西田幾多郎記念哲学館(アプローチ編) 安藤忠雄設計のビューティフル建築に酔え
2020年03月04日
西田幾多郎(にしだ きたろう)ってご存知ですかね?
明治3年、ここ石川県で生まれた哲学者です。
全国的にはマイナーですが、地元では「加賀の三太郎」と呼ばれ、まあまあ(←?)有名です。
(※残り二人の太郎は鈴木大拙(すずき だいせつ)本名:貞太郎(ていたろう)と藤岡作太郎(ふじおか さくたろう))
そんな西田幾多郎を顕彰した施設が、かほく市にある西田幾多郎記念哲学館です。
ここがね、もーい~いんですわ♪
え?哲学分からん?
難しい?
興味ない?
大丈夫です。
ここ、建物が素晴らしいんです。
哲学が分からなくても、建物だけで十分楽しめます。
わたしも哲学全然分からんしーー!!(←え゛っ!)
建物の設計は安藤忠雄(あんどう ただお)。
これまた知らん人多いでしょうが、業界では超有名な建築家さんです。
代表作は「住吉の長屋」「21_21 DESIGN SIGHT(トゥーワン・トゥーワン・デザイン・サイト)」「近つ飛鳥博物館」などなど。
打ちっぱなしのコンクリート壁と自然との調和が大きな特徴なんだそうで。
で、ここの哲学館の場合はどんなコンセプトで設計されたのかというと、そのまんまズバリ「哲学」。
それと気付かない内にいつの間にか哲学の世界へと引き込まれる仕掛けが、至る所に組み込まれています。
ひとつひとつ見て行きましょう!
まずはアプローチ。
面倒臭くなければ(面倒臭くても)、一番遠い駐車場に車を停めてください。
そしてそこから本館までテクテク歩いてください。
このルートは「思索の道」と呼ばれる、まあ哲学の世界への導入口。
5分程かけてゆっくりと歩き、ここから哲学の「迷い」へと入っていきます。
実際歩くと分かるんですが、道筋が無駄に折れ曲がっています。
えーい真っすぐ一直線に繋げよ!とツッコミ入れたくなりますが、それ違うんですね。
これわざと。
ここでいきなり哲学の「迷い」を体験するわけです。
哲学とは「迷い」「立ち止まり」「考え」「進み」そしてまた「迷う」、これを繰り返す学問。
人生、時には回り道も必要、そんな事をこの道は教えてくれているのです。
面倒臭いけどね(笑)。
そしてエントランス。
どーん!と階段が続きます。
ここは「階段庭園」と呼ばれるゾーン。
つまりここは階段であり、エントランスであり、庭園なんですね。
そしてその階段の頂点にそびえるのが、いよいよ目指す西田幾多郎記念哲学館の本体。
ぐっと見上げる先にキラキラ光るガラスの立方体は、まー素敵ですよ!
当然訪問者はこの立派な建物に向かって登って行くわけですが、しかしその先にまさかのトラップが!
なんと階段の先の建物には入口がないのです。
右見ても左見てもありません。
完全なドン詰まり。
じゃあ入口どこなのよ?と言うと。
ココです、ココ。
実は途中で右っかわにコッソリ入口へと通じる抜け道があったのです。
でもこれじゃ100人中100人、まず間違いなく気付かずにそのままスルーしちゃいます。
なぜわざわざこんな意地悪なことをするのか?
それは迷わせるため。
ここでも哲学の迷いを体験させているのです。
「目指す先にすんなり答え(ゴール)があるとは限らない。それはほんの横道にあることもある。そんな隠れた道を探求するのが哲学。」
と、こんなことを言いたかったのでしょう。
・・・多分ね。
あーっと、そうそう。
この意地悪階段、わざわざ頂上まで登らせてそれで終わりってわけではありません。
ここに1本伏線が用意されています。
それはこの丸窓。
コイツと後で再び出会う事になります。
なのでここに大きな丸窓がある、まずこれを頭に置いといてください。
わざわざ登った階段をわざわざちょびっと降り直して、右にある抜け道を通ると、いよいよ哲学館への正式な入口。
やっと館内に入れます。
と、今回はここまで。
まだまだ長くなるので、館内編は次回改めてレポートします。
館内もね、楽しいですよー。
哲学の心臓部へ。
ゴーーーー!!!
関連タグ >> 美術館・博物館 近代建築 西田幾多郎記念哲学館
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