武家屋敷跡 野村家(佛間~鬼川文庫) 野村家の貴重な財宝がズラ~リ
2020年04月01日
江戸時代、加賀藩の中級武士として活躍した野村家。
その屋敷が今も長町武家屋敷跡の一角に残っています。
前回までにその野村家屋敷をエントランス~上段の間まで、3回に渡って見てきました。
今回は佛間と鬼川文庫のお話です。
まずは佛間から。
中央にどどん!とあるのが仏壇。
身長ほどもある大きな宮殿に収められています。
真ん中には蓮華座に座った小さな仏さま。
釈迦如来ですかね?
左右のスペースには脇侍ではなくお札が貼られています。
この仏壇、結構色がくすんでまして。
初めからこの部屋に置かれていたものか、後から組み入れられたものかは不明ですが、これ自体かなり年期のあるもののようです。
漆と金箔、そして彫刻の細工で飾られた立派な造りになっています。
その左には折れ屏風。
太く力強い書がしたためられています。
下にある説明書きには大聖寺藩の山口梅園が書いたっぽいことが記載されていますが、でもよく読むとそれはこの部屋の襖絵の話。
この屏風の字を書いたとはどこにも書いてない。
結局この書は誰の筆によるものなんですかね?
反対の右側には掛け軸。
こちらは中国風の版画。
右上に「玄奘法師(げんじょうほうし)」と書いてあるので、玄奘法師その人のようです。
玄奘法師とは唐代の僧侶で、西遊記の物語では三蔵法師の名前で登場する、あのお坊さんです。
背中にたくさんの経典を背負い、左手にも経典を1本握り、右手には仏具の払子(ほっす)を持っています。
恐らくインドでの修行を終え、貴重な経典や仏像を持ち帰る様子を描いているのでしょう。
その佛間を出ると左手にあるのが鬼川文庫。
元々土蔵だったものを改装したものです。
今は屋敷と繋がってますが、元々は別棟だったものを接続してあります。
建物の構造は蔵そのまんま。
外壁の腰部分に石板を貼り付け、その上は総白漆喰。
柱も梁もぶっとい木材でがっしりと組み上げ、地震・火事に備えた頑強な造りになっています。
この蔵がまだ蔵として使われていた頃。
一体どんなお宝が眠っていたんでしょうね?
中はご覧の通り展示室となっています。
展示されているのは刀剣や、江戸時代の銭、工芸品、文書など。
刀剣は今人気ありますんでね。
ソッチ系のマニアにはものすごく喰いつき所じゃないでしょうか?
例えばこちら。
刀は「加州住藤原信忠(かしゅうじゅう ふじわらのぶさだ)、脇差は河内守祐定(かわちのかみ すけさだ)。
見事ですよね~。
ぬらりと滑らかな刃文(はもん)に鉄特有の寒々しい光沢を放ち、切れ込むような反りがすらっと走る。
ああ・・・切られたい・・・。
いやいやいや、切られたくない!(笑)
あとこれなんかも面白い。
「本朝住古沿革図説(ほんちょうおうこえんかくずせつ)」。
説明書きによると、1823年に書かれたものとの事。
伊能忠敬(いのう ただたか)によって日本初の正確な日本全図が完成したのが1821年なので、その2年後ですね。
恐らくその伊能図をベースにして作られたものなのでしょう。
全体にややずんぐりしているものの、概ね現在の日本地図と変わらない形。
江戸時代の人はこんな地図を眺めながら、むむーー次はどこへ旅行に行こう?とか考えてたんですかね?
そんな時代じゃない?(笑)
野村家の佛間と鬼川文庫。
どちらも江戸時代の文化や息遣いみたいなものを感じさせてくれる興味深い場所です。
訪問の際にはひとつひとつ、丹念に追いかけてみてください。
次回はいよいよ野村家ネタ最終回。
茶室について見て行きます。
ここの茶室がまた凝ってましてね~。
わたし野村家ではこの茶室が一番気に入ってます。
どこがどう素晴らしいのか?
追って詳しく見て行きます。
関連タグ >> 古民家 古建築 長町武家屋敷跡 武家屋敷跡 野村家
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