
金沢くらしの博物館
2018年10月20日

石引の大通りを走っていると何気に見える白い建物。
多分ほとんどの人が何も気づかず、ぼぉーっと通り過ぎてると思いますが。
そこにこの「金沢くらしの博物館」はあります。
この建物、よーく見るとなかなかに味があり。
い~い具合にボロくなってて(←?)、レトロ感むんむん。
いかにも昔の洋風建築といった、懐古的な雰囲気を醸し出しています。
建てられたのは今から100年以上前の、明治32年。
「石川県第二中学校」の校舎として作られました。
当時としては最先端のデザインだったでしょうね。
様式はアメリカ開拓時代を思わせるコロニアンスタイル。
正面には木造アーチのエントランスを設け、屋根の左右には銅板葺きの尖塔。
白壁には上げ下げ式の長窓をずらりと並べ、ポイントとして小さな丸窓も配置。
いや素晴らしいですわ、この意匠性。
もーーーカッコイイーー!!の一言。
設計は当時石川県工師であった山口孝吉。
建設は石川県の営繕。
元々はこの建物一棟だけだったのが徐々に拡張され、最終的には体育館や講堂、プールなども併設されていたそうです。
しかし昭和23年に廃校。
その後金沢市立紫錦台中学校となり、昭和53年に金沢市民俗文化財展示館へと生まれ変わりました。
そして平成19年、より親しみやすい呼び名をという事で、現在の「金沢くらしの博物館」へと改称されました。
館内は二階建て。
入口左側には時期によって内容が変わる「企画展示室」。
さらにその奥には「戦前のくらし」「戦後のくらし」と題された、ふたつの部屋。
昭和世代には思わず涙もののグッズがいっぱいです。
部屋を出て脇の階段を上がり二階に行くと、「特別室」「金沢くらしの大百科」「体験ルーム」の3つの部屋。
ここは元々倉庫として使用されていたところで。
そこが平成28年のリニューアルに合わせて解放されたそうです。
そのためか一階に比べて凝縮感に欠け、正直見所に乏しいのですが。
展示室としてよりも、多分レクリエーション用のスペースとして設けられたのでしょう。
そのまま階段を下り、再び1階に戻ると今度は「学校時代」と題された部屋。
かつての教室が再現されています。
ちょっと木材の新しさが気になるものの、雰囲気としては昔風の教室風景。
木製の机と椅子が並び。
正面には黒板。
なんかジブリの映画世界にでも入り込んだみたいなノルタルジックな空間です。
教室の片隅には、1点だけですが、当時実際に使われていた机が展示されてて。
こっちは流石に黒ずんで傷だらけのボロボロ。
歴史を感じさせる疲労感でいっぱいです。
昭和の生活を今に伝える「金沢くらしの博物館」。
わたしのようなじじいには、あーこれこれ!みたいなものも結構あり。
なかなかに心つかまれる、面白い場所です。
金沢の「かつて」を味わいたい方はぜひ、訪れてみて下さい。
着物での記念撮影なんかもやってるようですので。
女の人は記念に一枚撮ってもらう楽しみもありますよ。
金沢くらしの博物館
住所:石川県金沢市飛梅町 3-31 紫錦台中学校敷地内
TEL:076-222-5740
関連タグ >> 美術館・博物館 古建築 金沢くらしの博物館
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