松本城 天守閣編 その2◆月見櫓ってこんなところまで赤いんです!
2021年03月06日
国宝松本城天守閣。
江戸時代から残るリアルバリバリ本物天守です。
そんな天守閣内部の様子をレポート。
前回は1階~5階までのお話でした。
ここからいよいよ最上階の6階に進みます。
ここの天守閣は「層塔型」という造りになっていて、上階に向かって一定割合でサイズが小さくなります。
なので6階はご覧の通りの狭さ。
結構密閉感強めです。
でも何て言うか、優越感はピカイチ。
なんたって最上階ですからね、気持ち良さが違いますわ。
おお~~~イチバン上まで来ちゃったゾ~~~♪みたいな。
ここでちょっと見て欲しいのが天井。
神棚が祀ってあります。
これは二十六夜神の社。
小っちゃいですが、これでも立派な神社です。
二十六夜神ってちょっと聞いたことないですが、なんでもこの松本城を守ってきた神さまなんだそうで。
毎月26日に3石3斗3升3合3勺(約500キログラム!)の餅をついてお参りするのが習わしとなっています。
ちなみにこの数字は神さま自身の要求です。
伝説では緋袴を履いてお姫様の姿をしたとても美しい神さまとの事ですが。
すげー食うんだな(笑)。
こちらは窓からの眺め。
伝わるかなーこの高度感?
爽快ですよ、もー!!
当たり前ですけど遮るものは何もないですからね。
東西南北に取り付けられた窓からそれぞれの景色が楽しめます。
毎日でも登って眺めたい、素晴らしい~~~眺めです。
そしてよく注意して見ると、周囲ぐるりに妙な廊下みたいなのがあります。
なんか意味不明なゾーン。
ここ、元々は廻縁(まわりえん)、つまりバルコニーになる予定だったんだそうです。
犬山城の最上階なんかにありますよね、廻縁。
あんな感じのものがここに付くはずだったんです。
でもどういう事情でかは分かりませんが途中で構想を変更し、一面室内に組み込んじゃったんだとか。
わたし的にはここは廻縁にして、外の風を浴びながらぐるーっと一周したかったなー。
残念!!
最上階を思いっ切り堪能したら、いよいよ下降します。
なにしろ階段が急なモンでね。
怖い!怖い!
手すりにつかまり、1歩1歩しっかり足元を確認しながら降りて行きます。
間違ってもここでふざけて遊んじゃダメですよ!
2階まで降りてくると、隣の辰巳附櫓への入口が現れます。
境界をひょいっとまたぐと、そこはもう辰巳附櫓。
花頭窓がシブイですね。
お寺ムードむんむん。
花頭窓ってのは本来はお寺の建物に用いられる窓です。
ただ見た目がオシャレだからでしょうね、城郭建築や武家屋敷なんかにもよく使われます。
そこからさらに1階降り下の間に行くと、いよいよ最後の月見櫓への入口にたどり着きます。
ここはね、もう解放感が別格!
3面が吹きさらしになっているので、ものすごく見通しがいいのですよ。
さらに採光。
ここまでずっと窓の小さな暗い部屋ばかりが続いていたので、ここに入った瞬間、いきなり光に包まれるような感覚に捕らわれるのです。
なんでここだけこんな極端に開放的な造りになっているのかと言うと、そもそも遊び目的で造られたから。
その名が表す通り「月見」を楽しむための建物なのです。
本体である天守閣とその右側に付属する乾小天守及び渡り櫓は戦国時代に建造されたものです。
なので石落としや鉄砲狭間など、戦闘のための仕掛けが随所に見られます。
それに対しここ月見櫓と先に見た辰巳附櫓は江戸時代に追築されたもの。
将軍徳川家光の来訪に合わせて、接待用に造られたのです。
だからこんなに開けっぴろげで戦闘感ゼロな造りになっているんですね。
ここで天井を見てみて下さい。
なんか色、赤くありません?
画像では上手い具合に赤く映ってますが、現場で見る色はもうちょっと茶色いです。
ほぼ木の色、そこにほんのり赤、って程度。
ただこの薄い色は色落ちのためにこうなっただけで、恐らく昔はもっとショッキングに真っ赤っかだったと思われます。
それを物語るのがこの廻縁。
今まさにこの赤い廻縁のある部屋の中にいる訳ですが、かつては天井もこのレベルの赤で染められていたと思われます。
じゃあなんで天井の赤色は消えたのに、廻縁の赤は残っているのかと言うと、答えは簡単、塗り直されているから。
もし塗り直しがされてなければ、この廻縁も今頃は木の色になっていたでしょう。
昔の月見櫓の内部、どんな感じだったんでしょうね?
真っ赤っかな部屋の様子も見てみたいな~。
以上、松本城天守閣のレポートを2回に渡ってお届けしました。
やっぱいいですわね、ホンモノは。
時代感がケタ違い。
これ見ちゃうと金沢城のぴっかぴかな復元菱櫓が悲しく見えてきますね。
二度と蘇らない大事な歴史遺産。
これからもしっかりと保存して、後世に残していって下さい!
次回は天守閣以外の松本城内の様子をレポートします。
二の丸御殿跡や黒門、太鼓門などなど。
松本城の見所はまだまだ一杯ですよ~。
関連タグ >> お城 松本城 国宝
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