店主たみこの観光案内ブログ

東香山 大乗寺 仏殿&法堂 ◆ブサカワ系の仏像に思わずメロメロ♪

2020年06月03日

東香山 大乗寺の仏殿

 

金沢の山間部にたたずむ古刹、禅宗寺院大乗寺(だいじょうじ)。
前々回は黒門前回は赤門と、ここまで二つの門を見てきました。
今回はその先の仏殿と法堂(はっとう)の様子を見て行きます。

 

まず最初に目にするのが仏殿。
仏殿とはそのお寺のご本尊が祀られている場所で、非禅宗系のお寺では本堂と呼ばれます。

 

カッコイイのですよ、この建物が。
屋根は入母屋屋造りの大屋根。
両端をざっと反らせ、エッジをシャープに締める。
表面はこけら葺きで覆い、深く沈んだシブ~~~い茶色が枯淡の美を静かに放つ。

 

仏殿の軒下

 

この軒下もい~いじゃないですか♪

 

放射状にばっさりと広がる垂木(たるき)。
1本1本の色ムラが不規則ながら、配置の連続性は規則正しくて伸びやかで。
動的な臨場感でぐっと迫る。

 

そしてその直下に施された組み物。
組み物とは釘を使わず木と木の組み合わせだけで建物を支える構造なのですが、これがもうアート!
きっちりと構造計算し、形を決め、寸法を合わせ、正確に組み上げる事で生まれる美麗の極地。
職人技の結晶。

 

こんなん見れるから古いお寺って好きなのよ♪

 

大雄殿の扁額

 

正面上には大きな扁額(へんがく)。
緑の文字で『大雄殿(だいゆうでん)』としたためられています。
「大雄」とはお釈迦さまの事で、「殿」は当然建物の意味なので、この中にお釈迦さまがいらっしゃるという事になります。
つまり釈迦如来像があるんですね。

 

ちょっと覗いてみましょう。

 

仏殿内部

 

中央に鎮座する金色の仏像が釈迦如来。
印形(いんぎょう・手の組み方)は施無畏与願印(せむいよがんいん)、足は結跏趺坐(けっかふざ・足の組み方)にゆったりと組み。
後ろにはロウソクの炎のような形の後光がふんわりと立ち上り、画像じゃよく分からんですが、表面には化仏(けぶつ・小さな仏さま)がびっしり。

 

うわ、ご利益ありそうだ!(笑)

 

その左右に控える脇侍はちょっと不明。
遠くて詳細が確認できません。
何となく座っているのが岩座で左が鎧を着ているようにも見えるので、左が帝釈天(たいしゃくてん)で右が梵天(ぼんてん)ですかね?
これはお寺の人に聞いてみないと分かりません。

 

如意輪観音像

 

仏殿の左右は回廊になっておりどちらにも進めるのですが、左は突き当りで行き止まりになっています。
なのですが、この突き当りに行って欲しいのです。
するとこんなのと出会えます。
如意輪観音(にょいりんかんのん)像です。

 

如意輪観音なら手に如意宝玉(にょいほうじゅ)や宝輪(ほうりん)を持ってるケースが多いけど、この像はご覧の通り手ぶら。
ひょーっとしたら如意輪観音じゃないかもしれません。
間違ってたらごめんなさい。

 

ポーズが独特ですよね。
足を輪王座(りんのうざ)に組み、右手は頬の下にちょこんと置くちょっと変形の思惟手(しゆいしゅ)。
輪王座には仏の教えを伝える、思惟手にはどのように人々を救おうか思案しているという意味があります。
つまりどうやって教義を伝えればいいかな~?と思案している観音さまの姿を表しているんですね。

 

ふれあい合掌童子像

 

ここでくるっと折り返して、回廊の反対側へと行くと、1回目の突き当りにまたもや仏像があります。
いくつか置かれているのですが、その内のひとつがこちらの「ふれあい合掌童子」。
めっちゃほのぼ~の♪系。

 

像形は1本の木をくり抜いて作った一木造り。
ノミの跡を意識的に残したちょっと荒々しい造り。
そして頭のまーでっかいこと!でっかいこと!
このアンバランスなサイズにブサカワ系(←?)の顔が、妙な愛嬌を作ってまして、グサッとハートに刺さるのですわ。

 

これのちっちゃいレプリカ販売してたら、絶対買って帰っちゃうな(笑)。

 

金獅峰のオリジナルの扁額

 

その突き当りを左に折れ、真っすぐ進むと右手が庫裡(くり・お坊さんの生活スペース)になってまして、入口がこうなってます。
これ見てなんかピンと来ません?
そう、前々回の記事でチラッと見た黒門に掲げられてた「金獅峰」の扁額ですね。
あれと同じものがここにもあります。
ただこちらの方が明らかにボロボロ。

 

これ実は元々黒門に設置されていたものなのです。
でも痛みが激しくなったからでしょうね、役目を二代目(現在掲げられているもの)に譲り、今はここで隠居しています。
なので改めて見てみると、今黒門に掛かっている方の扁額はやけに木肌が新しいです。
その辺を気を付けて、帰りにでももう1回見てみてください。

 

法堂の内部

 

そのまま回廊を進むと、ゴールの法堂。
法堂とはその名の通り、お経を唱える場所です。
日々ここに修行僧たちがずらりと並んで読経を上げているのでしょう。

 

部屋奥中央、須弥壇の中には観音菩薩立像。
すらりとスリムなシェイプにゆったりとした天衣(てんえ)まとい、頭には宝冠(ほうかん)。
左手に何かを持っているように見えますが、遠過ぎて確認できません。
なんだろうな~~???

 

さらに須弥壇前の外陣空間。
これがまーゴージャスに仕立てられておりまして。
大きな天蓋(てんがい・天井から下がっている六角形のヤツ)を中央に下げ、その四方に幢幡(どうばん・同じく天井から下がってる長細いヤツ)をずらずらっとぶら下げ。
そのすべてがザ・ゴールド!

 

仏さまってこんな所に住んでるらしいです。
極楽浄土ってスゲぇーーー!!!(←?)

 

大乗寺の入口

 

以上、3回に渡って見てきた大乗寺。
面白さいっぱい!魅力いっぱい!
何度行っても心奪われる、神秘の仏教ワールドです。
仏教やお寺に興味ないよって人でも絶対損はしないので、ぜひ一度訪れてみてください。

 

なおこちらは先にも書いた通り、一般の人にも開かれた修行道場です。
座禅会や仏教講和など、色々な活動に精力的に取り組んでいます。
もっと仏教の実践的な世界に触れたい!って人は、一度お寺に相談してみるといいかもしれませんよ。

 

 

東香山 大乗寺

住所:石川県金沢市長坂町ル 10

TEL:076-241-2680

ホームページ:大乗寺公式サイト

 




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