
海王丸 甲板編 サルにはとっても魅力的な船上ジャングル!
2020年09月19日

「海王丸」。
船の名前です。
海王丸とはなんぞや?と言うと、昭和5年に建造された航海練習船です。
全長97メートル、マストは一番高い所で海面から46メートル、総トン数2,238トン、堂々たるサイズを誇る大型帆船です。
現在はその役目を二代目に譲って隠居。
かつての状態をそのままに留めた姿で、射水の港に停泊されています。
船内は見学可能。
早速見て行きましょう。

甲板の上に立った瞬間からガラッと空気が変わります。
ウッドデッキの柔らかな踏み心地。
アチコチに張り巡らされたロープ、ロープ、ロープ。
ゴッチゴチの分厚い鉄部材。
どれも非日常的で、うわ~~~別世界だ~~、みたいな不思議な感覚。
ルートはきっちり1本道で決められていて、矢印の案内通りに進む形になります。
とは言えこれだけ大きな船ですので、グネグネ結構な距離を歩くことになります。
疲れたら適当に休みながら進んでください。

最初の喰いつき所はここですね。
「前部航海船橋」。
海王丸は帆船なのでマストで風を受けて進むのが基本なのですが、一応推進エンジンも搭載しています。
入出港など低速で細かい動きを必要とする時には、このエンジンを使って船を動かすんですね。
その操作室がここです。
中には計器類やらレーダーやら、なんやらさっぱり分からん機械がいっぱい。
数人であちこち分担しながら操船を行う仕組みなのでしょう。

これはコンパスです。
写真じゃ分かり辛いですが、ケースに密封されていて水に浮いてます。
これは水平状態を保つため。
海上では波にゆらゆら揺られますんで、船がどんな角度になってもコンパスが正確に機能するよう、こうして水に浮かべてあるのです。
真鍮の枠がカッコイ~ですわな~♪
キンキラキンの金色。
真鍮はサビに強いので、ここに限らず船内至る所で使われています。
一方鉄はどこもゴッテゴテにペンキ塗りされています。
これもサビ対策ですね。
鉄は潮風で簡単にサビちゃいますんで、上からごっそりペンキを厚塗りして塩分に触れないようにしてあるんですね。
船内を見る時はそんな所にも気を付けて見てみてください。

こちらはアンカー。
でっかいですよ~。
長さで3メートルくらいありましたかね?
重さは何と2.4トン。
この鉄の塊を海の中にどすんと落として船を固定するんですね。
そしてこの鬼重い鉄の塊を上げ下げする仕掛けがこのすぐ下にあります。

それがこのリール。
こいつで鎖をぐいぐい巻き取って持ち上げたり下ろしたりするのです。
鎖の太さがハンパないですわね。
キングコングでも繋ぐのかってくらいぶっとい鎖。
2.4トンもの重りを吊り上げるには、このくらいの太さが必要なんでしょうね。
ほとんど重戦車のような迫力です。

ちょっと横を見るとこんなものが張ってあります。
縦方向のワイヤーが「シュラウド」、横方向のロープが「ラットライン」。
マストへの上り下りは、基本このシュラウド&ラットラインにつかまって行います。
わたしサルなんでね。
こんなん見たらもー登りたくてしゃーなくなるのですわ、サルなので。
社会的常識を踏まえて、まあ我慢はしますけどね。
でも、あー登りたい。
登りたい。
登りたい。
そわそわそわそわそわそわそわ・・・・
ウキキーー!!

その憧れのマストです。
高いのさー、コレが!
なんたって海上高46メートルですからね。
高い!高い!
この上によじ登ってぐるっと周りを見渡したら、さぞかし気持ちいい~だろうな~~・・・。
登りたい。(←しつこい)

そのマストのすぐ下にこんなちょっとしたスペースがあります。
「ウェルデッキ」と呼ばれる場所です。
ここは憩いの場や共同作業場として使われていました。
洗濯なんかもここで行われ、土曜の午前になると全員で洗濯物を持ち寄ってざぶざぶと洗ったんだそうです。
朝から繰り広げられる男たちの壮絶な洗濯光景。
タライに洗濯物を浸して、洗濯板でゴシゴシゴシ。
んーーーー。
怖ぇーなー(笑)。

海王丸の船内を巡る旅、前半はここまで。
次回は船内部の様子を見て行きます。
中もね、色々な非日常があって面白いですよ。
食堂やキッチン、医療室や寝室、そして船の動力となる機関室など、見所いっぱい。
そして謎な恋の成就スポットも?
ひとつひとつ探っていきましょう!
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