
鳳栄山 本光寺 彫刻がチョーかっちょえー!!(喜)
2020年04月25日

卯辰山寺院群の一角に、山門で有名なお寺があります。
本光寺(ほんこうじ)です。
宗派は法華経。
元々はお隣の富山県にあったお寺ですが、加賀藩二代目藩主の前田利長(まえだ としなが)との縁により、この地へ移ってきたそうです。
現在地に堂宇を構えたのは1650年、三代目藩主利常(としつね)の頃でした。

エントランスからいきなり強烈!
長い階段がざーーっと続きます。
見た瞬間、登るの面倒臭いからやめよーかなー、みたいな(笑)。
ここ卯辰山寺院群はその名の通り卯辰山のふもとに広がる寺院エリアです。
なので当然全体が傾斜地となっており、アップダウンが激しく、このような高台にあるお寺も珍しくありません。
ってコトで、諦めて登ってください。(←!)

その長~い坂道を登るとまず最初に目にするのがこの山門。
タイプとしては薬医門(やくいもん)になります。
薬医門とは正面に主となる鏡柱を2本立て、その後ろに控え柱を2本、屋根には切妻屋根を備えた門の事です。
門の格式としては上級クラスになります。
サイズ自体は特段大きなものではありませんが、それでも風格は立派。
屋根が大振りなせいかずしーっと重みがあって、木材がい~い具合に古びて褐色化してて。
決して装飾的ではないけれど、それが逆にシブみに繋がってて、まーカッコイイ!

軒下は船底天井になっており、ご覧の通りシンプル。
ポイントポイントに雲形文様が施されている程度。
通常ガチガチに装飾されがちな冠木も、素っ気ないくらいに無模様。
まー不愛想です。
とは言え、これはお寺の門。
そもそも飾り立てる必要自体ないんですどね。

ここでちょっと鏡柱の位置に注目。
一般的な薬医門なら屋根下中央に立てるのがセオリーなのですが、この柱はなぜか前側に寄せられています。
なぜか?
これ多分雪対策ですね。
こうすることで控え柱も屋根の下に組み込み、雪の荷重に対する強度を上げたのです。
温暖化現象で暖冬続きの現代と違い、江戸時代はバリバリの雪国だった北陸。
雪に対する備えは今以上に深刻だったことでしょう。

その山門をくぐると、目に飛び込んで来るのが五輪塔(ごりんとう)。
五輪塔とは仏舎利、つまり釈迦の遺骨を納める塔で、お墓に供えられる卒塔婆(そとば)やお寺でよく見かける三重塔や五重塔なんかも、実は全て同じルーツから来ています。
五輪塔の形式はほぼ固定化されており、下から順に地・水・火・風・空を表現しています。
形はそれぞれ正方形、球形、屋根型三角、半円、宝珠になっており、全国どこの五輪塔を見てもほぼこの形を踏襲しています。
サイズ的には中規模くらいですかね。
小さいものはもっと小さいですし、デカいものは人の背丈を軽く超えるくらいデカいです。
見た感じかなりくたびれてますので、当然古いものでしょう。
江戸時代からずっとここにあるのかもしれません。

左手を見ると鐘楼(しょうろう)。
基礎は石垣、上物は柱と屋根で構成した吹き放し鐘楼になっています。
この鐘楼も山門同様、屋根の立派さが目立ちますね。
下部に対して過剰なほどに大きく、軒がばっさりとはみ出しています。
これも多分雪対策として、なるべく降った雪を足元に落とさないための工夫でしょう。
瓦は重厚感満点の黒瓦。
大棟の端点には大きな鬼瓦がどっかーんと据えられ、魔を払うべくぎりっと威を放っています。

そして奥にそびえるのが本堂。
屋根は本を伏せてばさっとかぶせたような切妻屋根、ほんのり反りが入り、中央の入口上には唐破風屋根がどかっと乗っかっています。
この唐破風がなんかやたらデカくて、大屋根と比較してもアンバランスなくらいの大きさ。
さらにこの唐破風上に乗っかっている鬼瓦もデカく、圧が強烈!
そのせいですかね、正面から眺めた時のマスクがなんとも精悍で、すさまじくエネルギッシュ。
どーん!と押し迫るようなビジュアルです。

そしてこの唐破風上の装飾がまー見事でして。
山門シンプル→鐘楼シンプル、と来たのに、ここの装飾だけ突如凝りに凝るのですよ。
軒下には2頭の龍。
もうもうと立ち込める雲間に、ダイナミックにうね回る。
まるで今にも飛び出してきそうなくらいの臨場感。
その直下には小紋の文様を施した細い虹梁を置き、その下の肘木(ひじき)と蟇股(かえるまた)にも精緻な彫刻。
さらにその下にある太い虹梁にはほんのりカーブを施し、左右には浄土を表す幽玄な雲形文様。
イカシますわ~♪
寺全体がこの熱度で装飾されてれば、もっともっとエキサイティングなお寺になるんですけどね。
って言うか逆に言えば、なんでこの一角だけここまでゴテゴテに作り込んであるのか?
激しく謎です。

シンプルだけど、細かく見て行くとキランと光るものを所々に発見できる本光寺。
訪問の際には、どうか宝物でも探しに行くような感覚でお越しください。
なかなかに見てて飽きない所ですよ!

あっと、そうそう。
先に出てきた五輪塔の足元にこんなものが置かれています。
鬼瓦。
恐らく瓦の葺き替えの際、外したものでしょう。
鬼瓦なんて普段は高所にあって、間近で見られることはまずないですからね。
折角なので、じーーーと観察してみてください。
心を込めて手を合わせれば、あなたに憑いている悪い鬼を払ってくれるかもしれませんよ!
鳳栄山 本光寺
住所:石川県金沢市東山 2-19-43
TEL:076-251-0581
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