
真脇遺跡
2018年10月27日

能登半島の先っちょ。
ここに全国的に有名な縄文遺跡があります。
「真脇遺跡(まわきいせき)」です。
期間は縄文時代前期から晩期頃の約4,000年、全国的にもまれな長期定住生活の痕跡が確認されています。
遺跡の存在自体はかなり古くから知られており。
なんと平安時代の古文書には、既にその名前が登場するそうです。
しかしながら本格的な調査が行われたのは比較的近年になってからで、昭和57・58年。
その際土器・石器・装身具、木製品など、大量の出土品が発見されました。
中でも最も特徴的なのは「イルカの骨」。
ものすごい数が出土しています。
確認できただけでも286頭。
もちろんこれは一部ですから、実際には数千頭分もの骨が埋まっていると考えられています。
貝塚ならぬイルカ塚ですな。
でもここでひとつの疑問が浮かびます。
イルカみたいな大きな、それも海の生き物をどうやって捕まえてたのか?
その秘密はチームプレイ。
どうも彼ら、集団で漁をしていたらしく。
船で寄ってたかってイルカの群れを狭い所に追い込み。
最後はモリを使ってぐさっ!と捕まえてたらしいのです。
獲れたイルカはみんなで分配。
量的に真脇だけではとても消化し切れないため、恐らく周囲の村々との交易にも使われていたと考えられています。
他にも興味深いものが多数出土しており。
特に面白いのが「鳥さん土器」。
茶碗サイズのちっちゃ~い土器ですが、取っ手部分が鳥の頭になっています。
これが可愛くて。
きょとんとした眼が愛嬌満点。
実用というより、祭器として使われていたもののようです。
それとは対照的にめちゃくちゃデカイのが木柱。
直径約90cm、長さ7メートル強。
そんなデカイ柱をずらっと円形に立てて並べてあったらしいんですね。
ストーンヘンジの木柱版みたいなイメージですかね?
使用されたのは、丈夫で腐りにくい栗の木。
丸太の状態ではなく半円にカットし、中心部をくりぬき、それを10~6本対なるように並べて円を作ります。
何かよほど重要な意味を持っていたのでしょう、よくよく調べると何度も立て直された形跡があります。
正確な使用目的は不明ながら、恐らく祭祀の場として設けられた宗教的な空間だったと想像されます。
現在は発掘調査を元に復元が行われ、その全貌が見られるようになっています。
見通しのいい広場の向こうに巨大な柱がぼこぼこっと突き出てるので、すぐ目に入るはず。
なんたって1本7メートルですからね、めちゃくちゃ目立ちます。
内部は出入り自由、じかに触れることもできます。
中から見上げる眺めは、外から見る以上に迫力がありますよ!
敷地内には真脇遺跡縄文館という施設も併設されています。
遺跡から出てきた様々な出土品が多数展示されており、こちらも必見。
石器や仮面、動物の骨などの資料が間近で見られます。
先述の鳥さん土器はもちろん、時代ごとの縄文式土器の変遷など、興味深い展示品がいっぱい。
古代好きにはたまらない世界です。
過ぎ去ったロストワールド「縄文時代」。
ひょっとしたらあなたの遠ぉーーーーーーーーーいご先祖様も。
ここにいたのかもしれませんよ!
真脇遺跡
住所:石川県鳳珠郡能登町真脇
関連タグ >> 遺跡 公園
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