
松根城跡 スーパーマリオでも突破不可能な絶死トラップに恐怖
2021年06月16日

戦国時代の山城、松根城(まつねじょう)。
越中(富山)の佐々成正(さっさ なりまさ)と加賀の前田利家(まえだ としいえ)がギリギリにらみ合った最前線ライン上にあったお城として知られています。
場所は山奥、とにかく山奥。
一応車で現場まで行けますが、まー山奥です。
ただ国の史跡に認定されてて公園化されていることもあり、足元は良好。
山城としては比較的見学環境が整えられています。
わざわざ藪に突っ込む城攻め上級者(?)でない限り、軽装で気楽に見て回れます。

まずは城域マップから。
全体に細長い形状をしており、本丸の前後を複数の曲輪で挟むような連郭式(れんかくしき)構造になっています。
城の周りには空堀がぐるり。
さらに大堀切(おおほりきり)と呼ばれる巨大な横溝も2本掘られています。
特徴的なのは曲輪と曲輪を繋ぐ土橋で、都合4ヵ所設けられています。
一般的にはこの部分は堀切と呼ばれる溝で断ち切られることが多いんですけどね。
この土橋がボトルネックとして機能し、敵の侵入を阻止します。
では具体的に現場の様子を見ていきましょう!

大堀切です。
この大堀切、城に向かう途中の道路沿いにあるので注意してください。
うっかりしてるとスルーして見逃してしまいます。
これがなかなかのサイズでしてね、画像じゃちょっと伝わりにくいと思うけど、ごっぼ~~っと掘られています。
これ掘ったんですよ全部、人間が。
当然オール手作業。
ま~死ぬほどキツかったでしょうね、これ掘るの。

その大堀切の上には曲輪がざっと広がっています。
面積的にはサッカーコートくらい。
結構な広さです。
右側にぼこっと丘みたいな盛り上がりがありますが、これは人工的に作られた山です。
恐らく先に見た大堀切を掘った際に出てきた土砂を積み上げて作られたのでしょう。
この上に櫓を築き、上空から敵の動きを監視したのです。

そんな櫓台からの眺め。
足元が切り立っていることもあって、なかなかの高度感です。
下に見えるのはゴルフ場。
耳を澄ますとゴルファーたちの声がわーわーと聞こえてきます。
ふ、子供だなお前ら。
ゴルフなんぞで喜んでいるようじゃー、まだまだベイベー。
山城歩きこそ真の大人のたしなみなのさ!(←謎の優越感)

そこからいよいよ城の中心部に向かうのですが、その行く手を最初に遮るのがこのクランク。
真っすぐの道がいきなり左に90度折れています。
枡形(ますがた)です。
枡形ってのは城の防御構造のひとつで、こうして進路を曲げることで敵の勢いをくじき、同時に前・側面の2方向から攻撃するんですね。
しかも敵は狭い通路を「線」で上って来るのに対し、守る側は「面」。
守備側にとって圧倒的に有利なアドバンテージが確保されています。

そこを抜けると今度は土橋。
先の城域マップで見たボトルネックのひとつですね。
ここで再び攻め手は一列に並ばざるを得なくなります。
そこを弓や鉄砲で狙い撃ち。
タマランですな、コレは。
もう死にに飛び込むようなもんです。
まさに憤死フラグ確定のデス・ブリッジ!

その先には細長い曲輪が続いています。
これはそのヘリの部分。
このヘリ部分、ちょーっと盛り上がってるのが分かりますでしょうか?
この盛り上がりは土塁と呼ばれる仕掛けで、敵の侵入を阻止するためのバリケードです。
もちろんこれだけでは全然高さが足りないので、ここにさらに柵を設けます。
多分合計すれば2メートルは超えるはず。
まあまずこのラインからの侵入は不可能ですわな。

その下はどうなっているかというとこんな感じ。
画像右側の斜面の上が曲輪で、中央のくぼみは空堀です。
ちょっと注意して欲しいのが、斜面の角度。
えっらい急角度になってますが、この角度、人工的に造成されています。
城用語で言うところの「切岸(きりぎし)」というヤツで、この角度によって敵の侵入を遮断するのです。
無理ですな、こりゃ。
甲冑着て武器持ってここを登り切るのは100%無理です。
ここは一発、びょーんと10メートルくらいジャンプするしかありません。(※もっと無理)

こちらは曲輪に登るための通路。
これまたエゲツナイ構造になってます。
道筋がぐる~んとカーブしているのが分かると思いますが、当然このカーブ、わざとつけられています。
こうしてカーブさせることで敵を正面+両側面の3方向から同時攻撃するのです。
無理!無理!無理!
絶対突破無理!

そしていよいよ本丸。
お城の心臓部です。
広さ的にはテニスコートくらい。
山城の本丸としてはまあまあ標準的なサイズ。
整地状況は結構雑で、かなりデコボコしてます。

この本丸、よーく注意して観察すると、端の方に不自然に1段低くなっている区画があります。
これ、内枡形(うちますがた)です。
敵を一旦この枡形の中に誘い込み、そこを集中攻撃するのです。
枡形内に逃げ場はなく、ここに入ってしまうとまさしく袋のネズミ状態。
後は一方的な殺戮ショーの始まりです。
枡形、怖ぇ~~~~!!!

その本丸の裏手には二の丸。
現在は杉の木がアチコチに生えててイマイチ実感がないですが、ここもかつては一面の平地でした。
ここには特段面白いものはなく、むしろ見て欲しいのはその直前。

画像中央、なんとなーく窪んでいるのが分かると思います。
竪堀です。
堀ってのは基本的に敵を前に進ませないための横溝ですが、竪堀の場合は発想を90度変えて、横に移動させない事を目的としています。
つまり機動性を削ぐんですね。
こうする事で敵は右に左にとチョロチョロ移動できなくなり、守備側の負担がぐっと減るのです。

三の丸。
ここが松根城の最後尾に当たります。
ここまで来ると広さはかなりコンパクト。
バレーコートの半面くらいですかね。
機能的にはたいした防御力はないですが、このすぐ下に脇街道が通っているので、恐らくそこから攻められた際の前線基地として設けられているのでしょう。
実際そちら側にだけ土塁が設けられています。

中世の山城の仕組みを生々しく残す松根城。
なかなか厳しいですよ~、この城。
アッチから攻めるとこうなる、コッチから攻めるとこうなる、そんな想像を働かせながら巡るとスリル満点!
この城を落とすにはどんな戦略を練ったらいいか?、軍師気分になって最高の攻城作戦を思い描いてください。
考えれば考えるほど生きた心地せんけどね(笑)。
松根城跡
住所:石川県金沢市松根町
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