能美ふるさとミュージアム 展示編1 古代は文化の先進地だったんだゼ、ここ!
2021年05月31日
能美の文化や歴史が学べる能美ふるさとミュージアム。
前回は建物の様子を見てきました。
今回はいよいよ展示内容の話へと移ります。
先にネタバレしますが、メインは古代です。
なんたってここ能美は古墳銀座ですからね。
旧石器~古墳時代にかけての展示が最も充実しています。
では館内マップから。
展示室はA~Gの合計8つ。
それぞれにテーマが設けられ、順々に時代を追う構成になっています。
まずAの部屋で能美の概要についてざっと触れ、Iの部屋で現代の様子を紹介、Bの部屋で一気に石器時代へとタイムスリップし、部屋を移るごとに時代を上り、最後にIの部屋へと再び戻って来て現代に帰還する、というストーリーになっています。
前回記事でも書きましたが、この過去と現代の「暗」と「明」の使い分けが見事なのですわ。
展示室を回る時は、そんな空間デザインにも注目してみてください。
Aの部屋。
タイトルは「能美探訪」です。
室内には横長いモニターがあって、能美に住む妖精”ノミコビト”が能美の自然や歴史をざっと紹介してくれます。
ノミコビトは全部で5人いて、赤・青・黄・緑・紫の5色。
5人合わせてスーパー戦隊ノミレンジャー!
過去から現代にかけてタイムトラベルをする、という物語になっています。
残念ながら怪獣とのバトルシーンはありません。(←?)
Iの部屋。
タイトルは「能き美しき能美の自然」。
現代の能美の自然や生態系について紹介しています。
ここね、結構面白いのですわ。
蟹淵(がんぶち)とか七ツ滝とか、楽しめそうなスポットを詳しく紹介。
見所なんかもしっかり解説されています。
自然探訪大好き!なアウトドア派にはオススメの内容です。
Bの部屋。
タイトルは「山のめぐみ。狩猟と採集のくらし。」。
ここからがいよいよ過去の世界です。
時代は旧石器と縄文。
縄文時代なので、当然あります。
わたしの大~~好きなアレがあります。
縄文式土器~~~♪♪
素敵ですわな、この不細工に肉厚な素地、ぐねぐね不均衡な形状。
そして生き物のようにうねる縄目紋様。
粗野、粗野、ひたすら粗野、洗練性の欠片もない。
のが。
美しい~♪
ザ・ジャパニーズアートの源流がここにあります。
Cの部屋。
タイトルは「平野に暮らす。稲作のはじまり。」。
弥生時代です。
当然土器は弥生式土器へと移行します。
フォルムがシャープになり、素地も薄く硬くなり、オシャレ感がぐっとアップ。
多分着るものなんかも全然違ったんでしょうね。
この時代から高床式の建物が登場。
そのイメージ模型がこちらです。
この建物は基本的に倉庫として使われたのですが、倉庫を使うという事は定住型の生活に切り替わったという事を物語っています。
つまりこの地にも稲作文化がやって来たという事ですね。
共同作業を必要とする稲作はムラを形成し、ムラはさらにクニへと発展しました。
貧富の差が生まれたのもこの頃です。
Dの部屋。
タイトルは「平野と大河川。大きなお墓と国づくり。」。
古墳時代です。
この部屋がこのミュージアムのクライマックス。
やべーくらい内容が充実してて、高密度です。
なのでこの部屋の様子は次回記事にて。
詳しくじーっくりご紹介します。
Eの部屋。
タイトルは「海から山まで。「能美」1200年のはじまり。」。
飛鳥・奈良・平安時代です。
ここから一気に文化の匂いがしてきます。
瓦なんかが作られ始めたり、仏教の影響が見られるようになったり。
特に注目なのが「能美」の文字が墨書された陶器の欠片。
能美という地名は、この頃からもう既に使われていたんですね。
驚きです。
こちらはまだ手つかずの発掘品。
段ボールやプラ箱に入れられて、ごっそりと眠っています。
手間と時間がかかるのですよ、発掘品の精査ってのは。
ドロを落としたり、ゴミを削ったり、破片を繋ぎ合わせたり。
もー悲鳴の出るくらい地道で面倒臭い作業の連続。
これ全部調べ終わるのは果たして何年先になるんですかね?
って言うか、調べるより早いペースで新しいのが入って来るんでしょうね。
こりゃ終わんねーな(汗)。
Fの部屋。
タイトルは「電化製品が広がる前のくらし。」。
大正・昭和です。
ここで突然時代が飛躍。
雑やな(笑)。
展示室には非電化時代の居間が再現されています。
板敷の間に、中央には囲炉裏。
周囲には様々な生活道具がごちゃごちゃ。
古民家、それも農村の家の造りですね。
現代はほぼ失われた素朴な生活風景。
こんな時代もあったんですね。
Hの部屋。
いかがわしい部屋ではありません。(謎)
タイトルは「白山曼荼羅図が描かれた時代。」。
時代が一旦逆行しますが、江戸時代です。
壁に大きく飾られているのが白山曼荼羅図。
もちろんこれはレプリカで、本物は一面ものではなく3幅の掛け軸に分割して描かれています。
そして画内にはあちこちに色んな民間伝承や仏話が散りばめられているのですが、知らないと(知ってても)まず分かりません。
詳しい解説が横の案内板にありますので、興味のある人は曼荼羅図と照らし合わせながら読んでみて下さい。
最後、Gの部屋。
タイトルは「能美電が走っていた時代。」。
時代は再び大正・昭和。
能美電とは大正14年から昭和55年まで稼働していた地方路線で、まだ道路網の発達していなかった当時、地元の人の足として大いに活躍しました。
そんな能美電が走っていた当時に使われていた品々が展示されています。
鉄道ファンにはざっくり刺さるのでしょうね。
わたしはこの分野は守備範囲外なのでもうひとつピンと来んのですが。
以上、ミュージアムの展示内容の紹介でした。
次回は先述の通り、Dの部屋を集中的に見ていきます。
Dの部屋はひたすらに古墳!古墳!古墳!
そもそもこのミュージアム、古墳自慢がしたくて建てたようなモンですからね。
クオリティが別次元!!
古墳に秘められた古代ロマン。
どうぞ思う存分ご堪能を!
関連タグ >> 美術館・博物館 能美ふるさとミュージアム
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