店主たみこの観光案内ブログ

楽々園 建物内部に入れてもらえんので庭を楽しむ

2021年09月08日

楽々園

 

前回は庭園部分である玄宮園の様子を見てきました。
今回は隣接する楽々園についてレポートします。

 

場所は玄宮園の西口側。
敷地としては繋がっていますが、区画は別になっているので、無料で観覧できます。


では早速見て行きましょう。

 

鎖口

 

こちらは鎖口(くさりぐち)と呼ばれる場所。
玄関です。
えらい小奇麗なのは比較的最近修復されているからです。(※平成17~18年)

 

イカシますわね~、正面の唐破風。
滑らかなカーブが美しくて、白と黒のコントラストが見事で。
お殿さまの屋敷と言うより、ちょっと寺院的な雰囲気。
風格あふれるエントランスです。

 

楽々園玄関の破風

 

この唐破風、よーく見るとえらくデカいです。
建物に対してややアンバランス。
下の式台もそれに呼応して広いですね。

 

これは多分、藩主(隠居してるから正確には藩主じゃないけど)が籠で出入りできるようにでしょうね。
このでっかい唐破風屋根の下に籠を置いて、あるいはそのまま玄関内まで入って、そこでよっこらしょっと降りるのです。
そうすりゃ雨に濡れないし。
そのためのスペースとして、これだけたっぷりと空間を取ってあるのでしょう。

 

楽々園の御書院

 

中には入れないので、そのまま脇を通って庭へ移動。
すると御書院と呼ばれる、屋敷で最も大きな建物が見えてきます。

 

この建物はお客さんを迎える場所だったんだとか。
確かに中を覗くと謁見の間的な造りになっています。

 

ここでちょっと間取りを確認。

 

御書院の間取り

 

鎖口から御書院まではこんな感じ。
本当はこの右側にも建物が続いているんですが、どうせ入れないし詳細もよく分からないので省略。

 

右上、御上段(おんじょうだん)って部屋が藩主用の部屋ですね。
その正面の上之御間(かみのおんま)が謁見者用の部屋。
その隣の御次之間(おんつぎのま)が謁見者の控え部屋。
左上の御小座敷(おんこざしき)はなんだろ?従者用の部屋ですかね。

 

以上の4つの部屋で構成されています。

 

上之御間→御上段の眺め

 

鎖口同様、室内については外から覗くしかありません。
こちらは上之御間→御上段の眺め。
きんちゃく袋はスルーしてください。(←?)

 

手前の部屋に対して奥の部屋、床が一段高くなっているのが分かりますかね?
これは上段の間ってヤツです。
床面の高さで身分の違いを表しているんですね。

 

御上段の部屋の様子

 

角度を変えてもう一度御上段の様子。

 

室内の様子をもっと見たいんですけど、遠いし、遮蔽物が多いし、全然分からんですね。
奥が床の間になっているのがかろうじて分かる程度。
天井も格天井になってるのか竿縁天井なのか分かりません、竿縁らしいけど。

 

欄間がえらい質素ですね。
大体上段の間の欄間ってのはもっとゴージャスな透かし欄間であることが多いんですけどね。
金沢の成巽閣(せいそんかく)の欄間なんか、ゴッテゴテに彩色してあるし。

 

明り取りのための障子

 

採光には結構気を使ってるみたいで、明り取りのための障子が上部にまで付けられています。
こんだけを光入れられりゃ、さぞかし居住性が良かった事でしょう。
ただその分断熱性能が落ちて冬は寒くなるけどね。

 

彦根の冬ってどうなんだろ?
住んだことないし分からん。
なんか琵琶湖のせいで風強そうってイメージが勝手にあるんだけど、別にそんな事ないのかな?

 

楽々園の枯山水庭園

 

建物の右横は荒々しい枯山水庭園になっています。

 

石の使い方がすごいですわね。
礫岩、花崗岩、堆積岩、なんやらゴチャゴチャ、大きさもバラバラ。
角張った石ばっかり使って、色も黒味の多いものばかり。
さらに整地までガタガタにして、柔らかさゼロ。

 

山の渓流のイメージですね。
すぐそこの玄宮園が海をイメージしたゆったりとした庭なので、わざとここは対照的な造りにしたのかもしれません。

 

正面の枯山水庭園

 

建物の正面も枯山水の庭園になっています。

 

こちらは一転海のイメージ。
ただ玄宮園のような穏やか~な海ではなく、荒磯を模したゴツゴツした海。

 

切り立った断崖がスゴイですね。
なんか冬の日本海を見てるみたいで、だっぱーーん!と打ち付ける波の音まで聞こえてきそう。

 

枯山水の川

 

何気に流れ込む川まで表現されています。
枯庭なので水は流れてませんけどね。
ちゃんと上流は細く、下流は太くなってて、ゆったりと流れ込む水の流れまで見えてきそう。

 

川は奥にももう1本あって、そちらには滝まであります。

 

奥側の川

 

それがこちら。
画像だと角度的にイマイチ川っぽく見えませんが、石がズラズラッと並んでいる所が川です。
傾斜まできちんと付けて川の流れが表現されています。

 

上の方に細長い石が縦に置かれてますよね。
これが滝です。
石で表現する滝。
枯山水庭園ではよく使われる手法です。
オキマリのやり方なので、覚えとくと次見た時すぐに気付けますよ!

 

御書院の縁側

 

江戸時代の大名屋敷の雰囲気を今に残す楽々園。
まー風雅な所です。
彦根の殿さまの粋な人柄までギンギン伝わってくるようです。
どうぞ訪問の際には、そんな人間臭さまで感じ取ってください。

 

でもね~、中に入れないってのがちょっとね~。
寸止めの消化不良感ハンパないですわ。

 

内部開放強く求ムぅーーーーー!!!

 

 

楽々園

住所: 滋賀県彦根市金亀町 3-41

TEL:0749-22-2742

ホームページ:びわこビジターズビューロー公式サイト

 




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