
大野湊神社
2019年03月30日

金沢港のすぐそば、金沢西警察署の裏手に小さな神社があります。
大野湊神社です。
社伝によれば起源は727年と言うのですから、まだ奈良時代。
古事記とか日本書紀なんかをエッサエッサと書いてた頃です。
もうちょっと分かりやすく言えば「おおむかし」という事です。(←分かりやす過ぎ、笑)
元々はもっと海寄りにあったそうですが、1252年に火災に遭い、今の場所へと移転。
その後、朝廷や武家から手厚い庇護を受け続けてきました。
しかし中世に入り事態は一転。
加賀一向一揆に巻き込まれ、社殿の大部分を失ってしまいます。
当時の荒廃ぶりはそれはそれはすさまじかったそうで。
でも神様は見捨てません、神社だけに。(←?)
ここにひとりの救世主が登場。
前田利家です。
新しく加賀の地に赴任してきた利家は、神社のあまりの惨状に驚愕し、社殿の再建を指示します。
まさに鶴の一声ですな。
これにより見事な復活を遂げ、以降は近隣一体の総社として大いに信仰を集める場となったのです。
そんな加賀藩とゆかりの深い大野湊神社ですが、気になるのはご利益。
「安産祈願」とか「商売繁盛」とか、どんな神社にもそれぞれ得意分野がある訳で。
この神社の場合は何なの?と言うと。
ズバリ『導き』。
この神社には猿田彦大神(さるたひこのかみ)、護國八幡大神(ごこくやはたのかみ)、天照大御神(あまてらすおおみかみ)の三柱の神が祀られており、中でも猿田彦大神は創祀の起源ともなった神様。
その猿田彦大神の神力が「導き」なのです。
なので大野湊神社は「導きの神社」として知られています。
じゃあそもそもなんで猿田彦大神が祀られたの?というと、そこにもちゃんと意味があって。
この神社、元々は航海の安全を願って建てられたものなのです。
「導き」→「安全な航路へと引っ張ってってもらう」という図式ですね。
かつてはもっと海寄りにあったというのも、そういう理由によります。
それが転じて現在では「厄除け」や「交通安全」果ては「人生の道案内」のご利益が得られると信じられているのです。
うん、いいね。
わたしのぐにゃぐにゃ人生もまっすぐに直してもらえるかな?(笑)
そしてもうひとつ。
ちょっと注目して欲しいものがあります。
多分ほとんどの人が気付かずにスルーしちゃうもの。
それは境内、拝殿のド真ん前にあります。
分かる?分かる?分かる?
右と左に一体ずつあるのですが。
分かる?
すごーく面白いものがあるのですが、分かる?
そう、狛犬です。
この狛犬、よーく見るとちょっと変わってます。
どこが変わってるのかって、そのポーズ。
なんと逆立ちしてます。
世にも珍しい「逆立ち狛犬」なのです。
ここだけじゃありません。
拝殿の左側に末社があるのですが、ここにも逆立ち狛犬が一対。
つまりこの神社、逆立ち狛犬が合計4体もあるのです。
なかなかないですよー、逆立ち狛犬を4体も保持してる神社。
逆立ち狛犬自体がめちゃめちゃレアですからね。
人生に迷う人、なんらかの導きを求める人、そしてこれから社会の大海原へと旅立とうという人。
ぜひ大野湊神社までお越しください。
猿田彦大神がきっとあなたの進むべき正しい道を指し示してくれるでしょう。
4体の狛犬も。
ぴょんぴょん逆立ちしながら待ってますヨ!
大野湊神社
住所:石川県金沢市寺中町ハ 163
TEL:076-267-0522
関連タグ >> 神社 逆立ち狛犬
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