
天神橋 昭和・明治・大正の橋が一度に楽しめる絶景にうなれ!
2020年07月18日

卯辰山(うたつやま)に向かって浅野川に渡された白い鉄橋があります。
天神橋です。
「橋」とひと口に言っても色々な形式がありまして、こちらはアーチ橋。
見たまんま、アーチによって構造を支えている橋ですね。
通路がこのアーチの上中下どこを通るかで、「上路式」「中路式」「下路式」とに区分されるのですが、この橋はご覧の通り下路式。
一番シルエットの美しいヤツです。

こちらは橋のたもとにある親柱。
いいですわな~この親柱。
ビシッ!と引かれた直線だけで構成された、アール・デコ風の幾何学的なデザイン。
石造りがどこかレトロチックで。
柱頭にはピンポイントのアクセントとなる、白い円筒の照明カバー。
これが夜になるとぽーっと光りましてね。
幻想的なのですわ♪

どーですか、このド太い鉄骨。
まるでクジラの頭を眺めているかのようなダイナミックさ。
もー豪快感ハンパない!
その鉄骨にビシビシと撃ち込まれたリベット。
この武骨さが、ま~タマラン!
我々リベットマニア(←誰?)には垂涎の光景。
ほっぺた当ててすりすりしたいくらいですわ♪

そしてこのビジュアル。
滑らかなカーブを描くアーチがぐんにゃりと伸び、その下に垂直の柱が規則的に立ち並ぶ。
曲線と直線が交錯したスタイリッシュな鉄骨紋様。
なんかね、ちょっとスフィンクスみたいにも見えません?このライン。
前にせり出す太い鉄骨がちょうど前脚みたいで。
今にもこちらに向かって「ガオォォォーー!」と吠え出しそう。
カッコええ~~~♪♪♪

下を覗くとこの橋、橋脚がありません。
でもなぜか脚台はあります。
一瞬、???
この橋、実は昭和28年に川が氾濫した際、流されています。
その時架けてあった橋の痕跡がこの脚台なんですね。
その2年後に現在の橋が架け直されたのですが、再び流される事のないよう、橋脚のない構造に改めたのです。
鉄骨がやたらゴツイのもそのためでしょう。

そして天神橋に来たらぜひ見て欲しいのがこの眺め。
場所的には上流側左岸の河原からの眺めになります。
つらつらっと続く3本の橋。
手前から順番に天神橋→梅ノ橋→浅野川大橋。
それぞれ昭和→明治→大正の趣を楽しめる三種三様の姿。
ちょっと画像じゃ伝わりにくいですが(本当に全然伝わってないですが)、生で見ると独特の空気なのですよ。
なんか時代の変遷をコマ送りで見ているような。
ああ、こうして人の営みは連綿と続いて来たんだなー、みたいな情緒がしみじみと感じられます。

白いアーチが美しい天神橋。
橋の造形を愛でるもヨシ。
下に降りて河原でくつろぐもヨシ。
カッコイイ鉄骨に抱き着くもヨシ。(←?)
さらっと通り過ぎるだけでなく、どうぞその楽しさをじっくりご堪能ください。