店主たみこの観光案内ブログ

妙具山 全性寺 赤門 巨大な草鞋がぶら下がる門

2020年05月09日

妙具山 全性寺の赤門

 

卯辰山寺院群の中に、インパクト満点の門を備えたお寺があります。
別名赤門寺とも呼ばれる、全性寺(ぜんしょうじ)です。

 

門はご覧の通りの楼門形式。

下部を三間に分け、両脇に小部屋、中央に門口。
中段にはぐるりと高覧を巻き、その上に大きな金文字で「金剛閣」としたためられた扁額をどん!と備えつけています。
さらに天部には入母屋の大屋根、屋根瓦は重量感満点の黒瓦。

 

圧巻の迫力ですな。
も~クラクラですわ♪

 

仁王像

 

その山門の入口を強力に守護するのが左右に構える仁王像。
凄まじい霊威を噴き出しながら門の出入りを監視します。

 

左は口をへの字に閉じた吽像(うんぞう)。
五頭身の超デカ顔にぶっとい金の眉。
鍛え上げられた筋骨隆々の腕と脚は燃えるような力にあふれ。
四囲を残らずすくい上げるような大きな目で、前方をぎょろりと睨みつけます。

 

右は口を開けて白い歯をむき出した阿像(あぞう)。
左手に武器である金剛杵(こんごうしょ)を握り締め、右手は魔を抑えるべく手の平を下に伏せ、完全な臨戦態勢。
重心をやや左に置きながら、今にも飛びかかりそうな勢いで圧を放っています。

 

こぉ~りゃ悪いヤツぁ通れね~ぞ~(笑)。

 

門下の敷石

 

敷石は方形の布敷。
ご覧の通り石の形が統一されておらず、正方形だったり長方形だったり、大小の組み合わせだったりとバラバラ。
多分ありあわせの石を無駄なく調整・組み合わせながら作ったんでしょうね。

 

良く見ると門の直下だけやけに赤く染まってますが、これは門材に塗られていた塗料が雨で剥がれ落ちてしみ込んだため。
って事は、この門は昔はもっと真っ赤っかだった訳で。

きっと当時の迫力は、今とは段違いだった事でしょう。
んーーそっちの姿も見てみたい!!

 

腰回りに吊り下げられている草鞋

 

その門の腰回りにぐるりと吊るされているのは「草鞋(わらじ)」。
「履物=健康な足腰」を暗示し、病気平癒や健康長寿、健やかな子供の成長などの祈りが込められています。

 

面白いのがサイズで、やったらデカいんですわ。
最大のもので1メートルくらいあるんじゃないですかね?
いや~デカい足だ。
履ける人見てみたいわ(笑)。

 

赤門の二階部分

 

二階部分は完全にクローズされてて見えませんが、鐘楼(しょうろう)になっています。
要は中に鐘が吊るされてるんですね。
と言うか、吊るされて「いた」そうです。
でも太平洋戦争中に軍に接収され、今は残っていないのだとか。


残念ですな。
現在は主のいない、ガランとした空き部屋になっているのでしょう。

 

全性寺の赤門の裏側

 

最後にもうひとつ見て欲しいのが門の裏手。
よーーーく注意して見てください。
全体に表よりも色が赤くないですか?

 

実はこの門、一度修繕しています。
その時破損の激しかった前面の部材を取っ払い、裏側の部材を持ってきました。
そして空いた裏側には新たな部材を差し入れ、赤く塗り上げてあります。
なので表よりも裏の方が赤が強いんですね。
とは言えそれも20年程前の話なので、今じゃかなり色落ちしてますけどね。

 

全性寺の山門

 

卯辰山寺院群の中でもひときわ個性際立つ全性寺の赤門。
静かな小路の先に突然現れる立派な楼門は風格満点、思わず息を飲むほどの迫力です。
しばらくじーーっと眺めて。
そのカッコ良さに思いっ切り見惚れちゃってください!

 

 

妙具山 全性寺

住所:石川県金沢市東山 2-18-10

TEL:076-252-8404

ホームページ:全性寺公式サイト

 




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