
雨の宮古墳群
2019年01月05日

古墳巡りをしていると分かるのですが、本や教科書の写真で見るようなきれいな状態に整備された古墳って意外と少ないのですよ。
ほとんどの古墳はただの丘。
草ぼーぼー、木立びっしり。
蚊がうようよ。
古墳?言われてみれば古墳、かなー???みたいなのものばっかりで。
結構雑に放置されてます。
でも雨の宮古墳群、ここは違います。
ちゃんと見学用に整備されてて、見通し良好。
古墳の「形」がはっきりと確認できます。
と言うのも、平成6年から文化庁の史跡等活用特別事業に指定され、復元整備が進められてきたからです。
道は悪いけどね(笑)。
雨の宮古墳群の建造は4世紀後半頃。
古墳時代は3~7世紀なので、時期的には大体中期。
数は大小合わせてで36基あり、中でもズバ抜けてデカいのが1号墳と2号墳。
まずは手前にあるのが2号墳。
全長65.5メートル、全高7メートルの前方後円墳。
かなりの迫力です。
余計な木も草も全部伐採されているから形がはっきりと視認でき、きれいな鍵形。
形も規模もまさにイメージ通りの古墳。
階段を伝って上に上ることもできます。
すぐそばには5・6・7号墳。
こちらは2号墳よりも後に造られたそうで、サイズはぐっと小さくなります。
ぽこぽこぽこっと丸い盛り上がりが3つ並んでるな、程度の大きさ。
その2号墳のちょっと先にあるのが1号墳。
全長64メートル、全高8.5メートルの前方後方墳で、2号墳とほぼ同じ規模。
崩壊防止のため周囲を噴石で多い、段が施されています。
こちらも上まで登ることができ、頂上からの眺めは爽快、周囲一帯をざっと見渡せます。
印象としては1号墳の方が2号墳よりやや男性的。
ちょっといかつい形のせいですかね?
1号墳のふもとにはちっちゃな祠がぽつん。
これは天日陰比咩神社(あまひかげひめじんじゃ)の祠で、見た目からはイメージできませんが、元々は能登一円の総雨乞社だったそうです。
「雨の宮」の名前の由来もここから来たそうで。
かつてここでは雨乞いの神事が盛んに行われ、櫓を立てて7日間太鼓を打ち続けたと言われています。
当時の姿はもっと立派なものだったのかもしれませんね。
古代ロマンあふれる古墳群。
そこにどんな人が埋葬されたのか?
どんな人々の営みがあったのか?
今となっては永遠の謎ですが、持てるイマジネーションをフル稼働させて当時の情景を思い浮かべるのも一興です。
入口には雨の宮能登王墓の館という施設もあります。
付近のマップやパンフレットなんかが入手できますので、訪問前にはぜひ立ち寄って下さい。
古墳から出土した刀剣や粘土槨の実物大模型なんかも展示されてて、なかなか面白いですよ。
雨の宮古墳群
住所:石川県鹿島郡中能登町西馬場
関連タグ >> 古墳 遺跡
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