
気多大社 神門
2020年05月02日

能登の国一之宮と称される気多大社(けたたいしゃ)。
連日多くの参拝者や観光客で賑わっています。
その境内の入口にあるのがこの神門。
神域の結界を守るべくででーん!と建っています。

まずアプローチからわくわくさせますわな。
神社正面の大鳥居を抜け、すっと伸びる参道。
下には玉砂利が敷かれ、左に木立、右に社務所。
その奥にずんと口を開けて待っている大門。
もうなんかね、ここに立った時点で吸い込まれそうになるんですわ。
門から立ち上る独特の重々しさと言うか、威厳と言うか。
「さあここへ来なさい」的なエネルギーがぐいぐいとこちらを引っ張り込む。
この神門。
絶対ナンかいるよ~!(←何が?)

で、どーん!と待ち構えている門。
遠くから見てもそうだけど、近くで見るとなお一層の迫力。
見てるだけで圧が来る!来る!
中央の注連縄がいきなりごついですわな。
形状は左右が細く中央が太い大根注連(だいこんしめ)。
その下に紙と藁の〆の子がぶらりと垂れ下がり、この先に続く聖域を霊的に守護する。
悪鬼も邪も退ける、大いなるザ・心霊パワー!!

建物の仕立てがまたカッコイイのですよ!
軒の下ににゅっと伸びる垂木(たるき)。
きれいに反りが揃い、木材ゆえ1本1本微妙に色合いや趣に違いがあって。
その下にはガッチリとはめ込まれた組み物。
クギを使わず、溝と溝との合体だけで構造を支えています。
所々色合いが違うのは修繕の跡。
400年くらい経ってますんでね、やっぱりどっかこっか傷んだり腐ったりするのですよ。
で、その都度部分的に部材の入れ替えが行われるので、こんな感じでモザイク状になっちゃうんですね。

門扉もいいですな~。
両開き・内開き。
面積がしっかりとあるから、どし~んと重みがあって。
色は長年の雨風で褪せまくって、シブ~いグレーに染まってて。
装飾として中央に漆黒の饅頭金物が4点、門柱との結合部にかぎ爪を横に伸ばしたような八双金物が上下2点。
シンプルだけど。
味がありますわ~♪

屋根の反りもイケてますわな。
奥から手前に向けた伸びやかな反り。
さらに左右にも強い反りを入れて、生き生きとしたラインを描く。
屋根材は檜皮葺(ひわだぶき)。
よく神社で見る銅板葺きの金属屋根と違い自然素材なので見た目に温かく、そして豪壮。
どこか「生命」を感じさせる、宗教の場らしい静謐な空気感。
屋根の頂を支える大棟も存在感抜群。
重い瓦でガッチリと覆い込み、両脇に屈強な鬼瓦を備え。
そして上部にはチョンマゲのような突起、鳥衾(とりぶすま)がすっと突き出す。
文字通り威風堂々!

上の眺めをひとしきり楽しんだら次は下も面白い。
階段の敷石。
色が違うでしょ?
両脇は白、昇降部は緑色をしてます。
これ緑色凝灰岩ですね。
凝灰岩ってのは「灰」が「凝縮」した「岩」、つまり大昔の火山灰が押し固められて石化したものです。
それにマグマとかの熱が加わると変性を起こし、緑色になるんだとか。
この石は多孔質なので水を吸収して滑りにくいという特徴があり、それゆえこのように階段の踏み石としてよく使われます。
まあその辺の石のウンチクはどうでもいいですが、凝ってますわな、こうやってわざわざ二色の石を使って階段を組み上げるなんて。
レッドカーペットならぬグリーンカーペットとでも言うか。
建物だけでなく、全体を含めたビジュアルにまで徹底してこだわる、かつての大工さんの職人気質みたいなものを感じます。

気多大社のエントランスを飾る荘厳なる神門。
素敵ですわよ♪
どうかさらりと素通りしないで、じ~っくり眺めて、その素晴らしい構造を存分にお楽しみください。
見れば見るほど。
シビレますゼ~!

なお門の直下では屋根の檜皮葺のお布施台が用意されています。
お布施を入れて、用意してある檜皮に自分の名前を書いて収めておくと、後に屋根の葺き替えの際にその檜皮を使うんだそうです。
自分の名前が書かれた檜皮がこの門の屋根に葺かれてこの先ずっと残るんだ~なんて考えると、なんかちょっとロマンじゃないですか?
興味があったら1枚どうぞ!
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