松任金剣宮 女の声で泣く男の正体を突き止めろ!
2021年05月08日
松任駅から徒歩数分の場所にある松任金剣宮(まっとうかなつるぎぐう)。
社殿がまだ建て替えて30年ほどなのであんまり古い感じがしないですが、縁起を紐解くと717年(奈良時代初期)創建という、メッチャメチャ古い歴史を持つ古社です。
・・・の割にはこれまでの経緯が不明で、特に面白いエピソードを持っていません。
掘り起こせばゴロゴロ出てくると思うんですけどね。
蔵あさりでもすれば興味深い古文書がうじゃうじゃ出るんじゃないかな?
学者さーん、おいでー!
ここに未発掘のネタがいっぱい眠ってるよー!(多分)
入口にでーん!と構えるのが銅板葺きの大鳥居。
立派じゃないですか、サイズも見た目も。
銅板葺きと言えば石川護国神社の鳥居もこのタイプですが、やっぱり貫禄が違いますね。
銅の重い質感がずっしーん。
どこか武闘派的なマスク。
祭神は素盞雄尊(すさのおのみこと)・湍津姫命(たぎつひめのみこと)・都留伎日子命(つるぎひこのみこと)。
素盞雄尊は天界で大暴れして追放されて、地上に降りたら急にいい神さまにイメチェンして人々に愛された、支離滅裂な経歴を持つ神さまです。
ヤマタノオロチ退治でも有名ですね。
湍津姫命は宗像三女神(むなかたさんじょしん)の1柱で、航海や交通の神とされています。
素盞雄尊の娘でもあります。
都留伎日子命は、ここから見える霊峰白山に祀られている神さまです。
神社の由緒書きでは白山比咩神(しらやまひめのかみ)の御子と書かれていますが、一般的には素盞雄尊の御子とされています。
境内の中央には立派な拝殿。
これがもーシビれるほどのカッコ良さ!
水平性が強調された伸びやかな反り屋根。
中央には唐破風&千鳥破風の二重破風を構えて、壁面は木造でかっちりと固めて、腰回りには小気味よい狐格子をぴしぴしと並列。
そして向拝下にはド太い注連縄をずしり。
いいですわ~♪
惚れ惚れしますわ♪
内部は直線直線ひたすら直線。
曲線をほぼ排した空間構成は、抜けのいいリズミカルな世界を作っています。
中央上部には『松任金剣宮』としたためられた扁額。
額の左には鷹司信輔(たかつかさ のぶすけ)と署名されています。
鷹司信輔は明治後期~昭和にかけての人で、侯爵の爵位を持ち、貴族院議員や明治神宮の宮司なんかを務めた人です。
多分京都の名門公家、鷹司家の系列の人でしょう。
松任金剣宮との関わりについては不明ですが、まあ何らかの形で繋がっていたんでしょうね。
拝殿の斜め前には神輿庫。
天保2年築造(1831年)との事なので、江戸末期のものです。
いかにもナンカイイモノアリソ~的な古めかしい外観。
で、あるらしいんですわ、実際イイモノが。
刀剣とか神具とか。
多分貴重な古文書なんかもごっそり眠ってるんでしょうね。
天井には立派な奉納画も描かれているそうです。
お゛お゛お゛ぉ゛・・・・・見だい・・・・(切望)。
お稲荷さんも祀られてます。
トレードマークの赤い鳥居がズラズラズラー。
きれいですわな、このビビッドな赤。
記録によると昭和63年改修との事なので、40年程経ってることになりますが、それにしてはえらく色艶がいいので、比較的最近お色直ししてあるのでしょう。
建物の中を覗くとこんな感じ。
奥にお社が見えますよね、あれがお稲荷さんの社殿です。
つまりこの建物は二重構造になっていて、外側が覆屋(おおいや)と呼ばれる社殿を守るための建物、中にある小さな建物が社殿本体という事になります。
いかにも日本人的ですわね、この几帳面な発想。
本来ご神体を雨風から守るために社殿があるのに、その社殿をさらに覆屋で囲って雨風から守るって言うね。
しまいにゃこの覆屋を守るためにさらに外側に建物を被せんじゃないの?みたいな(笑)。
境内の中にはもう一発、面白いものがあります。
それがコレ、「橋爪の夜泣石」。
すぐ横に石の由来となる案内書きが立てられているのですが、そこに妙な事が書かれています。
ざっくり抜き出すとこんな話。
『橋爪の大川で夜な夜な女の人の泣き声が聞こえるので、川底を調べたら石が出てきた。泣き声の原因は雄石が雌石を恋しがって泣いていたため。』
おかしくありません?
「女の人の泣き声」の原因が「雄石」の泣き声でしたって、明らかに変。
泣いてたの女なのかよ?男なのかよ?って感じで、完全に頭の中?????
何回読み直しても意味分からん(悩)。
他にもこんなものがあります。
燈篭アイランド。
なんでか知らんけど、この区画だけに8基の灯籠が固めて置いてあります。
これに関する案内は何もなく、全く意図不明。
これはわたしの想像ですが、この神社の境内、ひょっとしてかつては庭園になっていたんじゃないですかね。
その庭園を何らかの理由(例えば戦中に畑にしたとか)で潰して現在のフラットな広場へと造成し直し、庭園時代に配置されていた燈篭は廃棄せず全部ここに集めて残したと。
そんな風に考えると、なんとなく納得がいきます。
歴史は古いけど、境内の雰囲気はフレッシュな松任金剣宮。
とにかくね、拝殿がいいですよ。
めーーーっちゃカッコイイですから、ぜひじろじーろ見に来てください。
そして石と会話ができる人。
もしいらっしゃいましたら、夜泣石に男なのか女なのか問い詰めて、真相をハッキリさせてください。
いたらね。(いないよ)
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