店主たみこの観光案内ブログ

中村神社 かつて金沢城の能舞台だった拝殿がカッコエー!!

2020年02月12日

中村神社

 

犀川大橋をちょっと下った先に小さな神社があります。
中村神社です。

 

城下町金沢の歴史遺産

 

由緒書きによると1602年、本尊として薬師如来を安置したとあるので、元々はお寺だったんですかね?
でも神社のリーフレットによると平成21年に鎮座1100年となっているので、そうすると909年が起源となり。
元々神社としてスタートして、そこに仏教が入り込み、明治の神仏分離令で再び神道に立ち返ったのかもしれません。
神社が先か?お寺が先か?
ちょっとその辺、経歴がもうひとつはっきりしません。

 

中村神社入口の鳥居

 

エントランスは二重鳥居となっており、一の鳥居と二の鳥居を抜けた先に拝殿があります。
この拝殿こそが中村神社最大の見所。
建造物保護のためアルミサッシに覆われていますが出入りは自由、どうぞビビらず扉を開けて中に入って下さい。

 

中村神社の拝殿内部

 

中が立派なのですわ。
建物の外観からは全くイメージできない豪壮なインテリア。

 

というのもこの拝殿、元々は金沢城にあった能舞台のリユースなのです。
かつてこの舞台では、加賀藩の藩主が自ら能を舞った事もあったんだとか。
そりゃ豪華なはずですわな!

 

でもなんでその能舞台が今ここで神社の拝殿になってるのかと言うと、ちょっと込み入った経緯があります。
順を追って説明します。

 

能舞台の変遷

 

時代は明治、廃藩置県で加賀藩という組織が消滅してしまいました。
それはつまり金沢城の主がいなくなったことを意味します。
そんな折、明治維新の越後戦争で命を落とした英霊を弔う招魂社を建てようという事になり、その社殿として使われなくなった金沢城の能舞台が移築・転用されたのです。
しかしその招魂社が昭和10年に移転(現在の石川護国神社)してしまい、社殿は置き去りにされました。
そのまま30年もの間放置状態が続いた後、中村神社の拝殿建て替えの話が出て。
新築するくらいなら使ってない社殿があるから引っ張ってきて転用しよう、となったのです。
そしてできたのが現在の拝殿です。

 

まあこんな経緯なので、よく見るとこの拝殿ものすごーく傷んでます。
なんたって30年も放置されてた建物ですからね。
そりゃ傷みますわ。

 

拝殿の天井

 

特に露骨なのが天井。
一見格式高い折り上げ格天井で、彩色も派手で迫力ありますが。
明らかに雨漏りが原因と思われるシミがあちこちに散見され、色あせや色剥げも顕著。
疲労感ハンパない。

 

もっと大切に保管されていれば現役当時の輝きが今も見れただろうに。
残念!

 

拝殿の龍の欄間

 

彩色豊かな折り上げ格天井と共に目を引くのが龍の欄間。
雲間に轟轟とうねり、力強い眼光でこちらをねめつけてきます。

 

この彫刻の作者は武田夕月(たけだ ゆうげつ)。
加賀藩が誇る名工で、成巽閣(せいそんかく)の謁見の間や松風閣(しょうふうかく)の御対面所の欄間もこの人の作です。
迫るような龍の威風は見事の一言!

 

ちなみにこの龍、火除けの龍と呼ばれています。
明治14年、金沢城で火災が起きたのですが、その時能舞台は既に移築された後だったため幸いにも無傷で済み。
これはきっと龍が火から守ってくれたんだ、と伝えられているからです。

 

そう思って眺めてみると、この龍。
んーーーー神通力強そう!!

 

獅子頭

 

加賀藩と浅からぬ因縁のある中村神社。
拝殿以外にも獅子頭や扁額、古画など、レトロマニアには垂涎の品々が多数置かれています。
まるでひとつの宝物庫!
どこに喰いつくかはアナタ次第、ご訪問の際にはどうか腰を下ろしてゆっくりとご観覧ください。

 

 

中村神社

住所:石川県金沢市中村町 16-1

TEL:076-241-0668

 




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