ハニベ巌窟院 ハニベ釈迦牟尼大仏
2018年12月25日
入口にいきなりどどーん!とそびえる大仏様、の、頭。
「頭」だけです。
全高なんと15メートル。
横幅がたっぷりあるせいか、実物は実寸以上の迫力です。
建立は1983年というから、実に35年前。
これはまだ未完成形で、完成時には33メートルもの高さを予定しているのだとか。
頭だけで15メートル、完成したら33メートル。
坐像だとしても、それちょっとバランスおかしくね?と思われるでしょう。
うん、絶対おかしい(笑)。
とは言え、35年。
当主は完成を「悲願」とおっしゃってるそうですが、まあまず完成はないでしょうね。
できるんならとっくにできてますわ。
頭15メートルで、全高33メートルの大仏様。
色んな意味で。
見てみたい・・・。
この頭大仏さん、なんと内部は部屋になってて入れます。
中には何百体にも及ぶ小さな緑色のお地蔵さまがズラリ。
何も知らずに入るとかなり???な不思議空間。
これ実は全部、参拝者が供養の願いを込めてお供えした水子地蔵なんです。
その総数数千とハンパなく、当然ここだけじゃ収まり切らないため、裏山をちょっと登った先の別の建物の中にも並んでいます。
よく見ると1体1体にそれぞれ番号が振られてて、どうもこの数字で自分のお供えしたお地蔵さんがどれかを識別するみたいで。
さらに部屋の奥の方に進むと1本の階段が出現。
お、上に登れるのかと思いきや、残念ながらこの先立ち入り禁止。
登っちゃダメと言われるとますます登りたいーー!!!(←高い所大好き)
さてそんな不思議いっぱいスポットですが。
そもそもこれ何の施設なの?と言うと。
なんと人類平和を願って作られたものだそうです。
作ったのは都賀田勇馬(つがたゆうま)。
彫刻家です。
東京美術学校(現東京芸大)で学び、石川県工芸指導所窯業課長なども務めた、結構それなりの人だったようです。
そんな芸術家さんがなんでこんなの作ったのかと言うと。
そこには当時の厳しい現実と社会的背景がありました。
時は戦後。
第二次世界大戦が集結して6年、まだ世の中が混沌としていた時代。
世界は未だ不安定で、国内も物資・食料・インフラ、あらゆるものが不足していました。
そんな世を憂いた勇馬。
自分に何かできることはないか?
考えに考えた末、たどり着いた答が仏像製作だったのです。
勇馬の製作意欲は凄まじく、次々と彫り上げては裏山の洞窟へと安置。
そんな事を何年も続けている内に、気が付けば洞窟中、仏像!仏像!仏像!
あっちもこっちも仏像だらけ!(一部変なのもあるけど)
こうして世にも奇妙な超絶異世界、ハニベ巌窟院が出来上がったのです。
ちなみに「ハニベ」とは、古墳時代に土をこねて焼きものを作っていた職人「土部師(はにべし)」から取った名前とのこと。
彫刻家である自分を土部師に折り重ねて付けた名前のようです。
この彫刻群がスゴイんですわ。
言葉悪いですけど、ほぼ狂気。
インパクト強烈、小さな子に見せたら怖がって泣き出すくらいに大迫力。
そして最後の仕上げにどどーん!と建てたのが、今回紹介したこのでっかい大仏様の頭。
勇馬の没年が1981年、仏像建立が1983年なので、残念ながら勇馬がこの仏像を目にすることはなかったようですが。
加賀の珍百景「ハニベ巌窟院」。
かなりマイナーな名所ですが、見応えは抜群!
ちょっと普通の観光名所は見飽きた、なんて人は絶対行ってみてください。
ホラー感満点の異次元空間に夏は背筋が凍り、冬は氷結できますよ!
入口にはお土産物屋もあります。
ハニベ焼きの黒い招き猫をがここの目玉。
買って帰って部屋に飾れば、招福訪金、強烈オカルトパワーで運気開けますよ!
見た目ちょっと怖いけど(笑)。
関連タグ >> お寺 大仏 ハニベ巌窟院
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