卯辰山三社　愛宕神社 ◆どうしてコッチを向いてくれないの？

 

卯辰山三社ネタ。
1回目は神社へとつながる参道の様子。
2回目は卯辰山天満宮のレポート。
3回目は豊国神社のレポート。
そして今回、いよいよ最終回となる愛宕神社のレポートです。

 

愛宕神社は総本社を京都に置き、全国に約900の支社を持つ大神社グループです。
古くより火伏せ・防火に霊験があるとされ、同時に武門の神としても信仰されてきました。

 

 

そんな愛宕神社の社殿がこちら。
先に紹介した卯辰山天満宮や豊国神社に比べて、ちょっと写真じゃピンと来ないかもしれないけど、がっつりサイズダウンしてます。
というのも元々この神社は独立した神社だったんだけど、明治になって豊国神社に合祀・吸収されてしまったんです。
それが後になって再び分離し、今の社殿が建てられたのです。

 

なので造りからして違うでしょ？
卯辰山天満宮と豊国神社が木造なのに対し、愛宕神社は鉄筋。
建物が新しい分、見た目の印象もすきっときれい。

 

 

スタイルとしては住吉造りですね。
伝統的な直線屋根に大棟両端には千木（ちぎ・V字型のツノ）を備え、床は高床式にして入口は妻入り。
向拝は反りのない直線形のものをぱさっとかぶせただけ。

 

良くも悪くもスマートな造り。
オンボロい卯辰山天満宮や豊国神社に比べて、垢抜けた美しいプロポーション。

 

 

扉は完全にクローズされてて、中の様子は不明。
建物の歴史が新しい分、多分お宝的なものは入ってないでしょうね。
シンプルに祭壇が組まれてご神体が祀られている程度でしょう。

 

まあそれはそれで中見てみたいけど。（←中覗くの大好き）

 

 

そしてちょーっと注目して欲しいのが建物の方向。
卯辰山天満宮と豊国神社が同じ方向を向いているのに対し、この愛宕神社だけ全然違う方向を向いているのですよ。

 

これなんでかなーと色々考えたんですけど、分からんのですわ。
この方向に何かあるのかなと思ってgoogle mapグルグルいじって調べたりもしたけど、特にそれらしいものもないし。
でもこんだけあからさまに違う方向向いてんだから、そこには必ずなにか理由があるはずで。

 

うーーん、なんでやろ・・・・（悩）。

 

 

ただひとつ考えられるとすれば、これってソッポ向いてんじゃないかなと。
先に書いた通り、この神社は元々独立していたものが合祀という形で組み込まれ、後になって外に飛び出したんですね。

これってひょっとしたら何か一緒にいちゃ面白くない経緯があったのかもしれません。
だからわざと社殿の造りも他の二社と全然性格の違う住吉造りにし、入口の方向も仲良く並べずアッチ向きにしたと。
そんなことが考えられます。

 

神社っていっても、それを建てるのは人間ですからね。
人の感情やいざこざが入り込んじゃっても不思議じゃありません。

 

神さまは迷惑かもしれんけど（笑）。

 

 

以上、卯辰山三社の参道から卯辰山天満宮、豊国神社、そして愛宕神社までを見てきました。
山の上の神社なので参拝は大変かもしれませんが、でもそんな苦労もすっ飛ぶくらい楽しい所です。
戦争に散った英霊の鎮魂を祈ったり、江戸期のボロボロ建築を堪能したり、逆立ち狛犬に心ほころばせたり、謎の燈篭失踪ミステリーに頭悩ませたり、そして神社同士のケンカ（？）の板挟みになったり。
詳しく見て行くと結構エキサイティング。
どうか訪れる際はそんな目玉をひとーつひとーつじーっくり吟味しながらお参りください。

 

 

 

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