店主たみこの観光案内日記

兼六園 竹根石手水鉢

2019年02月23日

兼六園 竹根石手水鉢

 

しいのき迎賓館や金沢市役所側にある真弓坂口から兼六園に入ると、すぐ先に池が見えてきます。
その池の北側に夕顔亭という建物があり、前庭にさり気な~く不格好な石が置かれています。
その石が今回紹介する竹根石手水鉢(たけねいしちょうずばち)。


直径42cm、高さ65cm、まあそんなに大きいものではありません。
腰を掛けるのに(←!)丁度いいサイズ。
中央はくぼんでおり、ここに水が溜まるようになっています。
この形状がちょうど竹に似ていることから、ずっと竹の化石であると考えられていました。
なので付いた名前が「竹根石」。

 

とは言えあるんですかね、幹の直径が42cmもある竹?
わたしの感覚では、竹の太さって太くてもせいぜい20cm程度のイメージなんですが。
実際この「竹説」はかなり怪しく、江戸時代の豪商銭屋五兵衛(ぜにやごへえ)が持ち込んで藩に献上したものと伝えられていたそうです。
五兵衛は海運業で成り上がった人物で、幕府に内緒で海外との密貿易もやっていたとか。
そんな彼が持ち込んだと言われると、国内・国外どこから持ってきたのか完全に出所不明となり。
ああ、広い世の中にはそんなものもあるのかな?なんて気にさせられてしまいます。

 

ところが昭和に入って詳細な調査を行った結果、この石は化石は化石でもヤシの木の化石だったことが判明。
そりゃそうですわ、そんなぶっとい竹ないって(笑)。
年代は約1,700万年前。
人類の誕生が700万年前なので、我々よりもはるかに先輩。
今でこそここ金沢は寒さ厳しい雪国ですが、ヤシの木が生えてたってんですから、当時はきっとぽっかぽかに温かかったんでしょうね。
それが長い年月を経て石化しながら地中で眠り続け。
現代になって川が地面を削ってゴロンと流れ出して。
それを誰かがどこかから持ってきた。
と、そういう経緯みたいです。

 

ちなみに手水鉢(ちょうずばち)ってのは手を洗う水を溜めておく容器。
夕顔亭は茶室なので、建物に入る前にまず手水鉢で手を洗って清めるというのが作法なんだそうです。
神社なんかにも必ずありますよね、拝殿の前に手を洗う場所。
あれと同じです。
でもこの庭には伯牙断琴(はくがだんきん)の手水鉢っていうもっとカッコイイ手水鉢がありまして。
実際に手水鉢として使われていたのはこっちの方だそうです。
じゃあ竹根石手水鉢は何のためにあったの?と言うと。
ただの「飾り」だったそうです。

 

手水鉢なのに手水鉢として使われなかった竹根石手水鉢。
そう思って眺めてみると。
なんとなく哀愁を感じますね。(感じない?)



兼六園夕顔亭の竹根石手水鉢。
何も考えずに訪問すると気付くことすらなく通り過ぎてしまうくらい地味~ですが。
どうかちょっと立ち止まって見てあげてください。
これは太古のヤシの木の痕跡なんだ~と思って眺めてみると、1,700万年の悠久になんとな~くありがたさがこみ上げてきますよ!




多分。

 

 

兼六園

住所:石川県金沢市兼六町 1

TEL:076-234-3800

 




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