
松任明治洋風館 お願いだからあんまり細かく見ないでね
2021年11月06日

松任駅からほど近く、街中を歩いていると唐突にい~い感じのレトロ建築がポコッと現れます。
それが松任明治洋風館。
明治30年にこの地で産婦人科医を営んでいた竹田忍の医院として建てられました。
これが素敵でしてね。
決して派手でも大きくもないんですけど、でもものすごく味があって。
思いっ切りハートにどきゅん!と刺さるのですわ♪

やっぱこのフロントマスクですわね。
2階にガスッと張り出すバルコニー。
蔓と矢をあしらった鉄の手すりの紋様がいかにも西洋してて。
かと思えば、その真上、屋根の上には日本建築の千鳥破風。
かと思えば、さらにその天頂には洋風建築のファイニアル(三角屋根の上にぴょこっと突き出てるヤツね)。
この中途半端な和様のハイブリッド。
いかにも明治時代の洋風建築だ~(笑)。

玄関ポーチもイケてますな!
柱は中央にほんのり膨みを持たせたエンタシス。
足元には日本的な礎石を置かず、背の高い西洋式のペデスタルを配置。
柱の上には西洋建築装飾のスタンダード「エンタブレチュア(ギリシア神殿をモチーフとする梁)」をドーン!
シンプルなんだけどね。
まだまだやろうと思えばアレコレ盛り込めるんだけど、そこを寸止めしちゃってる所がまたニクイですわな。
ジレンマの美です。(←ナニそれ?)

壁は窓の下限を境に、上を下見板張り、下を羽目板張り。
さらにその下の基壇はレンガ積み。
に、見えるけど、これは全部ダミーです。
板は現代の合成壁材、レンガはタイルです。
この建物、平成9年に竹田氏から市に寄贈され、その際に移築されているそうなので、多分その時に補修工事して外壁を張り替えちゃったのでしょう。
元々はちゃんと板張り壁にレンガ基壇だったはず。
これじゃなんとなく安っぽく見えてしまって、ちょっと残念。

中の構造はこんな感じ。
入れるのは中央の通路と展示室1だけで。後はガッチリ鍵が閉まってて侵入不可能。
例のバルコニーにも上れません。
行きたいなー2階!
高い所大好きなんですわ(サルなので)。
バルコニーに立ちたいー!!

1階中央の通路。
この辺りも移築の際、ごっそり化粧直ししてあるっぽいですね。
腰回りの羽目板は明らかに張り替えられてるし、壁も塗り直されてるし。
でも床のレンガだけは当時のものをそのまま使い回してあるっぽく、使用感むんむんで妙にリアルです。

突き当りには「竹田医院」の看板。
なんか古いお寺の扁額みたいになってるな(笑)。
どこに掛けられていたものかは謎。
モノとサイズから考えて、入口ポーチ上の白壁の上に掛けられてたのかなーって気がしますが、昔の写真を見るとそこに看板なんか掛かってないし。
ひょっとしたら表の塀にでも取り付けられていたのかもしれません。

展示室1の内部。
ここでは医院時代の様子と、竹田家について紹介されています。
なんやら色々置かれてますな、産婦人科グッズ。
わたしゃ医者じゃないので、聴診器と顕微鏡くらいしか用途が分からんですが、こんなの使って診察してたんですね。

壁には歴代竹田家当主の写真がズラリ。
この建物を建てたのは左から2番目の人です。
一番右側の人が多分現在の当主。
はっきりとは書いてないけど、どうもこっちにはいないみたいです。
そして全員産婦人科医さんです。
代々お医者さんって、すげー家系だな(汗)。

最後にちょっと前庭も見てみましょう。
縦横の直線で構成されたカクカクしたレンガの通路。
その通路を囲むザ・西洋式の庭園。
・・・・っぽい庭園。
多分この庭も平成9年の工事で整備したものでしょう。
いかにも付け焼刃的で、正直言って中途半端。
せめて花壇なんかあったらもっと西洋的になるんだけど、予算の関係でか後々のメンテナンスを考えてか、ご覧の通り植栽と石を申し訳程度に置いてある妙な造りになっています。

この一角なんか全く意味不明ですな。
松に灯籠に飛び石。
完全に日本庭園のアイテム。
和風・洋風、どっちの路線でやりたいのよ?みたいな。
ただこの燈篭は元々竹田家の庭で使ってたものらしいので、ここにこれがあるという事自体には意味がある訳で。
でもそれならそれで、もっとこの灯籠を生かした庭の作り方ってのもあるはずで。
う~ん・・・。
やっぱ中途半端。

楽しさとツッコミ所に満ち溢れた(?)松任明治洋風館。
明治レトロな洋風建築が大好き~って人ならきっと気に入ってもらえると思うので、ぜひ一度訪ねてみて下さい。
裏に駐車場があるので、車での来場もオーケーです。
それとこの館、申し込みすれば集会とかで使えるみたいです。
多分使用料無料。
興味のある人は管理組合に問い合わせてみて下さい。