
兼六園 熊谷桜 この桜のピンク色が濃い理由
2020年04月15日

兼六園のほぼ中央、千歳橋のたもとに枝ぶりの見事な大桜の樹があります。
熊谷桜です。
樹齢はどれくらいですかね?
サイズがサイズなので100年以上は経ってると思うのですが。
そもそもこの桜、水戸藩からの贈り物だそうなので、少なくとも江戸時代からは生えてるはず。
そうすると最低でも150年強。
かなりのおじいちゃんです。

見て欲しいのが花の色。
明らかに周りの桜と色が違いますよね。
ピンクが濃いめ。
これは品種の違いから来ます。
周りの淡いピンクはご存知ソメイヨシノ。
それに対してこの熊谷桜はヤマザクラ。
開花時期も1週間ほど違い、ソメイヨシノより遅れて咲きます。

アップで見ると、こんな感じ。
八重桜みたいにゴテゴテしてない、シンプルな単弁です。
でも色は燃えるように熱いピンクで、どこか情熱的。
ソメイヨシノが淡い分、ピンポイントで浮かぶこのショッキングなピンクがまー目立つのですわ。
ただその分派手過ぎて、ちょっと好き嫌いは分かれるかも?
色合い控えめ、大和撫子的なソメイヨシノを好むか。
それとも自己アピール強め、イケイケゴーゴーなヤマザクラを好むか。
そこはまあ見た人の好みですな。

正面を楽しんだら、ちょっと横に回って見てください。
どうです?
なんか妙ぉ~~に傾いてて変じゃないですか?
これは別にたまたまこんな風に育った訳じゃありません。
庭師の人がせっせと剪定した結果、こうなったのです。
桜ってのは放っておいたらどんどん枝が横に伸びます。
これをそのままにしておくと通行の邪魔になるので、人の通る正面側はバシバシ切り落としたんですね。
一方で裏側は人の往来はないので、ほぼそのまま放置。
その結果アッチとコッチとで枝の張りに差が出て、こんな傾いたような形になったのです。

なのでよーく見ると、枝の伸びてる側は下につっかえ棒が差してあります。
あまりに枝が伸びすぎて、下から支えないと自重で折れちゃうんですね。
人も桜も、トシを取ると大変ですな。
これじゃ完全に杖突いて歩くおじいちゃんですわ(笑)。

兼六園の熊谷桜。
派手めのピンクが好きな方は、足を止めてぜひじっくりご鑑賞を。
樹自体はおじいちゃんですが、花から湧き出るエネルギーは生命感いっぱいですよ!
なお兼六園では桜の開花期に合わせて無料開放を行っています。
今年はもう終わりましたが、通常1週間程度、期間中は屋台なんかがいっぱい並んでめちゃめちゃ賑わいます。
さらに夜間はライトアップも行われ、この時しか見れない幻想的なイリュージョンが楽しめます。
兼六園の桜を昼も夜も思いっ切り堪能したい!って人は、そんなタイミングを狙って訪れるのもいいですよ。
関連タグ >> 兼六園 庭園
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