店主たみこの観光案内ブログ

西田幾多郎記念哲学館(セミナーホール編) 高台からの眺めが気持ちいい~♪

2020年03月11日

西田幾多郎胸像

 

西田幾多郎記念哲学館。
この建物は有料で入れる「ミュージアム」部分と、無料で入れる「セミナーホール」部分のふたつで構成されています。
前回はミュージアム部分の紹介でした。
今回はセミナーホールの方をお話しします。

 

ホワイエ

 

入口受付を左側に進むと、大きな開口部があります。
中央にはなんやら意味ありげな円状の空間。
ここがセミナーホールの目玉となる「ホワイエ」です。

 

「ホワイエ」=「foyer」、フランス語で劇場前の客だまりとか広場とかいう意味になります。
何でフランス語なの?とか余計なツッコミを入れてはいけません。
ここは「ホワイエ」なのです!(と強引に力でまとめる)

 

実際、この先に劇場があります。
席数303席、小規模ながらも講演なんかができるホールが設置されています。
たまにイベントなんかで使われているそうです。
普段は閉まってますけどね。

 

ホワイエを上から

 

で、話をホワイエに戻しますが、ここがインパクト強烈なのですよ。
なんじゃコリャーー???みたいな。

 

底面は地下1階。
2ヵ所の出入り口で切り取られたシンプルな正円の中に、すっと伸びる壁。
白。
真っ白。
上方は吹き抜けになっており、天窓からは外の光がさんさんと降り注ぐ。

 

天井の丸窓

 

この窓、どこかで見覚えありませんか?
そう、「エントランス編」でチラッと触れたあの丸い窓です。
意味もなく階段を登らされて、その終端で目にした大きな丸窓。
あれがここに繋がっているのです。

 

これも「哲学」なんですよ。
あの時たどった無駄な道のりが、回り回って、気が付いたら今の自分に繋がっている。
あっ!と思えるその瞬間。
そんな不思議な過去と未来との結節を、この丸窓は表現しているのです。

 

うーん、深いゼ哲学!

 

ホワイエの円形空間

 

さらに部屋の形。
円です。
きれ~~~なマル。
これにもちゃんと意味があります。

 

西田幾多郎記念哲学館のミュージアムスペース

 

ちょっと話を戻して前回の「ミュージアム」部分。
あの場所、やたらめったら直線だらけで構成されています。
柱は真っすぐ、壁は平面、部屋は四角形、通路角はすべて直角。
ひたすら直線!直線!直線!
最終地点の「空の庭」に至っては、カッチカチの正方形。
丸み一切ナシ!
そんな世界でした。
なぜか?
それは学習スペースだったから。
あそこは「西田幾多郎について知る・学ぶ」、つまり社会で言えば学校みたいな場所です。
だから意識的に堅苦しい直線と四角形で組み上げられていたのです。

 

丸い構造のセミナーホール

 

しかしその学習空間を抜けてセミナーホールに進むと、そこから先は自己研鑽の世界。
つまり基礎を終えて、いよいよ自分の思考を発展させる段階へと入るのです。
だから四角形という型にはまった枠ではなく、自由に自己を展開できる形、つまり「曲線」で空間を形作っているのです。
まあ義務教育を終えて卒業して、そこから先は自分の好きなようにやってくんですよ、って感じですね。

 

だから何ていうかね、楽ですよ空気が。
さっきまでの緊張感がきれいにどこかにスッ飛んで。
ああ~自由だ~、みたいな。

 

下から上への広がり

 

壁もそんな意図を象徴してます。
よーく見てください。
下から上に向かって徐々に広がっているのが分かりますか?
この広がりは発展を意味しているのです。

 

小さな円から大きな円へ。
上に向かってどんどん自己を昇華させていく。
そんなプロセスが、この部屋の壁に表されているのです。

 

西田幾多郎記念哲学館の図書館

 

さらにそのホワイエのすぐ側には、学習のための図書室もあります。
蔵書数9,000冊、哲学に特化したものばかりが揃えられています。

 

ここまでで哲学に興味が出た人、ちょっと哲学かじってみようかな~なんて思った人。
とりあえず気に入った本を一冊手に取ってみてください。
ここからあなたの哲学人生が始まるかもしれません!

 

西田幾多郎記念哲学館展望台内部

 

さらにその図書館の手前、右側のホールにエレベーターが設置されています。
このエレベーターで5階まで昇ると、展望ラウンジに出られます。

 

ここからの眺めがね、い~いんですよ♪
まあ大したもの見えないんだけどね、山とか海とか地面とか道路とか、そんなモン。
だけど見通しの良さと(晴れてれば)空の青さがメッチャメチャ爽快。
気ん持ちい~いですよ~!

 

椅子もいっぱい用意されてますので。
ここはぜひの~んびり休憩してってください。

 

建物外観

 

長々と3回に渡って紹介してきた西田幾多郎記念哲学館。
至る所に散りばめられた哲学への入口と世界観。
「哲学」を意識しながら訪問すると、本当~に楽しいですよ!

 

え?西田幾多郎哲学についての話が全然出なかったじゃないかって?
建物の話ばっかだったじゃないか!って?
いやだってわたし、哲学全然分からんしー!!!(←?)

 

でもね、建物だけでも十分訪問の価値アリ。
ここ本当にカッコイイですから。
ぜひ自分の足で実際に現場に来て、見て、「哲学」と「建築」のミステリアスな融合アートを楽しんでってください!

 

 

石川県西田幾多郎記念哲学館

住所:石川県かほく市内日角 1

TEL:076-283-6600

ホームページ:石川県西田幾多郎記念哲学館公式サイト

 




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関連タグ >> 美術館・博物館 近代建築 西田幾多郎記念哲学館 

 


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