
光山寺 1000年2000年先まであなたの志が残るかも?しれません
2020年12月05日

射水市の住宅地の中、放生津八幡宮(ほうじょうづはちまんぐう)のすぐ向かいに光山寺(こうさんじ)という小さなお寺があります。
ぱっと見地味~で、ややキャッチが弱いのですが、このお寺「あるもの」で有名なお寺です。
「アレ」よ「アレ」。
キンキラキンに輝くでっかい「アレ」。
そう、「アレ」です。

大仏さ~~ん♪♪
地元では「新湊(しんみなと)大仏」の愛称で親しまれています。
この大仏さん、いわゆる「丈六仏」というもので、身長約4.8メートル。
ただこの像の場合は座ってるからその半分の2.4メートル・・くらいのはず。
測った訳じゃないので、正確なサイズは分からんけどね。
4.8メートルってえらい中途半端ですが、この数字にはちゃんと意味があって、お釈迦さまの身長が4.8メートルあったと伝えられている事に由来します。
要は等身大ってコトですな。
身長4.8メートルの人間なんている訳ねーけど(笑)。

大仏さんの背中にあるこの板みたいなパーツ、これを光背(こうはい)と呼ぶんですが、これ何かって言うと名前そのまんま「光」なんですね。
仏さまの霊威がそのまま光となってぴっかーっと輝いている、とそういう状態を表しています。
そしてこの光の中にも小さな仏さまがうじゃうじゃ。
これらの仏さまは「化仏(けぶつ)」と呼ばれるもので、中央の大仏さまの化身です。
千手観音って知ってるでしょ?
あの仏さまはなんで手が千本もあるのかと言うと、多くの手で多くの衆生を同時に救うという超人性を示唆しているのです。
この化仏も意味合いは同じで、自らの分身を無数に放つことで多くの衆生を一度に救うという無限の力を表現しています。

印形(いんぎょう・指の形)は阿弥陀定印(あみだじょういん)。
これによってこの大仏さまの正体が阿弥陀如来だという事が分かります。
この印ってヤツがまたいろいろ面倒く・・・複雑なルールがありまして、そのひとつに「九品来迎印(くぼんらいごういん)」ってのがあります。
その名の通り9種類の印形をまとめたもので、臨終の際に現れた阿弥陀さまがどの印を結んでいるかで、死後の転生先のランクが変わるんだそうです。
そしてここで改めて注目して欲しいのが先に出てきた化仏のサイズ。
よく見ると小と中、ふたつのサイズがあるのにお気づきでしょうか?
この中サイズの方の化仏が九品それぞれの印形を結んでいるらしいのです。

どうですかね?
なんとなーくそれぞれ手の形が違うのが分かりますかね?
でもこれ、写真だから画像を拡大して見れますが、現場では遠くて小さくて全然識別できません。
どうしても確認しないと気が済まないって人は、オペラグラスか双眼鏡をご持参ください。

そしてもうひとつ圧巻なのがこの小さな仏像の大集合。
これも化仏かと言われると、まー化仏と解釈できなくもないですが、そもそもが大仏さんとは別に作られたものなので、全く独立した仏像と考えた方がいいでしょう。
全部まとめて「千体仏」と呼ばれてはいますが、実際には3,000体ほどあるそうです。
すげーなー。
で、ちょっと左側を見てみましょう。

どうです?分かりますかね?まだ仏像の収められていないスペースがあるのが?
要はこれ、現在も増え続けているのです。
つまりお寺にお願いしてお布施をすれば、「自分の仏像」がひとつ、ここに並べてもらえるのです。
なんかスゴくないですか?
この荘厳な世界に自分も仲間入りできるんですよ!
しかも自分が死んでもこの先ずーっと残るんです。
思わず、じゃー自分のもひとつお願いーー!!とか思っちゃいません?

ただね、金額がね。
なんやら1体20万円だそうで。
20万円かーーーー・・・・んーー・・・・考えちゃうなー・・・。
庶民の20万はかなりキツイなー・・・。
でもたった20万で仏の世界に一歩近づけるんだと思うと、むしろ安い気がせんでもないし。
んーーーー・・・・・(悩)(悩)(悩)。
もーちょっと死期が近づいてきたのを実感したら真剣に考えますわ・・・。(←絶対天国に行けないタイプ)

そんな色々な功徳と煩悩が入り乱れた(←?)仏殿を出ると、こんなのがあります。
お地蔵さん。
見ると分かるんですが、このお地蔵さん、めちゃめちゃ風化しまくってまして、目鼻の識別が困難なほどにつるつる。
今でこそこうやってお堂に収められてますが、かつては野ざらしにしてあったんでしょうね。
ハンパない疲労感です。
でもそれがなんか不思議な神秘性を出してましてね。
お、このお地蔵さま、すごくお願い聞いてくれんじゃねーの?的な。
ある意味、大仏さまとはまた違った救いのエネルギーを感じさせてくれます。

最後に本堂。
こっちはまー地味と言うか、比較的シンプルな造り。
変わった所と言えば向拝の屋根の形ですかね?
この部分、一般的には唐破風というカーブ状の屋根が備えられるケースが多いのですよ。
でもこのお寺の向拝はむくり屋根。
むくり屋根とはご覧の通りもこっと膨らんだ形をした屋根です。
見た目がやや野暮ったいためか、あまり見ることのない形式です。
中には立派な須弥壇が備えられているらしいのですが、残念ながらわたしは見たことありません。
一度直に見てみたいですね。

素晴らしい阿弥陀如来の大仏さまに会える光山寺。
黄金に輝く像姿と背後に並ぶ千体仏の見事さはもー本当に圧巻ですよ!
ちょーーと場所的に探しにくいかもしれませんが、ここは絶対に見て欲しいスポットなので、近くまで来ることがあればせひ訪問してみてください。
そして財布に余裕のある人は千体仏に新たな一体を!
あなたの寄贈した一体がこの先何百年、ひょっとしたら1,000年、2,000年先まで残るかもしれないと思うと。
ロマンじゃありませんか~~~????
関連タグ >> お寺 大仏
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