松本市立博物館 江戸時代のフェラーリを見る
2021年03月10日
松本市立博物館は松本城の大手門のすぐそば、ほぼ正面口にあります。
場所が場所だけに、松本城に行ってここに気付かない人はほぼいないでしょう。
こちらどんな場所かと言うと、松本という土地の歴史や文化を紹介している施設です。
それこそ縄文から始まり、平安、戦国、江戸、近代の昭和に至るまで、この土地がたどって来た人と生活、時代の流れがざっと俯瞰できるのです。
まずは建物の構成から。
館内は地下1階+地上2階になっていて、地下では古代~中世が、地上1階では中世~近代+風土・文化が、2階ではその時々の企画展示が見られます。
なのでルートとしてはまずは地下へ行き、それから地上1階→地上2階と回るのがオススメです。
こちら、全体になかなか興味深い展示物が揃ってて、充実度抜群。
長野や松本の歴史に詳しければより深く楽しめるのでしょうが、わたしみたいに全然分かってないヨソ者でも十分面白い内容でした。
まずは地下1階。
古代縄文の頃からの松本が紹介されています。
がっつり喰いついたのが縄文式土器ですね。
わたし、縄文時代の土器とか土偶とか大好きなんですわ。
土器にあしらわれたこの縄目紋様、い~いじゃないですか♪
手作り感むんむんで、形が不細工で、洗練性なんて全然なくて。
でもそのゴツゴツした素朴さがたまらなく魅力的で。
あーうちの家にも1個欲しいーーーー(もちろんホンモノが)!!
水管なんかも展示されています。
これは江戸時代のもので、なんでもかつての松本にはこんなのが町中に張り巡られていたそうで。
仕組みとしては自噴の井戸によって水を汲み上げ、その水をこの管を通して配水したんだとか。
要は上水道設備ですね。
用水によって遠い所から水を引っ張って来るってのはよく聞きますが、井戸を水源に水を自動供給する仕組みってすごいですね。
そんなんできるの?って感じですが。
できたんでしょうね、こうしてちゃんと残ってんですから。
江戸時代の土木テクノロジー恐るべし!!です。
1階に登ると、いよいよ松本城ができた中世から江戸時代にかけてのものが展示されています。
ここで一番目を引くのがジオラマ。
江戸時代の町の様子がリアルに再現されています。
へー昔はこうなってたのか、みたいな。
ここはぜひじーーーと眺めて頭に叩き込んでください。
コレを見てから「昔」と「今」の姿を重ね合わせながら城周辺をぐるりと回ると、また違った見え方がしてきますよ。
他にも江戸時代感むんむんの展示品がいっぱい。
こちらは籠ですね。
なんでも女性用だったそうで。
すごいですわな、装飾が。
実用品というよりもほとんど工芸品。
今で言えば最高ランクのフェラーリに乗ってるくらいのステータスがあったのでしょう。
きっとスピードも時速200kmくらい出ただろうな~~・・。(←それは無理)
で隣の部屋に進むと時代がさらに進んで、明治や大正・昭和の展示物が見られます。
そのひとつがこのポンプ車。
一見消防車のようですが、まあ消防車なんですが、残念ながら自走できません。
馬2頭を使って引っ張ったそうです。
しかも動力が蒸気で、セットアップに20分もかかったんだとか。
現場から連絡を受けて、そこから馬に引かせてエンヤコラと持って行って、そこでまた20分もかけて準備して水を噴き出す。
・・・うん、なるほど・・・。
間に合うかいッッッ!!(笑)
さらに部屋の奥に進むと、松本の風俗・文化について紹介されています。
こちらは宝船。
お祀りで使う山車ですね。
祭りの時はこれをえいや!えいや!と町中引っ張って回ったんだそうで。
後部には七福神が乗っています。
縁起がいいですね。
でも布袋さんだけは残念ながら行方不明で欠員しています。
どこ行っちゃったんだ、布袋さん?
おーーーーーい!出ておいでぇーーーー!!!
さらにこんなおかしなモノもあります。
道祖神像。
道祖神とは土地に根差した神さまです。
道祖神と言っても色んな姿かたちがあるのですが、これはご覧の通りアレ。
アレですね。
そう、「チンチン」です。
陰茎信仰はここに限らず全国に例があり、まあチンチンですからね、子孫繁栄のご利益があるとされています。
アレもご立派になれば、神さまとして崇められるんですね。
金沢にもあるんですよ、陰茎信仰。
これは東山菅原神社のもの。
どう?あるでしょ?チンチン。
なんでも女性がこのチンチンをなでなですると幸せになれるんだとか。
セクハラだろ(笑)。
松本の今と昔、そして風俗・文化がダイジェストで見られる松本市立博物館。
入場券は松本城とセットになってますので、松本城見てきたよーって人は忘れずにお立ち寄りください。
特に松本城のジオラマはマジリアルです。
入館前にまずは松本城を一周して大体の位置を頭に入れてからご覧ください。
その上でジオラマを見ると、江戸時代の風景がより生々しくイメージできますよー。
関連タグ >> 美術館・博物館 松本城
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