かって下りて来るのです。
つまりこの昇り・下りのワンセットで人を幸せにする、とそんなストーリーが込められているんですね。
しっかりお参りしてくださいね。
その願い、ちゃーんと龍が神さまに届けてくれますよ!
味気ない建築(?)とカッチョエー建築とパワフルな石垣とスピリチュアルな苔ワールドが楽しめる、平泉寺の拝殿・本殿エリア。
サプライズの凝縮感が格別です。
どうぞその異次元的な楽しさを思う存分ご堪能ください。
次回は平泉寺レポート最終回、三宮までのルートを見ていきます。
ここはすごーく地味な場所なんですけどね。
小さなネタをぽつぽつ拾いながら紹介していきます。
関連タグ >> 神社 平泉寺
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