彦根城 西の丸 ここにも残る江戸期のシッブ~~~い建物
2021年04月24日
彦根城レポート、いよいよ最終回。
今回は天守の裏側にある西の丸を中心にレポートします。
一般的にお城において「~丸」って名の付くところは、曲輪(くるわ)と呼ばれる広場です。
なので当然ここも曲輪。
お城の西側にあるから西の丸・・・と言いたいけど、ここなぜか位置的には北側になります。
お城全体から見てもどちらかと言えば北寄り。
でも名前は西の丸。
なんでやろ?
そんな北にあるのになぜか西の丸の北側に櫓があります。
その名も「西の丸三重櫓」。
形としてはご覧の通り1階建ての多門櫓がL字状にドッキングしていて、その接点に3階櫓が建っています。
シンプルですな。
直前に見た天守閣が派手派手仕様だっただけに、余計にシンプル。
まあこれが普通なんだけどね。
こちら見学可能になっていて、内部に自由に入れます。
人気の天守閣と違って、土日でもまず順番待ちは発生しないのでとってもお気楽。
都合のいいタイミングでするっとお入りください。
中は太い柱と梁がずどーん!ずどーん!
いかつさ満点、圧巻の迫力です。
いいですわな、このエネルギー感あふれる造り。
いつ敵が攻めてきても絶対守り通してやるぞー、みたいな熱がみっちりこもってて。
なんか見てるだけで汗が出てきそうです。
で、中に入ったらちょっと探して欲しいものがあるのですわ。
それがこれ。
なぜか色の違う部材がジョイントされている梁。
明らかに一方は新しく、一方は古い。
これなんでこんなことになってるのかと言うと、一度大修築されているからです。
記録によると1853年との事なので江戸時代末期。
その際に大掛かりな修繕が実施され、実に8割近くの部材が新しいものと取り替えられたそうです。
その痕跡がコレなんですね。
木造建築はこうして部材を交換しながらメンテナスを続けることで数百年、時には1000年以上ももたせる事ができます。
世界最古の木造建築と言われる法隆寺も、こうやって現在まで形を保ってきたんですよ。
もうひとつ見て欲しいのが壁。
L字型になっている多門櫓の入口側と奥とで全然壁の質感が違います。
入口側は新しくきれいで、奥は黒ずんでボロボロ。
これもメンテナンスの跡ですね。
ただこっちのメンテナンスは比較的新しいようで、恐らくここ数十年の間のものでしょう。
なんで半分しか塗り直ししなかったのかは謎ですが。
2階の様子です。
こちらの壁は修繕されていなくて、真っ黒ボロボロ。
スゴイでしょ、違い?
これが歴史の味ってヤツなんですね。
でもここもいつか持ちこたえられなくなったら修繕しちゃうんでしょうね。
残して欲しいな~いつまでも!
そして3階。
やっぱりボロボロです。
雨漏りの跡なんかもあって、結構な疲労感。
ここでちょっと窓の外を見てみてください。
かなりの高度。
櫓自体が3階建てで高さがあるのに、その下はさらに10メートルの高石垣になっているので、ものすごく見渡しが良くなっています。
これね、敵を見張るためにこうなっているのです。
高い所から見下ろすことで敵の布陣を確認し、同時に攻撃に備えるのです。
つまり守りのための司令塔ですね。
櫓を出たら建物の脇に道があり、そこを進むと木造の橋が現れます。
そしてこの橋の下、見下ろすとごっそーっと深い溝になっています。
この眺め、どこかで見た覚えありませんか?
そう前々回の記事で見た、天秤櫓前の大堀切です。
この溝ももちろん堀切で、人工的に掘り抜かれたものです。
城作るために山の形変えちゃうんですからね。
スゴイですわね!
その堀切の先にあるのが出廓(でぐるわ)。
西の丸三重櫓前を守る最前線基地です。
この下は通路になっていて、攻めて来る敵を上から見下ろせる形になっています。
そこを鉄砲や弓矢でババーン!と迎撃するんですね。
攻め手にしてみれば雨ですわ雨、攻撃の雨。
たまったモンじゃありませんわね!
そんな恐怖の道を降りて行くと城の外周路に出ます。
そこを右折して進むと、その先は黒門出口。
ゴール!!
ここをこのまま直進して右の坂道を登ると、再び西の丸に出られます。
彦根城もう一周!って元気のある人は、そちらのルートをご利用ください。
とりあえず今回の記事はここで終わりです。
国宝天守閣を擁する、天下の名城彦根城。
長々と5回に渡ってお届けしてきましたがいかがだったでしょうか?
実はこれでもまだ紹介し切れていないエリアが残っています。
その部分についてはいずれまた機会を改めて。
さあ、次はぜひご自身の目と足で彦根城の楽しさを思いっ切り楽しみに来てください。
何回来ても飽きない、素晴らしいお城ですよ。
ひこにゃんも待ってますからね~~!
にゃん♪
関連タグ >> お城 彦根城 国宝
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